モノ知り用語集
緻密な細工が施されたシルバーに鮮やかなターコイズが映える、ナバホ族が産んだ男アクセのド定番‼︎……ですが、実は部族も技法も千差万別。一生モノですし、アーティストごとにキチンと学んでしっかり選びましょう♪
同業の父からクラフトを学び2006年に本格始動した注目の若手作家。 スタンプワークなどにおける伝統的な技法はもちろん、高精度な技術のインレイワークは圧巻だ。 シンメトリ一のモチーフが、 その技術力の高さを物語る。
ジュエリーアーティストの少ないニューメキシコ州付近のサンフェリペ族出身。 ヘビーシルバー×独自に考案した細かいカッティングの技で、型にはまらない作品を得意とする。
矢じりは守りの意味を持つ。 折れた矢は平和、交差した矢は友情を示すモチーフとして使われる。
スペイン人の血を引くヤクイ族の大ベテラン。20世紀初頭のナバホ族の名工フレッド・ペシュラカイ氏の研究家として知られ、氏の作品を彷彿とさせるスタンプワークを得意とする。
砂石に手彫りで型をとるナバホ族の伝統技法・トゥファキャストの達人。 作品はスタンプワークとはひと味違う立体感あふれるフォルムが特徴だ。 パンクロッカーでもあり、 デザインにも男気あふれるロックテイストが漂う。
ズニ族が得意とする、石や珊瑚などを細かくカットしてジュエリーにセットする技術。 繊細で根気を要する。 メキシコのアステカ文明の遺跡にも類似した技法が見られたとか。
ホピの大御所、ロイ・タラハフティフの兄。 ホピ伝統のシンボルを使いつつ、V字にシェイプしたスタイリッシュなリングが印象的。 ウォータシンボルも躍動感が生まれている。
いまだナバホリザベーションで、 伝統的な生活を送る巨匠。 バンプアウトが連なる、野性味にあふれたデザインが大人気。 クラシックなトライアングル型のバングルも得意とする。
作家の父から道具を引き継ぎ、 1976年から動。 一般的なホピ族作家とは違い、シルバーに限らず多彩な素材を使った彩り豊かなインレイの作品が特徴。 これはホピの大作家、チャールズ・ロロマから影響を受けたもの。
ホビ族が得意とする手法で、絵柄をくり抜いたシルバーと、酸化させて黒ずませた下地のシルバーとの2枚重ねで構成される。
2枚のシルバープレートを重ねる技法。 上のプレートはデザインを描いて糸鋸で切り抜く。下のプレートは図案を浮かび上がらせるため酸化させ黒くする。 1947年頃ホピ族が考案。
ナバホを代表するヘビージュエラー。 長く愛用できる厚く重いジュエリーを作ることを信条とし、熟練のハンマーワークによるグラマラスな作品が代名詞。 シンプルで取り入れやすい点も魅力だ。厚みのあるシルバーを、ハンマーワークで美しく打ち曲げて磨き上げた作品がオーヴィル氏の真骨頂。 端の穴はナバホ族の聖地、ウインドロックの円穴をモチーフにしたものだ。
サントドミンゴ族といえば、 貝殻や天然の鉱物から作られるヒシと呼ばれるビーズを使ったアクセが有名。 その大御所アーティストがこの人だ。 ヒシは自ら手作りするのがこだわり。
キャンデラリア丘陵地帯から採掘されている。濃いブルーに赤茶色のスパイダーウェブが入るものなど、良質なことでも有名。
濃くてキレイなブルーが産出されるキングマン。とくにイサカピーク鉱山は良質だ。 変色しやすく、加工品が多い一面もある。
正確なオーバーレイ技法をもって知られるキャリア36年のベテランは、ココペリなどホピ族のベーシックなモチーフを得意とする。価格も手頃ゆえホピ入門や重ね着けに最適だ。
銀が手に入りにくい昔、 作家は銀貨を溶かして材料とした。 こうした作品はコインシルバーと呼ばれ、ペリー・ショーティーなどは現在もアンティークコインを溶かして制作。 銅の含有率が高いためシルバー925より硬く、 加工に技術を要する。 くすんだ色みになり、 昔ながらの重厚さに魅かれる人も多い。
兄の故・ゲーリーとともに世界的人気の作家。ナバホラグをモチーフにした、正確に美しく連なるスタンプで知られる。 近年は自慢のスタンプをあえて裏面に施した作品も人気。 尊敬するロロマスタイルのオマージュでもある。1本あたり4時間も要する、表面の美しい鏡面仕上げにもプライドが窺える。 裏面のスタンプは手作業とは思えないほど正確で繊細。
北米ネイティブアメリカンが広く信仰する霊鳥 イーグルと同じく幸福をもたらす鳥とされている。
1976年からジュエリーを手掛けるホピの巨匠。「人生に迷うことがあってもいつか正しい道に辿り着ける」という意味を持つ迷路のモチーブマン・イン・ザ・メイズ " が最大の目印だ。 14金との組み合わせにも定評がある。
20~ '30sのオールドナバホスタイルのアクセを手掛けるクリーク族の若手作家。 ヴィンテージコインを溶かして作った銀塊を、さらに細かく削り出す作業などこだわりが凄まじい。
ナバホの巨匠トーマス・カーティスの娘。 父親譲りの鏡面磨きと、それを想定した深いスタンプワークによある作風が特徴だ。 それでいて女性ならではの繊細なモチーフも必見!
