モノ知り用語集
男が身につけられる数少ない装飾品でもある、時計。携帯電話で時刻を確認する人が多くなった今でも、その価値が落ちる兆しはありません。熱烈な愛好家も多いジャンルですし、深~く知っておけば鼻高々⁉
もっとも有名(!?)なレアカラーロレックス。文字盤のSUBMARINERの表記が一部赤色に変更されている。主に’60年代中期~’70年代中期に製造され、文字盤の種類によってマークⅠ~Ⅵまで区分けされる。
もっとも有名(!?)なレアカラーロレックス。文字盤のSEA-DWELLERなどの表記が一部赤色に変更されている。主に’60年代中期~’70年代中期に製造され、文字盤の種類によってマークⅠ~Ⅵまで区分けされる。
諸説あるが、1950~1970年頃まで米国の会社もロレックスのブレス製造を担っていて、そこで作られていたブレスの裏側にはしっかり“U.S.A”の文字が刻印されていることから、“アメリカンブレス”という愛称に。
インデックスや針が真っ白に退色したモデルをアルビノと呼ぶ。主にエクスプローラーⅡの初期モデルで発生する現象で、初期モデル自体がレア化するなか、さらに上をいくレアモデル。
1994年に国際イルカ・クジラ会議が日本で開かれ、その記念として誕生したG-SHOCK。ライトを点灯させるとイルカやクジラのシルエットが現れることから、“イルクジ”と呼ばれることになった。
冒険家・植村直己が愛用していたセイコーのプロ向けダイバーのこと。1968年に登場したが、氏は’70年代中頃に作られた後期型を愛したとされる。
スミソニアン博物館にも収蔵されるほど、芸術的なデザインで根強い人気を誇る、ハミルトンの名機ベンチュラ。かのエルヴィスは1961年に公開された主演映画『ブルー・ハワイ』で同作を着用したことを契機として、プライベートでも愛用するほどベタ惚れ。わざわざ革ベルトから金属製の蛇腹ベルトに交換して愛用していたという逸話も語り継がれている。
チュードル社の代表作“クロノタイム”を、白×黒の配色にアレンジした仕様のこと。ゴルフプレイヤーであるタイガー・ウッズとのコラボモデルだったため、この異名に。
1932年に誕生したパテックの代表作、Ref.96は、あまりの神々しさにすぐさま時計好き垂涎の的になり、“クンロク”の名で親しまれることに。後継モデルもすべて下二桁が“96”で統一されている。
オーバーホール時などにケース研磨を重ねると、その時計の持つシェイプが失われてしまう。ヴィンテージ時計の研磨は最低限にとどめよう。
直径30mmという大型ムーブメントを採用しているオメガの名機。精度の要となるテンプもすこぶる大きく、’50~’60年代当時としては革新的な精度を誇っていた。アンティークの入門モデルとしても有名。
ドレスウォッチであるロレックスのデイトジャストに、スポーツモデル由来の回転ベゼルを搭載した異端仕様。米国空軍のアクロバットチーム“サンダーバーズ”の隊長が、引退記念に自分好みの時計を特注したことから。
かつて存在したスイスの機器メーカーの社名に由来する名を持つこの研磨法では、回転金属板に時計を押し当てて磨くことで、圧倒的に鮮やかな反射光を放つ高級鏡面仕上げが得られる。が、同時に、これをこなすには技術者に極めて高度の技能も求められるのだ。高級時計の本場スイスでもほぼ消滅したとされる、この研磨法。オリジナルを参考に独自に技法を開発した「セイコー」の、わずか数人の熟練技術者だけが、これを最高レベルで現代に継承しているのだ。
’70年代以前に作られたIWCに多い、シーラカンスがあしらわれたリューズを備えた仕様のこと。同社が防水性の高さを示すために採用していたという説が有力。
蜘蛛の巣状に美しくヒビ割れている文字盤を指す俗称。これは文字盤をラッカーのような塗料で仕上げていた、’80年代後半までのモデルにしか見られないレア仕様。
セイコーのデジアナダイバーズの俗称。アーノルド・シュワルツェネッガーが主演した2つの名画で腕に巻かれていたことから。
GMTマスターⅡの初期モデルを指す俗称。それ以後のモデルと比べてケースがわずかに厚く、グラマラスなプロポーションを誇っていたことから、セクシーなルックスで有名だった女優“ソフィア・ローレン”の名前がそのまま使用された。
イタリア警察のダイバーチームが創立50周年を記念し、ロレックスへカスタムを依頼。愛らしいタコ印と、限定78本という極少ロットがマニアの間で話題を呼び、2010年にはクリスティーズのオークションで、約700万円近い値で落札され、名実ともに世界一高値のタコに。
1947年に世界で初めて超音速飛行を実現したチャック・イエーガー。人気ブランド、リアルマッコイズは、この米国の伝説的パイロットの偉業を称え、GMTマスターをベースにした別注モデルをロレックスに打診。裏蓋に偉人の愛機“Bell X-1”の姿が刻印されているというレア仕様はもちろん、人物名が正式にモデル名に冠されたという希少性で通を仰天させた。
