【バブアー、レッドウイングなど】色を変えて雰囲気が激変した新傑作アイテム4選
一流ブランドの新提案をしかと見よ![新傑作図鑑]
トレンドの移り変わりが激しい昨今、“変わらない”のと等しく、時代にアジャストして“変わる”のもまた「傑作」の条件かも。ってことで、さまざまな角度から要所をテコ入れして生まれ変わった新傑作をお届け!
5つのカテゴリーごとに「新傑作」をご紹介!
すでにある傑作に匹敵する新傑作を、いかに作り出すかが各社の腕の見せ所。今回リサーチした結果、その術は概ね下の5カテゴリー。どれも安定感と鮮度を見事に両得している!
・【素材変え系】
・【色変え系】
・【サイズ変え系】
・【復活系】
・【珍型系】
今回ご紹介するのは……
【色変え系】4選
既視感MAXの傑作も、色が違うと雰囲気が激変。新たな一面を披露したり、原点回帰していたり、各社の想いは色々ですが、安定感も鮮度も犠牲にしたくない欲張りさんはぜひ。
新生タンカーに入魂の鉄紺、合流!
あのタンカーが100%植物由来のナイロンに生まれ変わった!この一報は2024年カバン界を激震させましたが、今シーズン早くもその新色が登場。
フライトジャケット顔のタンカーといえば、やっぱりセージグリーンが王道でしたが、この“アイアンブルー”もまたそれに比肩する定番になる可能性大。なんてったって直訳すると“鉄紺”ですからね。鉄板色になりそうじゃない?(苦笑)
ただ日本古来の“鉄紺”は、本来赤みを排したネイビーを指すものの、それだとチとハードすぎるし、かといって赤みが強いとカジュアルすぎるし……(悩)。ってことで実力派染色メーカーとの二人三脚で開発したのが、このオンオフどっちもイケる鉄板ネイビーってわけなんです。
PORTER[ポーター]
タンカー ヘルメットバッグ
1983年に登場した、ポーターが……否、日本が世界に誇る傑作バッグ。今年から世界で初めて量産化に成功したバイオベースナイロンに生まれ変わったものの、お馴染みのミリタリー調の佇まいは不変だ。W40×H41cm。各6万4900円(ポーター表参道)
NEW TANKERとは?
“MA-1”をモチーフに開発した3層生地こそタンカーの代名詞。その表地をとうもろこしやヒマからできた、100%植物由来のバイオベースナイロンに変えているのが、“ニュー”たる所以だ。
“え、デッドストック?”な古きよき姿に
バブアーの創業は1894年。そう。今年はちょうど130周年のアニバーサリーイヤー! ってことで開発されたのが、この傑作をベースにした記念モデルたち。特筆すべきは“衿”と“裏地”。
まず前者は、同社がワックスドコットンジャケットを開発した当時に採用していた“金茶色”に変更。褪せたような色合いが、ヴィンテージと見紛うほどのオーラを醸し出してる〜♪
そこに加えて後者をお馴染みのタータンチェックから、これまたヴィンテージ市場で高嶺の花化している“ドレスゴードンタータン”へとアレンジ。このW仕様によって持ち前のクラシックな雰囲気がよりパワーアップ。
それデッドストック!?なんて指差し確認されることウケアイです。
Barbour[バブアー]
130周年アニバーサリーモデル
ベースに選出されたのはいずれもバブアー史に名を刻む精鋭たちゆえ、定番力はお墨付き。左/「ゲームフェア ワックス」7万9200円。中/「トランスポート ワックス」6万2700円。右/「スペイ ワックス」6万6000円(以上、バブアー パートナーズ ジャパン)
裏地のチェックに関しても数多くのバリエを誇る同社。同じタータンチェックでも、ベースの色味や柄の大きさなどで印象は激変。明暗がバキッと出たドレスゴードンタータンは激シブ。
現行の定番モデルたちはダークブラウンのコーデュロイ衿が使われているのに対し、周年記念モデルは渋イイ金茶色に。セージカラーのワックスドコットンボディとのシンクロ率も最高!
“白底”がまさかのオールブラック化!
アメカジの象徴たる“6インチクラシックモック”のなかでも、ブラックアッパー × ホワイトソールは黄金コンビとして著名。ですが、なななんと!
このたびありそうでなかったオールブラック版がラインナップ! ブラックのトラクショントレッド・ソールや、革本来の肌目をいかしたブラック・ハーネスレザーをアッパーに採用するほか、ステッチやハトメ、シューレースまで真っ黒。基本仕様は70年近く変わらないのに、全身が黒で統一されると、途端にモダンに見えちゃうなんて、いやはや傑作の懐の深さを感じます。
イイ塩梅にワーク色が中和されてて、クリーンに装いたい時なんかもハマるし、こりゃどう考えても使い勝手よすぎでしょ!
RED WING[レッドウィング]
6インチ クラシックモック #8074
1950〜60年代に誕生したアメカジ史に残る名品だけに、“堅牢なレザー ×クッション性に優れるソール”という基本レシピこそ不変だが、そのバリエは無数。いずれにしろこの全黒版が史上もっともモダンなのは疑いなし! 4万5870円(レッドウィング・ジャパン)
①ハトメ
②シューレース
③ステッチ
④ソール
⑤レザー
顔役を担うモデルだけに黒だけでもバリエ豊富だが、写真の「♯8849」と比べると、新作は5つの要所がすべて黒化していることがわかる。4万5870円(レッドウィング・ジャパン)
創業者の愛車を思わせるグリーングラデーション
時は1959年。NY生まれのアウトドアマン、ボブ・リー氏はアンゴラでサファリツアー会社「リー・エクスペディションズ」を設立。顧客にプロユースのアウトドアギアを開発・販売していましたが、これが契機となって1965年にNYでハンティングワールドを創設することに。
つまり同社にとって「リー〜社」は前身ともいえる大切な会社ってわけ。で、今年はそんな前身会社の誕生65周年!こちらはそれを記念したオマージュコレクションの顔的作品なんですが、なんといってもこの色合いが洒脱。
ランドローバー・ディフェンダーの原型と言われる氏の愛車「シリーズⅠ」から着想を得たグリーングラデは、TPOを選ばず365日フル活躍してくれそう。
HUNTING WORLD[ハンティングワールド]
リー・エクスペディションズ リミテッド オリジナルサファリエクスプローラM
イタリア製のバケッタレザーと耐候性に優れたネオバチュー・クロスをコンビ使い。探検会社で使っていた名車「ディフェンダー」に施された社名デザインを再現し、前面に配した特別仕様。W41×H27×D14.5㎝。25万3000円(ハンティングワールド帝国ホテル店)
いつものグリーンの定番に比べ、記念モデルは少し明るめの色味に変更している。その色の元ネタがマニア垂涎の名車であるって出自も、定番好きとしては刺さりどこでしょ?
※表示価格は税込み
[ビギン2024年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。