ナバホ族由来のネイティブアクセのもっとも原始的な装飾 紋様を刻んだたがねをシルバに打ち付けてデザインする。 深くて力強い、繊細でキレイなど、作家ごとに特徴がある。
ナバホを代表する名工は、40年を超える経験に裏打ちされた正確なチゼルワークとスタンプワークが真骨頂。 設計図に基づいて制作されるデザインは寸分の狂いもなく、その精巧さはイイ意味でハンドメイドを感じさせない。繊細かつ力強いチゼルワーク。 形状や奥行き、それぞれの間隔まで完璧に整えるのが、 パーカーならではの流儀だ。
19世紀中頃に、入植者のスペイン人やターコイズを身に着ける習慣があったメキシコ人との交流により、銀細工を学んだとされるナバホ族。最初の作家の一人として記録されているのが、スレンダー・メーカー・オブ・シルバーだ。彼から親族へ、そしてズニ族やホピ族など他の部族へと徐々に技術が伝承され、ネイティブアクセは発展していったといわれる。現在でもスタンプワークが基本で、アクセはバ ングルを制作することがベーシックだ。
4つのL (LOVE LIFE LUCK・LIGHT) からなる幸福のシンボル。大戦中に多くが廃棄された歴史も。
作家の父に制作を学び、 1964年から活動。 ナバホ伝統の手織りラグをモチーフにした作品を手掛け、 著作権を所有。 オーバーレイにたがねや銀粉で加工した表情豊かな作品で有名。
1991年にアクセ作りを開始した若手の名を知らしめたのが、 三重構造のオーバーレイ技法が駆使されたサンフェイス。ホピ族の伝統モチーフながら、他を寄せ付けない存在感だ。
2017年のアートマーケットでこのネックレスがジュエリー部門1位を受賞 評価うなぎ上りの20代作家。ダイスビーズは伝統の丸型ビーズ、ナバホパールをアレンジしたものだ。
サンフェイスがくるくる回る、スピナーで高名なズニの巨匠。 インレイでデザインした、 愛嬌あるキャラクターモチーフも世界的に人気。 実は1960年代頃から制作しているそう。
すべてのターコイズに、スパイダーウェブという美しい網目模様が入る。 すでに採掘が終了し、希少で人気もかなり高い石だ。
オリジナルのアルファベット象形文字を制作する唯一無二のアーティスト。 どの文字も彼らの生活と深い関わりのあるものがモチーフで、細かいスタンプを組み合わせて制作する。自分の頭文字入りを見つけたら超ラッキー♪
銀塊を使いプレートを作る工程から行う鍛冶職人的作家。 頑丈でワイルドなプレートに加え、力強いスタンプも必見! ホールマークを入れ忘れがちというお茶目な一面も。
1950年アリゾナ州生まれ。 サンバーストのモチーフを代名詞とし、 1970年よりアクセ制作を開始。 手仕事とは思えないほど繊細で正確なモチーフこそ、 レジェンドたる所以なのだ。
ネイティブジュエリー3大フェザーアーティストの一人。 神に一番近い存在であるイーグルの羽根をモチーフにした数々は、本物と見紛う高精度! 12金とのコンビも上品だ。
比較的新しい鉱山で、 まだ価格帯も手頃なほう。 淡いグリーンのカラーレンジ、マトリックスのパターンも多岐にわたる。
チタンの一種、 ジルコニウムを使った作品で、最大級のネイティブ品評会、 SWAIA2017でベストオブショーを受賞。米国ではカッティングエッジ (最先端) ジュエリーと大人気だ。
人気作家の兄弟、ロン・ベドニーとともに不動の地位を確立。 ファインラインのスタンプから生まれる、ナバホ伝統のモチーフ、サンバーストを応用したスターバーストが目印だ。
深みと透明感のあるブルーが代名詞。 これにモヤのかかったマトリックス入りの石は、スモーキービズビーと呼ばれる最高級品。
12歳からアクセ制作を始めたホビジュエリー界の大御所。 その代名詞が1980年代初頭に考案した斬新なジグザグデザインだ。 作品はすべてが一点モノで、そのレア度はツチノコ級。
