「100足以上履いてナイキが一番」と断言するデザイナー・菊池武夫さんが選んだ3つの傑作モノとは?
一流も選ぶ傑作モノ
令和のイマは、“物価高”に“情報過多”、“多様性”などなど一概にモノ好きのココロに一様にブッ刺さる傑作モノを探し出すのが正直難しい……。ただ、モノ選びに定評のある各業界の一流に聞けば、その答えが出ると我々は考えました! さしずめ傑人も愛する傑作モノ。ましてや、一流のヒトも定番モノやグッドプライスなモノまで愛用していたら、親近感もあるし、なおのこと説得力が増しませんか!?
その道のスタイルを貫く一流ファッションデザイナーの傑作モノ
「100点のものしか身につけたくない」
良いモノを知る、良い情報を得るためには、その道のスタイルを貫く一流の人物に聞くのが近道。愛用の傑作モノ&傑作たる理由を伺いました!
1939年生まれ。1975年にメンズビギを創立し、84年にタケオキクチを始動。12年に一旦離れていた同ブランドのクリエイティブディレクターに再就任する。日本のファッション界の至宝。
前に取材に来られたときは、ナイキのエアフォースⅠの話をしましたっけ。ジャケットにも合って万能だからそればかり履いちゃうと。でも、あれから体のために1日1万歩を歩くようになって、するとエアフォースⅠだと僕の足は疲れちゃう。普段はラクなんだけどね。最近はジャケットを着る機会もそうありませんし、あまり履かなくなりました。
代わりに見つけたのが、同じくナイキのエアマックス 97。まず、顔がいいでしょ? 最近の前傾が強すぎる厚底スニーカーは歩くには不向きなんですが、これはちょうどイイ塩梅。ジャケットには合わないけどね。あまりに気にいったので、半年で4色に増えました。余談ですが、足グセなのか内側の踵の減りが早く、靴は3〜4ヶ月履いたら新しいのを買っています。
これまでいろいろなブランドのスニーカーを履いてきましたが、一番好きなのはやっぱりナイキ。最初に履いたのは、ハイカットのエア ジョーダンだったかな。マイケル・ジョーダンがブルズで最初に優勝したときに、ロサンゼルスで買ったのを覚えています。
僕はモードデザイナーになったつもりはなくて、常々自分が楽しめるものを作りたいと思ってきました。ストリートの感覚ですね。スニーカーはストリートを象徴する存在ですし、その代表といえばナイキ。足に合うのもそうだけど、相性がいいのかもしれません。今日被っているのはヤンキースのキャップで、これもお気に入り。ヤンキースは永遠のチームですし、ロゴのフォントが本当に格好いい。完成されていると思うんですね。
G.T.ホーキンスのノースリーブシャツは、タンクトップ代わりに着ています。肩が少しドロップした具合が気に入って、16枚も持っています。ブーツのブランドのイメージがあるけど、僕はそういうのに全然こだわらないんですね。
一度気に入ると、そればかりを身に着けたくなるのが性分。自分に似合う100点のものしか着たくないから、ストライクゾーンが狭くて。だから昔の写真を見ると、いつも同じ格好をしてたりする。この性分は変わりませんね(笑)。
ナイキのエアマックス 97 フューチュラ
「100足以上履いてナイキが一番」
波のような意匠が特徴的なモデルの、異素材を組み合わせたバージョン。横長の窓からはたっぷり入ったエアーが覗く。「顔がいいし、長時間歩いても疲れない」のが愛用の決め手に。2万3430円(ナイキ カスタマーサービス)
ニューエラ®のキャップ
「ヤンキースは永遠のチーム」
アジャスターのない定番「59FIFTY®」。とりわけヤンキースのこちらは、永遠の存在だ。「フォントが本当に格好いい。完成されているよね」と愛を語るタケ先生は、サイドを小さなバッジでカスタム。6380円(ニューエラ)
G.T.ホーキンスのノースリーブシャツ
「タンクトップ代わりにいつも着ています」
肩がドロップしたノースリーブのTシャツを探していたときに、ネットで出会った一品。「一枚でも着るんだけど、最近は体を鍛えてないから人には見せられないね(笑)」とタケ先生。2枚組で1650円(グンゼお客様相談室)
※表示価格は税込み
[ビギン2024年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。