モノ知り用語集
時代の進化&人々の欲望の中、日進月歩で進化し続けるアウトドアウェア。日々爆誕しまくる最新鋭のテクノロジーやら素材やら、「色々ありすぎてよくわからん!」って人のために、最新鋭の用語をここらで整理しましょうよ。
フードつきのアウターウェアで、上からすっぽり着るプルオーバーのタイプを指す。ルーツはツンドラ地帯の先住民、イヌイットが着る毛皮製アウターで、呼称も彼らの言語に由来する。防水と防寒を主な用途とし、アウトドア&ミリタリーシーンで用いられる。
拡張式寒冷地被服システムと呼ばれる、アメリカ軍が開発した戦闘用衣類の総称。Level1~7に分かれており、戦地での気候に合わせて重ね着することで寒冷地の任務に対応する。
コットン生地にワックスを染み込ませることで撥水性と防寒性を両立させたアウター。その代表であるバブアーは、日本ではファッションとしてすっかり定着したが、英国では現役バリバリのアウトドウェア。今でも船乗りや酪農家、猟師などがヘビロテしている。
中空構造の糸に8本の突起を配した、タコ足型断面構造のポリエステル繊維。軽量かつ吸水、保温、通気性と機能バランスに優れ、アウトドア業界でも注目が高まっている素材だ。
保温性、嵩高性、回復率とあらゆる要素に秀でた性能を発揮する、米国の企業が開発したポリエステル中綿。表面のカプセル処理によって水を弾く、“アクアバン”テクノロジーを採用。濡れや多湿による保温力の低下が少なく、次世代素材として米軍に採用されている。
「水の侵入は防ぐが湿気は逃す」という夢のような機能で近年引っ張りだこの防水透湿素材。ただ、その歴史は1976年と意外と古く、フィルム状にしたメンブレンをさまざまな生地でサンドイッチすることにより、あらゆる生地に対応できる夢のアウトドア素材として世界に衝撃を与えた。
汗が抜けるための透湿性特化したゴアテックス。3層がいずれも薄く軽いので、スポーツでの着用に向く。ただ、生地が薄いぶん、耐久性においては他のゴアテックスに劣る。
ゴアテックスの中でも、表地にメンブレンを張り合わせ、裏地の替わりにメンブレンの内側にコーテイングを施した2層構造。軽くコンパクトに畳めて普段遣いに◎。
ゴアテックスの中でも最高峰のスペック。特に耐久性に優れ、豪雨や猛吹雪にも対応することからプロの登山家も愛用。タフな分、重さと着心地が固い一面がある。
防風性や透湿性に特化したゴアテックス。代名詞である防水性は謳わず、ステッチの裏側をシームテープで塞ぐ必要がないため、表地の柔らかさや軽さを保ったまま前述の機能を保護できる。自ずとコストを抑えられるのもポイント。
小松マテーレが開発した透湿防水素材。近年は世界で初めて植物由来50%のポリウレタンを原料とするなど、環境配慮型の防水党透湿フィルムを開発。透湿、耐久性も進化している。
2層起毛のマイクロファイバーフリースが、放熱を軽減して風をブロック。高い保温性と防風性を兼ね備えたナイキの独自素材。
マカロニ上の中空繊維と極細ファイバーが、体から発せられる熱を逃さずキープ。空気の層を作り出すことで、快適な保温性を実現する。服の生地から中綿にまで重宝されている。
シンサレートはThin(薄い)とInsulate(断熱する)をあわせたネーミング。非常に細いマイクロファイバーが空気を沢山含み、薄い嵩高ながら抜群の保温性を誇る。
優れたキックバック性を持つ特殊ポリエステル素材。ストレッチ性がありながらシワになりにくく、型崩れしにくい。速乾性も高く、普段のお手入れもイージー♪
”高機能膜”により防水、透湿、低結露性を発揮するラミネート素材。ストレッチ性を備え、軽量でしなやかな着心地もメリット。登山や冬スポーツにも最適。