代々続くジュエラー家、4代目の女性作家。 シャープな雰囲気からコンテンポラリーに思われるエッジプレートだが、じつは1920年頃の作品から見られるクラシックスタイルだ。
フレッドハービースタイルとはネイティブアクセの一ジャンルだ。1910年代頃から駅に隣接したホテルやレストランを経営していたフレッド・ハービー社が、ネイティブジュエリーを土産物にしようと職人に依頼して大量生産。 大衆向けのデザインで大ヒットすると、全米にコマーシャルアクセが普及、 ひとつのスタイルとして確立したってワケ。 ヴィンテージながら手に入れやすいのも人気の理由だ。
35年超のキャリアを持つナバホの作家が得意とするのは、シルバーと14Kゴールドを組み合わせるツートーン。さらに華のあるスタンプワークと相まって独特の存在感を生み出す。
ネイティブジュエリーの名門家・タヒ一族の一員。ナバホ族の伝統技法と現代の感性をミックスした作品で注目を集める。十八番はワイヤーをねじって造形するツイスター。
1920~ '30年代のナバホジュエリーを蘇らせある巨匠。 歴史を研究し、当時の作家と同じく道具を自作、銀貨を溶かし材料のシルバーにするなど、オールドスタイルをとことん追求。デザインはシンプルだが、圧巻の存在感だ。
旅を表す馬は、人生や長い道のりを導いてくれるもの。 ツーリストアクセの先駆けにもなった象徴。
ニューメキシコ州タオスの女性アティスト。 コンピューターカッティングを用い、 シルバーを酸化 (オキシダイゼーション) させて仕上げる黒い表情はポスト・コンテンポラリー
もっともターコイズらしいブルーで、 ネイティブジュエリーと相性◎。 価格も手頃で、初めてのアメリカンターコイズにも最適だ。
ネイティブアメリカンが生きることに必要な雲や雨、 太陽などのスタンプを両面、さらには両サイドに施す1988年まれの若手作家。 どこから見てもスタンプを拝めるのは最高だ。
美しさ、量の少なさから世界でもっとも高額。非常に濃いブルー、 細かいスパイダーウェブが特徴で、1粒百万円台の価値があるものも。
ホピ族の至宝ヴィクター・クーチュワイテワを父に持つアーティストが得意とするスターブローワー。 星を吐く精霊のモチーフは、父とリッキーだけが使う超希少なモチーフだ。
1970年生まれ。 ホピ族に伝わるパターンに動物を取り込んだオーバーレイを得意とする。 サイドを切り抜く“透かし”とのコンビネーションは、どれも独創的かつ軽やかな印象だ。
米スミソニアン博物館に作品が展示されるほどの世界的な巨匠。 仕切りの枠にカットストーンを嵌め込むインレイ技術はもはや神業の域だ。最高ランクの石を使うほか、流通量が極めて少ないため、市場価格はうなぎ上り。
名作家、ジャックアダカイ譲りの正確無比なハンマーワークを持ち、制作に必要な道具はすべて手作り。バングルの両面にスタンプワークを施すダブルスタンプで人気を博す。
非常に硬いため、宝石としても良質なターコイズ。細かいスパイダーウェブ、 錆び色のマトリックスも特徴的。価値の高い深いブルーもある。
色はダークグリーンからライトブルー。 ダークブラウンや金茶などの模様、 マトリックス (混)ざり合った他の鉱物) が特徴的。米国有数規模の銅山で現在も産出が続いている。
いわば工芸品だったネイティブアクセ。だが、1974年にアリゾナ州の雑誌「アリゾナハイウェイ」がホピ族の作家、チャールズ・ロロマを特集すると、ネイティブアクセの芸術性が評価され、全米にアートとして広まる。ネイティブアクセ界のインレイをあえて裏面に施すインナービジョン”は、ロロマスタイルとして多くの作家に影響を与えた。
この道30年以上のビッグネームは細やかな仕上げが身上。 なかでも丁寧研磨によって一つ一つの山が整えられたエッジはファインラインと呼ばれ、 彼のアイコンとなっている。
美しいブルーとスパイダーウェブで有名。トップグレードは美しく深いブルーになる。著名作家が好んで使用する。