手前味噌ながら、これまでビギンは傑作モノを発掘しては、どこよりも深く魅力を掘り下げてきた自負があります。では今欲しい傑作モノとは何か? 今回は「今こそ欲しい」腕時計をテーマに“傑作モノ”を6選ドドンとご紹介します!
①3桁ヴィンテージを不要にした風格ウォッチといえば……【チューダーのブラックベイ】
昔から存在する名作のような凄みさえ漂う
ヴィンテージ時計の相場は近年急激な右肩上がりで、人気モデルは3桁超えが当たり前(涙)。そこでビギンが注目したのがチューダーの最上位スポーツコレクション「ブラックベイ」です。
アーカイブの美味しいディテールを採用したレトロ顔が選り取りで、そこはかとなく兄貴分ロレックスとの繋がりを感じさせるデザインが多いのもイイんすよね。この「ブラックベイ GMT S&G」は好例。
黒×茶の“ルートビア”ベゼルと、チューダーといえばな“スノーフレーク針”が共存する時計好きの空想を叶えたようなデザイン。むろん性能は現代のスポーツ時計として第一線級ゆえ、日々ガンガン着用できます。我々にとっての“リアル”なヴィンテージってこういう時計じゃない?
[U-70万円]ありそうでなかったGMT“ルートビア”の空想復刻!?
TUDOR[チューダー]
ブラックベイ GMT S&G
GMTモデルの新作としてコンビ仕様が登場。温かみのある配色でよりノスタルジックな趣に。COSC取得の自社製自動巻き。200m防水。径41mm。SS+18KYGケース&ブレス。67万8700円(日本ロレックス/チューダー)
スノーフレーク針やビッグクラウンはダイバーズ由来の伝統ディテール
ちなみに……60年代傑作を新装した「レンジャー」も狙い目だ!
U-40万円
3、6、9、12時のアラビア数字と矢印型針という60年代の初期レンジャーの風貌を受け継ぐ新作。ベージュの蓄光やサテン仕上げのケース、コンパクトなサイズもヴィンテージ感を高める。径39mm。COSC取得の自社製自動巻き。SSケース&ブレス。37万1800円。
②キング・オブ・ロックも愛した三角腕時計といえば……【ハミルトンのベンチュラ】
50年代アメリカの空気感が伝わる嫌味のないゴージャス感
1957年に誕生した「ベンチュラ」は世界初の電池式時計にして、後のクォーツウォッチの先駆け。まさに時計史に残る傑作ですが、ビギンが長年この時計を推すのは、何よりも独創的な三角形デザインが問答無用でカッコいいから!
なかでもフレックスブレス(伸縮する蛇腹ブレス)は、今年映画でも話題となったエルヴィス・プレスリーがカスタマイズしたモデルの再現版。程よくゴージャスで、アメリカが最も輝いていた1950年代の空気感まで伝わってくる最高の一本です。
[10万円台]蛇腹ブレスこそエルヴィスカスタマイズの証
HAMILTON[ハミルトン]
ベンチュラ
エルヴィス本人の依頼でカスタマイズした、フレックスブレス仕様のベンチュラを再現した一本。クォーツ。32.3×50.3mm。PVD加工SSケース&ブレス。12万5400円(ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン)
ベンチュラを公私ともに愛用したエルヴィス・プレスリー
③スイスが誇るコスパ最強ウォッチといえば……【モーリス・ラクロアのアイコン クォーツ】
今をときめくステイタス時計をグッと身近にしてくれた
ラグジュアリースポーツと呼ばれる高級時計は自分には縁遠いと諦めていた方々に、絶賛をもって迎えられたのが2016年デビューの「アイコン」でした。ケースとブレスが一体化した王道ラグスポスタイルなのに、お値段は極めて良心的♡
しかもポッと出じゃなく、ブランドの90年代の名作のDNAを受け継ぐのもよかった。当然ながら大ヒットし、今や多数のバリエーションを擁する新定番に。とりわけ狙い目は奇跡の10万円台で買えるクォーツ。これぞ庶民のラグスポです!
[10万円台]憧れでしかなかった“ラグスポ”がついに10万円台!?
