【オーベルジュ、エル・エル・ビーンなど】思い切って素材を変え進化&深化した新傑作たち
一流ブランドの新提案をしかと見よ![新傑作図鑑]
トレンドの移り変わりが激しい昨今、“変わらない”のと等しく、時代にアジャストして“変わる”のもまた「傑作」の条件かも。ってことで、さまざまな角度から要所をテコ入れして生まれ変わった新傑作をお届け!
5つのカテゴリーごとに「新傑作」をご紹介!
すでにある傑作に匹敵する新傑作を、いかに作り出すかが各社の腕の見せ所。今回リサーチした結果、その術は概ね下の5カテゴリー。どれも安定感と鮮度を見事に両得している!
・【素材変え系】
・【色変え系】
・【サイズ変え系】
・【復活系】
・【珍型系】
今回ご紹介するのは……
【素材変え系】5選
服作りにおいてもっとも川上といえる要素だけに、傑作にはコレ!と決まった素材がつきもの。浸透しきった素材を思い切って変えた新傑作には、進化と深化に対する意欲が凝縮!
史上最高に美しい漆黒モールスキン
AUBERGE[オーベルジュ]
リブ ノワール
シーアイランドコットン製モールスキンならではの落ち感を活かすために、肩幅や身幅を従来より若干ゆったり目に設定。フレンチヴィンテージ特有のフラットカラーや胸のVポケなど、玄人好みなディテールもきっちり踏襲している。10万7800円(オーベルジュ)
[従来]
フレンチワークの象徴たるブラックモールスキンカバーオールを、生地感から細部の意匠まで徹底再現した「シャルボン」シリーズ。参考商品。
1492年にカリブ海の島に到達したコロンブスが、その存在を世に知らしめたとされるバルバデンセ種の綿花のこと。すべての超長綿の始祖にして、生産量は世界の綿生産量のうちわずか約0.0002%という、別名「繊維の宝石」!
こだわりっぷりを直撃取材!
「超希少な海島綿を使って史上最高のモールスキンを織り上げました!」
オーベルジュ デザイナー
小林 学さん
1966年生まれ。文化服装学院を卒業後、フランスに遊学。帰国後、南仏に本社のあるブランドのデザイナーや、岡山のデニム工場の企画生産等を経て、98年にスロウガンを、2018年にオーベルジュをスタート。
掴みどころのない“フレンチ”を日本人にも咀嚼しやすいよう調理する名手オーベルジュ。
ヴィンテージのユーロワークJKを元ネタにしたブラックモールスキン製カバーオールは、形や生地感を変えながら何度も製作している代名詞的アイテムですが、「今季の新作はある意味その到達点!」とコーフン気味の小林さん。
「史上もっとも高品質なカリブ海産シーアイランドコットンを使いつつ、ドイツの1930年代製モールスキンカバーオールに倣って、非常識なほど高密度かつ裏側を深〜く起毛させて織り上げた生地を特注しました。品のいい光沢を放ちながら、重厚なのにしなやかでスウェットなみに心地いいし、黒の色味も吸い込まれるほど深イイ♪
その分1メートルあたりの生地単価も雲上ですが(苦笑)、これ以上のブラックモールスキンは歴史上ない!と自負しています(誉)」
キクス ドキュメント.のカットソー1万7600円、マナベのシャツ3万9600円(以上、HEMT PR) タンジェントのパンツ3万9600円(タンジェント) テクネの帽子1万3200円(カナル) パラブーツの靴9万4600円(パラブーツ青山店)
クラシックな趣のまま光沢とハリを獲得
SIERRA DESIGNS[シエラデザインズ]
ジップダウンベスト
ハンティング用として1924年に開発された、御年100歳の傑作コート。現行品はコットン・キャンバス地で仕立てられているが、節目の年を迎える今季、誕生当初の姿に立ち返るため、名門ブリティッシュ・ミラレーン社製のオイルド・コットン版が仲間入り。エイジングも期待大! 4万2900円(L.L.Beanカスタマーサービスセンター)
[定番]
高めの衿といい、ダウンをたっぷり装填したモコモコぶりといい、レトロな趣に萌え。3万5200円(アリガインターナショナル)
100年前と同じラギッドオイルドに
L.L.Bean[エル・エル・ビーン]
1924 フィールド・コート
伝家の宝刀たる米国製60/40クロスを採用した「ダウンシエラベスト」を、高密度なナイロンタフタ生地に大胆チェンジ。光沢感が増し、より街映えするように改良されてるけれど、昔ながらの形はイジらず、レトロな佇まいはキープしてくれてるってのが、定番好きとしては嬉しい限り。2万9700円(アリガインターナショナル)
[定番]
多彩なポケットは狩猟用の名残。綿フランネル裏地のおかげで保温性も◎。2万9700円(L.L.Beanカスタマーサービスセンター)
流麗3rdが秋めくコーデュロイ化
SCYE BASICS[サイベーシックス]
ソロテックス ストレッチコーデュロイ トラッカージャケット
快適性と体型補正効果を両得する立体パターンでお馴染みの同社が、長らく展開する看板Gジャンをデニム→コーデュロイへと変更。しかもただのコーデュロイではなく、ヨコ糸にかのソロテックス糸を採用してるから、ストレッチ性にも優れる。細畝 × 光沢の相乗効果で品もマシマシ。3万7400円(マスターピースショールーム)
[定番]
通称“サード”型のGジャンを、得意のパターンワークでより美しく、快適に仕立てた定番品。3万7400円(マスターピースショールーム)
万能軽量シェルにあったか中綿をプラス
ARC’TERYX[アークテリクス]
ソラノ インサレイテッド フーディ
先進ギアを開発し続けるアークテリクスが、定番シェルに〝プリマロフト〞をインした高機能インサレーション。小雨もブロックしてくれるうえ、透湿性にも優れるので、アウトドアだろうが街ブラだろうがポカポカ&蒸れ知らず。10月発売予定。7万5900円(アークテリクス カスタマーサポートセンター/アメア スポーツ ジャパン)
[定番]
ゴアテックス インフィニアム採用の「ソラノ フーディ」。5万9400円(アークテリクス カスタマーサポートセンター/アメア スポーツ ジャパン)
※表示価格は税込み
[ビギン2024年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。