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CASIO
#65
Jun-13-2025

タイアップ

【AIが考えた最強G-SHOCK爆誕!?】熟練デザイナーとの共創で生まれた革新構造とは?

5月某日、編集部に「G-SHOCKのMT-Gシリーズに、人間とAIとの共創で開発された新型モデルが誕生」という情報が舞い込みました。人間とAIとの共創? 一体全体どういうこと?? これは詳細を確かめねば! というわけで、開発責任者に直接、お話を伺ってきましたよ〜。

今度のMT-Gが超~革新的らしい……

本題に入る前に「MT-Gのことよく知らないよ」ってな人のために軽くおさらい。

耐衝撃性に優れた樹脂製G-SHOCKの大ヒットで、不動の地位を築いたカシオが、次なる一手として着手したのが樹脂とメタルの融合。異素材融合の取り組みは1999年に発売された初代モデル「GC-2000」として結実。これがMT-Gシリーズの皮切りとなりました。ちなみに、MT-Gとは「Metal-Twisted G-SHOCK」の略。

オール樹脂では望めない、メタルならではの硬質感や各種研磨で映える洗練された輝き。所有欲を満たす高級感と異素材融合由来のエッジの効いた造形が見事に調和しています。G-SHOCKの中ではやや高価格帯のシリーズですが、惚れ込む人が続出というのも納得!

取材に行ってきました

東京都の西部に位置する羽村市。取材班が訪れたのは、この地に社屋を構えるカシオ自慢の開発拠点「羽村技術センター」です。初代モデルが産声をあげたG-SHOCKの聖地で、耐衝撃性能をテストするために社屋3階のトイレの窓からコンクリートの地面にプロトタイプを繰り返し落下させた話はあまりにも有名ですね。

開発者が直々に教えてくれました!

今回、取材に応じてくれた赤城貴康さんは、カシオ開発本部 デザイン開発統轄部 Gデザイン室の室長。武蔵野美術大学を卒業後、1997年にカシオ入社。BABY-Gのデザイン部門で8年間ほど勤務した後、現職に就任したそう。歴代の名作G-SHOCKを数多く手掛けてきた重要人物でもあり、今回の「MTG-B4000」の開発責任者!

革新ポイント① AIと共に作った、前代未聞のタフ構造

なにはともあれ、まずは現物とご対面! なるほど、これが人間とAIが共創して開発したカシオ初の腕時計「MTG-B4000」ですか。樹脂とメタルの異素材融合っぷりを見ると、確かにMT-Gシリーズのひとつだと分かります。でも、なんだかこれまでのモデルと雰囲気が違うような……。

40周年記念モデル製作で開発した独自AIを活用!

一般に販売される製品としては「MTG-B4000」が、間違いなく人とAIが共創して開発したカシオ初の腕時計。でも、一般に販売されなかったイレギュラー品を含めると、カシオ初は別のモデルになるんだとか。

「2023年に公開された『G-D001』が、AIと人間が連携して開発したカシオ初のモデルになります。G-SHOCK生誕40周年を記念して制作された世界限定1本のオークション用モデルで、ケースとベゼル、バンドに18Kイエローゴールドが使われていました」

当時、5000万円超えで落札されたといいます。うひょ~。

幾度ものトライ&エラーを経て……

そもそもの話、今回MT-Gの新作になぜAIを活用しようと思ったのでしょう?

「ひとつは、耐衝撃構造の最適化を目的としつつ、これまでにないユニークなデザインができるかもという純粋な好奇心から。もうひとつはMT-Gシリーズの積年の課題だった小型軽量化を期待して。異素材融合がゆえにどうしても大ぶり、かつ重くなりがちでしたからね」

AIを導入したことで、さぞかしサクサク問題解決したのでは? と思いきや、ことはそう簡単ではなかったようで……。

「誤解されがちですが、AIに丸投げはできません。最初にデザイナーがデザインのベース案を作ったのち、設計者がAIに荷重シミュレーションを指示します。それらを基にAIが解析しながら形を生成してくれるんですが、その形が最初はウニャウニャなんですね。まるで筋肉の束みたいな、かなり有機的な造形。それをブラッシュアップしたり、最後に設計案を細かく調整したりもすべてデザイナーと設計者の役割なんです」

人とAIとのやり取り=トライ&エラーも数知れずとか。人の役割が大きいから、人とAIとの“共創”なんですね。

かつてない、仰天構造が完成!

トライ&エラーの甲斐あって、成果は期待どおりだったようです。見てのとおり、カーボンとメタルの異素材融合が、フレームにバンド接合部(ラグ)を設けた新発想の構造に結実! この構造がケースへの衝撃を効果的に緩和してくれるんだとか。

「実用面では従来モデルよりケースサイズが明らかに小さくなりました。さらに軽量化にも成功しています」

前々から耳にしていた“小ぶりで軽いMT-Gが欲しい”というお客さんの声に応えられたのではないか、と赤城さんもご満悦。

AIとの共創で辿り着いた新境地です

実用面では小型軽量化に成功。では、デザイン面の成果は? 期待どおりだったのでしょうか?