ロバート・デ・ニーロが着用したことで知られるディアハンターパーカは、その名の通り、映画「ディア・ハンター」との関連も深い。当時から絶大な信頼を獲得し、実績も十分だったホルバーに、本物のアウトドアギアを求めていた映画の制作スタッフが目をつけ、衣装提供をしたのが始まりだ。そこで同社は代表的なジャケットから数着のサンプルを製作。その中の一つがオレンジ色のディアハンターパーカだったのだ。
袖口やパンツの裾などに見られる、留め具付きのヒモのこと。もともとは絞ることで雨や風の侵入を防いでくれるためのものだが、着こなしのシルエットにも変化がつけられるためファッションの観点からも重宝されるディテール。
1953年、世界初のエベレスト登頂を成し遂げたエドモンド・ヒラリー氏が身につけていたダウンは「フェアリーダウン」というニュージーランドブランドのもの。同ブランドは布団や枕の品質に定評があったが、残念ながら現在アウトドアアウターは展開していない。
鹿と間違えられてハンターに誤射されるのを防ぐため、山門部などのフィールドで働く労働者のために生まれた赤と黒の極太チェック。実は鹿は色盲で、人間にとって目立つ柄も、濃淡のレベルしか識別できないと言われている。ハンターも労働者も幸せな、先人の知恵の賜物だ。
耐水性や透湿性だけでなく防風性も備えた、都市生活を想定した開発された素材。コットンライクな見た目で、”いかにも機能素材”じゃないのが洒脱だ。
表面に英国羊毛をブレンドしたツイード素材を使用しつつ、裏面に吸湿発熱機能糸を使用した二重構造の最新の機能ツイード。
生地に織り込んだ炭素系無機物質が、光を吸収し、熱に変えて衣服内の温度を+5℃高めてくれる蓄熱機能素材。曇の日でも光を効率よく熱に変換し、快適な温もりを楽しめる。
主に渓流での釣りを目的に作られたベスト。米国の名門・コロンビアでかつて会長だったガート・ボイル女史が釣り好きな夫のために開発。前面に配された多ポケと、毛鉤を引っ掛けて乾かすためのシープスキンフライパッドが目印だ。
主にダウンウェアに用いられる指標で、羽毛の膨らみ具合でスペックを図る数字。英国登山ギアブランド、マウンテンイクイップメント創始者の一人であるピーター・ハッチンソン氏により提案され、一般的に700フィルパワー以上あれば高品質とされる。
高い耐水性に撥水性、透湿性と最高ランクの評価を得ている、防水透湿素材。コストパフォーマンスに優れるアイテムも多く、ハイスペック素材の丹生も編としてもおすすめ。
1983年、米軍の要請によりALBANY社が開発した超微細マイクロファイバー素材による”人工ダウン”。ゴールド、シルバー、ブラックと大きく3シリーズに分かれる。
第2次世界対戦中、海に落ちた英国空軍パイロットの生存率を高めるために開発された生地。超極細の綿糸を、水の分子が繊維感を通れないほどまでに最高密度に織り上げた、コットン100%ながら水を弾くクラシカルな撥水生地だ。
中南米にルーツを持つアウターで、四角形(又は円形)の布の真ん中に開いている穴に首を通し、かぶって着用する。作りは簡素ながら、防水・防風に優れる。
1970年代後半にアメリカのポーラテック社が開発したフリース素材。米軍戦闘服、ECWCSのLevel 3に使用されるなど、フリースの代名詞的存在。
計画植林されたユーカリの木が原料のエコ繊維で、汗の臭気成分をスピード消臭する機能がある。洗濯を繰り返しても効果が長時間持続し、加齢臭にも効果あり。
70~’80年代、米国を中心に広まった機能素材。ナイロン58%、綿42%の混合生地で、ほぼ”ロクヨン”の比率であることから名付けられた。乾燥時には組成の隙間から換気を促進し、雨などで濡れると綿繊維が膨らみ目が詰まることで水滴の侵入を防ぐ、現代でも通用する防水透湿素材の元祖である。