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ヴィンテージと現行品の垣根がなくなる⁉ 「チャンピオン」の未来予想図

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「チャンピオン=永世定番」ってのは、もはや服好きにとっての一般教養。ですが一体いつからどのようにして、このオーセンティック・アメリカン・アスレチックウェアブランド(長っ!)は、日本人にとって当たり前の存在になったんでしょう?

そのヒントを探るべく、チャンピオンプロダクツの全容を司る立浪さんと、長年古着と別注モデルの両軸でチャンピオンを展開する「スタンダード カリフォルニア」の阿久戸さんとの対談を敢行。見えてきたのは「ヴィンテージと現行品の垣根がなくなる⁉」チャンピオン好き歓喜の未来!

レジェンド2人が徹底対談!

 

左/ヘインズブランズ ジャパン アクティブウェア商品部 部長 立浪和晴さん

1974年生まれ。2003年に日本サラ・リー(現へインズブランズ ジャパン)に入社。2007年から製品の企画に携わり、2014年から現職に。

 

右/スタンダード カリフォルニア プロデューサー 阿久戸秀高さん

1967年生まれ。大学卒業後にオーストラリアのゴールドコーストへ遊学。帰国後スノーボード関連会社を経て、有限会社トライシープスを設立し、2003年から恵比寿に「スタンダード カリフォリニア」をオープン。

「日本におけるチャンピオンは、ヴィンテージ市場が育てた」

――お二人は出会ってもう20年近くになるそうですね。

阿久戸さん(以下、敬称略):そうですね。2003年に店をオープンして割とすぐの頃からだから、今年でちょうど20年くらい。当時立浪さんはうちの店の営業担当でもあったんですけど、週末にお客さんとして来てくださることもありましたよね。

立浪さん(以下、敬称略):定期的に通っていました。懐かしいですね。

阿久戸:その頃はまだウチが古着屋だった頃。今はカウンターになっている部分も昔は一面陳列棚で、それを全部リバースウィーブで埋め尽くしてました。

立浪:あれは壮観でしたね。Tシャツなんかもそうなんですけど、スタンダード カリフォルニアは商品の畳み方からして、ほかの古着屋さんとは全然違った。それぞれの棚にキッチリ隙間なく収められていて、こだわりを感じるというか。あとはこの独特の匂い。こんないい匂いがする古着屋なんて当時なかったので、最初に来た時は感動しました。

阿久戸:アメリカで買い付けた古着を、アメリカのお気に入りの柔軟剤を使って、アメリカの洗濯機で洗って、アメリカで乾燥させてから持ち帰って、店中にその匂いを充満させていたんです。お客さんが試着するときにほんのり匂って、“これなんの香りですか?”って聞かれるのが楽しみで。今でもその柔軟剤に近い香りのフレグランスを店内に流していますよ。

立浪:扱ってる古着も凄く質が高かったのを覚えています。チャンピオンに関しても、状態もサイズもデザインもいいものだけ厳選されてるのがひと目でわかりました。

阿久戸:これは基本的に今も変わっていないんですけど、個人的な好みもあって、物凄い希少なヴィンテージではなく、70年代以降の“レギュラー”に分類される物のなかで、質のいい物だけをピックしたかったんです。それこそチャンピオンのTシャツも、他のお店だとプリントの質がよくてサイズもジャストなTシャツなんて、100枚見て1枚あるかどうか。それならウチは25枚のなかで4〜5枚は買いたい物を揃えよう!って。その分当時は3800円くらいが相場だったところを、ウチは8000円くらいで売ってました。絶対にそのくらいの価値はあると思ってましたから。

立浪:おかげでチャンピオンのTシャツの価値をすごく上げていただきました。チャンピオンはどうしてもスウェットだけに人気が偏りがちだったんですけど、Tシャツもありなんだ!って、たくさんの方々に伝えていただいたおかげで、今ではどちらのアイテムも“アメカジの定番”として広く認知してもらっています。これは阿久戸さんをはじめ、長年チャンピオンに愛情を注いでくださってるヴィンテージ界の方々のおかげ。もう足を向けて寝られません(苦笑)。

「“タフなギア”という個性が変わらないから、年代を問わず愛せる」

――そもそも阿久戸さんがチャンピオンと出会ったのはいつ頃だったんでしょうか?