「デザイン面も期待どおりでした。MT-Gシリーズとしてはもちろん、腕時計のデザインとしてもこれまでにないまったく新しいスタイリングが出来たと自負しています。だって、メタルケースに異素材のコンポジットが跨いでいくデザインなんて、他にないでしょう?」

革新ポイント② 力強くも美しいカーボン積層フレーム

複雑構造のフレームは、カーボン積層を立体的に削り出して成形しているそうですが、このカーボン積層もなかなか一筋縄ではいかない素材のようで……。

模様について幾度もトライ&エラー

「技術的にかなりハードルの高いカーボン積層を使っています。カーボン積層は、シート状のカーボンとグラスファイバーを交互に重ねた後、大きな圧力をかけて作りだしますが、双方の材料をどんなピッチで積層させるかが、また悩ましいところ。こちらもトライ&エラーの連続。試作品がいくつもあるのは、試行錯誤の痕跡ですね(笑)」

他ブランドではありえない……ほどの贅沢使い

海外の高級メゾンの腕時計にも使われるカーボン素材。それだけにコスト高のイメージがついて回ります。しかも、赤城さんいわく「カーボンむき出しだと樹脂に見えがちなので、高級感が出るように素材自体に工夫がされてます」となればなおさらです。

「なのに、それら舶来品に比べると、弊社の 『MTG-B4000』ははるかに安価。もちろん、技術的にはかなりレベルが高く、舶来品と比べてもなんら遜色のない素材です」

なぜコスパに優れているのか? 理由はひとつではなく、明言するのは難しいとのこと。あらゆる面でコストを削減しているから、企業努力の賜物といったところになりましょう。

革新ポイント③ 丹念に仕上げられたメタルパーツ

その出来次第で高級感が大きく左右されるメタルパーツの仕上げ。パッと見ただけでも、丁寧な仕上げっぷりが分かる「MTG-B4000」ですが、実際、鏡面に仕上がるザラツ研磨と繊細な線が一方向に流れるヘアライン仕上げを複雑に組み合わせているそうで。

「たとえば、ベゼルはヘアライン仕上げですが、その下の幅の狭い面はザラツ研磨による鏡面仕上げ。ラグのような小さなパーツにもヘアラインと鏡面を組み合わせています」

見る角度によって様々な表情を見せてくれます。見ていて飽きない流麗な美しさですね。

価格以上の高級感を醸し出します

気になるお値段ですが、ラインナップされている2モデルとも、15万円オーバー。パッと見ただけだと、MT-Gシリーズとはいえ、G-SHOCKでこの価格は高いと思うかもしれません。でも、高級メゾンにも使われるカーボンを惜しげもなく採用し、メタルパーツの仕上げも丁寧にして流麗となれば、これはもうコスパに優れているとしかいいようがありません。

「サイズも小ぶりになり、重量も軽くなって、ずいぶん取り回ししやすくなっていると思います。性別や年齢を問わず、幅広いお客様に受け入れていただけるのではないかと期待しています」

他にも、ならではのこだわり満載

使える機能がテンコ盛りで定評のあるMT-Gシリーズですが、「MTG-B4000」も機能に死角なし! 

カシオ独自の光発電システム「タフソーラー」に加え、Bluetooth®でスマホとリンク&世界6局の標準電波受信で時刻を自動修正する「Bluetooth®搭載電波ソーラー」を装備。また、腕時計が苦手にする3つの重力加速度=衝撃力、遠心力、振動に耐える「トリプルGレジスト」も採用。

機能だけではありません。時計の顔であるダイヤルがまた見どころ満点! 傾斜のついたダイヤルリングに、グッと立ち上がった大型のインデックス。それらのパーツを立体的にレイアウトすることで、ダイヤル全体に深みや奥行きを感じることができるんですね。

G-SHOCK史に残る傑作です!

人とAIとの共創から生まれた「MTG-B4000」。開発者の赤城さんは、このモデルがMT-Gシリーズのなかで、ひいてはG-SHOCK全体のなかで、どのような立ち位置になることを期待しているのでしょうか。

「今回AIを活用してみて、自分が想像していた以上に独創的な造形になることが分かりましたし、そのようなデザインプロセスのスタートが切れたかなと感じています。従来の耐衝撃構造を従来の手法の延長で強くしていくのではなく、これまでにないアプローチから、まったく新しい耐衝撃構造を開発していける! 『MTG-B4000』にそんな広がりを感じています。自分としては、これで次のステージに入ったんじゃないかと考えていますし、皆さんにもぜひ期待していただきたいですね!」

INFORMATION

 

スペックは共通して、タフソーラー。耐衝撃構造・耐遠心重力性能・耐振動構造の3つの重力加速度に耐えるトリプルGレジスト。世界6局の標準電波受信機能(マルチバンド6)。日付・曜日表示。カーボンファイバー強化樹脂ケース。ラバーストラップ。径45.3㎜。20気圧防水。左/MTG-B4000B-1A2JF。17万6000円。右/MTG-B4000-1AJF。16万5000円。

(問)カシオ計算機お客様相談室☎0120-088925

※表示価格は税込み


写真/工藤 恒(アルフォース) 文/星野勘太郎

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