MAURICE LACROIX[モーリス・ラクロア]
アイコン クォーツ
90年代に大ヒットした“カリプソ”のディテールを継承しつつ、現代的にアップデートした「アイコン」シリーズ。写真はクォーツモデルの新色。径40mm。SSケース&ブレス。12万1000円(DKSH MESジャパン)
④お洒落のプロが最注目する品格ウォッチといえば……【カルティエのタンク マスト】
シンプルだからこそ美しい造形が際立つ
1917年の誕生以降、古今東西の洒落者に愛され、何人もの服飾業界人が“一生モノ”として挙げた「タンク」。憧れている人が多いでしょう。多彩なバリエがありますが、ビギンの今のイチ押しは昨年登場の「タンク マスト」。
こちらはかつて「タンク」の入門編として展開され、最近アンティーク市場でも人気の高い「レ マスト ドゥ カルティエ」を受け継ぐ新コレクションで、クォーツならぐっと手頃なんです。
なかでもおすすめは今年登場のご覧の新作。歴史的にも「タンク」の黒文字盤は少なく、特徴的なローマ数字をあえて排したものとなるとさらにレア。研ぎ澄まされた美しさや時代を超えるモダニズムを、存分に堪能できる一本です。
[40万円台]100年の歴史上稀に見るローマ数字ナシの“黒”
CARTIER[カルティエ]
タンク マスト
アイコニックなローマ数字を取り除いたことで、かえって力強さやクールな雰囲気が増した新作。クォーツ。33.7×25.5mm。SSケース。アリゲーターストラップ。41万8000円(カルティエ カスタマー サービスセンター)
直線基調のデザインはWW1に英国軍が投入した史上初の戦車から着想
ちなみに……メゾン史上初の光発電ソーラービート™は完売続出!
U-40万円
こちらは昨年登場した「タンク マスト」ソーラービート™。約4年の月日をかけて開発した独自の光発電クォーツムーブを搭載する。サステナブルな時代に合った「タンク」として大ヒット中! 33.7×25.5mm。SSケース。非動物性レザーストラップ。39万9300円。
⑤世界中で大ヒットしている新世代“G”といえば……【カシオの八角形Gショック】
G-SHOCK好きなら真っ先にチェックすべき新傑作
1983年の誕生以来、最強タフネス時計の座に君臨するGショック。シリーズとともに年を重ねたファンなら、次はより特別な一本が欲しくなるのでは? そんな人に絶好なのが2019年に登場した八角形ベゼルの“G”。
そのエッジの利いた見た目から“カシオーク”なんて愛称で呼ばれ、世界中でヒットしたのは記憶に新しいところですが、ついに今年ブレスまでメタルのフルメタルモデルが降臨! ガシガシ日常使いできるラグスポが欲しい人にとって最高の回答となりそうです。
[U-10万円]もはやフルメタル“カシオーク”は完全なる“ラグスポ”だ
CASIO[カシオ]
GM-B2100D
八角形ベゼルを特徴とする「GA-2100」の外装をフルメタル化! 最新モジュール搭載で一層の薄型化も実現。Bluetooth通信機能搭載。径44.4mm。SSケース&ブレス。7万1500円(カシオ計算機お客様相談室)
⑥時計通が熱望した最強セカンドウォッチといえば……【シチズンのツノクロノ】
昭和レトロのブームにも沿う前衛デザイン時計が再び
シチズン初のクロノグラフとして1973年に誕生した「クロノグラフ チャレンジタイマー」。その特異な風貌から“ツノクロノ”と呼ばれ、時計好きの間で昔から復刻を望む声があがっていました。が、昨年ついに登場した今作を見て驚嘆!
デザインやサイズはもちろん、ムーブをクォーツに換装したことで価格まで当時とほぼ同じなんですよ。当然、今も大ヒット中。これまでさまざまなセカンド時計を紹介してきたビギンですが、名作の箔まで備えた最高の逸材と断言します!
[U-3万円]70年代名作クロノのデザインそのまま、価格も当時のまま!
CITIZEN[シチズン]
シチズンコレクション ツノクロノ
上部から突き出たプッシュボタンをはじめ、オリジナルのディテール&サイジングを開発陣の情熱でマニアックなまでに再現! クォーツ。径38mm。SSケース&ブレス。2万6400円(シチズンお客様時計相談室)
※表示価格は税込み
[ビギン2022年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。