GMTマスターのブラウンベゼルのフジツボダイヤル、略して茶ツボ。インデックスが突起状のフジツボのように見えるところから命名され、主に’60年代~’80年代まで作られた。
UAEにオマーンにアブダビ……いわゆる中東の列強国がロレックスへ特注したアイテムを、まとめて“中東モデル”と呼ぶが、どれもまた味付けが個性的。国旗をデーン!と文字盤に鎮座させるなど、パンチの利いたデザインで市場でも異彩を放っている。
時刻を確認する際、反射光によって視認が阻害されるのを防ぐため、文字盤に施された繊細模様の彫金細工。それがギョーシェ彫りだ。高級時計を象徴するこの装飾は、現在、ほとんどが自動機械による切削かプレス加工で作られているが、伝統的には職人の手作業で施される。具体的には、ルーペで刃先を見ながら、右手で機械を操作しつつ、彫り模様を描いていく。高度な技術と、じつに根気のいる作業である。
1980年頃に登場した2代目シード、Ref.16660は、6が3つ並ぶことから“トリプルシックス”と呼ばれている。なかでも極初期のモデルは、ウン百万の値をつけることも。
こちらのGMTも上に同じく主に1675からの派生。赤×青ベゼルが紫外線などで退色し、紫がかって見られるところからバイオレットベゼルと呼ばれる。個体によって差があり。
先端が鋭角にシェイプされたリューズガードが特長的な、ロレックス・GMTマスターの名モデル。1960~1970年代まで製造されていた。
角張った凹凸が連なっている姿が、まるでピラミッドのように見えることから名付けられた“ピラミッドベゼル”。ただでさえドレッシーなデイトジャストが、よりきらびやかに見える仕様として、通には馴染み深い存在。市場から姿を消すことなく愛され続けている。
赤シードのなかでも初期モデルの一部にしか存在しないモデル。名前の通り通常の赤色文字がピンクになっており、もはや幻級と呼ばれる一品だ。
’90年代のデイトナの一部のモデルのみに起こるインダイヤルの退色化現象。その色と形からブラウンアイと呼ばれてきたが、近年ではロレックス研究家からパトリッツイとも呼ばれる。
GMTマスターといえばペプシの愛称を持つ赤×青ベゼルが有名だが、2ndモデルである1675の一部ではオールブルーベゼルの、ブルーベリーと呼ばれる個体がある。激レア。
その名前の通り金属の磨耗によりブレスが伸びてしまっている状態。細かなパーツを使ったブレスに多く、最悪の場合切れてしまうことも。
ベトナム戦争時に米軍に納入されていた時計は、そのまま“ベトナムウォッチ”という愛称で呼ばれ、通の間で長らく人気。数々のメーカーがサプライヤーを務めていましたが、とくに有名なのはハミルトンで、同社の軍用時計の飾り気のない風貌は服好きからも愛されている。
ジェームズ・ボンドが劇中で着用したモデルは“ボンドウォッチ”の愛称で人気沸騰する、というのが時計界では自然な流れに。’95年にオメガがスポンサードする以前は多様なブランドが登場していた。
1963年に登場し、わずか数年間しか作られなかったロレックスのデイトナ。反転カラーダイヤルをはじめとするユニーク仕様がテンコ盛りで、流通数も極少。名優ポール・ニューマンが妻から贈られたことからこの通称に。
英国軍がIWCに発注して1948年から製造されたマークXI。これこそマークシリーズの始祖のはずが、マニアたちはXIが作られる以前の軍用IWCを勝手に“マークX”と呼んだ結果、世界中で浸透することに。
メキシコ製ブレスを備えた通称“メキシコロレックス”。こちらも一説によると1950~1970年代頃まで多く作られていた模様。メキシカンブレスはアメリカンブレスと比べて、コマがわずかに楕円形になっているとマニアの間では有名。
サブマリーナー誕生50周年を記念して2003年から10年ほど作られた旧型グリーンサブは、初期ロットのみ色が薄いライムグリーンモデルが存在しており、プレミアム化している。
カラーやキャラクターなど、オフィシャルではない文字盤を勝手に作られている場合も。元は文字盤の修復のための技術だ。
SF映画史に残る名画『エイリアン2』で、シガニー・ウィーバー扮する主人公、エレン・リプリーが着用していたことから、“リプリーモデル”と呼ばれることになった、セイコーの独創クロノ。巨匠ジウジアーロが手掛けたこの革新的デザインは、2100年代を描いた映画の劇中でもまったく古さを感じさせず、タイムレスな魅力を秘めていることを証明した。
月に行ったキャリバーことレマニア321。いわゆるスピマスの第一~四世代に採用されており、NASAの耐久試験を合格した数少ないムーブメントとして名高い。
泣く子も黙る初期のデイトナに採用されたのがヴァルジュー72(ベース)。デイトナ前のクロノグラフ、いわゆるプレ・デイトナも採用しており、こちらも高騰している。
かつてブライトリングで多く採用されたのが、ヴィーナス社のキャリバー178。名機ナビタイマーの1STモデルに搭載され、以降数代にわたって採用された。