阿久戸:最初に買ったのはたしか18歳くらいの頃だったはず。原宿のオッシュマンズで新品のリバースウィーブのクルースウェットとパンツをセットアップで買いましたね。当時は今じゃヴィンテージにカテゴライズされるような90年代の米国製チャンピオンも、現行品として普通に買えた時代でした。逆に“古着の定番”ってイメージはまだなかった気がします。今みたいにどこの古着屋に行ってもチャンピオンを置いてるって環境じゃなくて、僕が20代前半の頃……だから90年代に入るまでは、リバースウィーブの古着だって置いてる店がポツポツあるだけだったんじゃないかな。

――じゃあ古着界に根付き始めたのは30年くらい前からなのかもしれませんね。今ではすごい人気で、スウェットもTシャツも年々値段が高騰してます。

阿久戸:アメリカで買い付けるのが本当に難しくなってきてますからね。古着に関して言うと、これからはもう需要も値段も下がることはないんじゃないかな。ウチの店も買い付けられる量が減ってきたのに応じて、古着とオリジナルの両方を扱う形態にシフトしていきましたし。ありがたいことにチャンピオンに関しては、現行品をベースにした別注モデルを展開させてもらってますけど。

これまでスタンダード カリフォルニアが別注してきた貴重なアーカイブ。春夏はTシャツ、秋冬はスウェットと、ほぼ毎シーズンにわたって別注品を展開し、バリエーションも多岐にわたる。

――別注品とはいえ、現行品と古着を両方揃えてるお店ってなかなかないですよね⁉

立浪:恐らくほとんどないと思いますよ。

阿久戸:20年近く前に初めて別注させていただいてから、これまでに数えきれないくらい別注させてもらいましたけど、最初に窓口になってもらったのも立浪さんでしたよね。

立浪:そうですね。僕が営業担当だった頃に、ぜひ阿久戸さんと一緒にお仕事がしたい!と思って、お話しさせていただいたのがきっかけだったと思います。

阿久戸:やっぱり最初に別注させてもらったフットボールTが一番思い出深いかなぁ。00番から99番まで一枚ずつ全部ナンバリングを変えてもらった、すべて一点物のフットボールT。あんなこと今じゃ絶対許してもらえないですよね(苦笑)。自分の生まれ年の「67」だけは手元に残して、今も大事に保管させてもらってます。でも考えてみたらこのフットボールTに限らず、古着も別注品も、チャンピオンの物は手元に残したい率が高い気がします。

立浪:阿久戸さんにそうおっしゃっていただけるのは嬉しいですね。

阿久戸:多分チャンピオンの核でもある、アスレチックウェアとしての“ギア感”みたいな部分が変わってないからじゃないかな。ウチの店でも春夏はTシャツ、秋冬はスウェットと、毎シーズンのように別注させていただいてますけど、それもこれもベースになる現行品にヴィンテージと変わらないギア感を感じるからこそ。言わばチャンピオンって「過去と現在が地続きなブランド」なんですよね。

阿久戸:本当はヴィンテージが欲しいけど、買えなくなってきちゃったから、現行品へとシフトせざるを得ない。でも裏を返すと雰囲気もクオリティも変わらないからこそ、ヴィンテージが買えなくなっても自然な流れで現行品に移行できるのかなって。今はまだウチの店でもヴィンテージと現行品ベースの別注を両方扱ってますけど、多分いつかヴィンテージを買い付けるのは難しくなってくるはず。ただその未来を想像して時でも、現行品を変わらずに店に置き続けてるイメージは湧きます。

立浪:自分たちもそういうチャンピオンのコアな部分を継承し続けたいと思っているので、他ならぬ阿久戸さんにそう思っていただけるのは嬉しいですね。これからも阿久戸さんみたいな、チャンピオンを愛している方々にも受け入れてもらえるような製品作りを心がけていきます。

スタンダード カリフォルニア・阿久戸さんの”推しチャン”は?

「チャンピオンの春夏の定番といえば、やっぱりこの“T1011(ティーテンイレブン)”。米綿を使った肉厚な生地だったり、バインダーネックだったり、作りが本当にタフで、自分好みのギアっぽさを感じるんですよね。この“UCB(ユーシービー/カリフォルニア大学バークレー校)”もそうですけど、これぞチャンピオン!なプリントにも惹かれます。スタンダード カリフォルニアでも、今季このシリーズのTシャツをベースに別注モデルを展開しているので、ぜひチェックしてみてください」

「2019年の展示会で初めて復刻ラインの“トゥルートゥアーカイブス”を見たんですが、完成度の高さに驚きましたね。この両モデルに関しても、生地が厚手だし、肌触りも色合いも風合いも、すごくチャンピオンらしさを感じる。率直に“着てみたいな!”って思いました。僕はお店のオリジナルのスウェットを作っていて、工場にもたくさん行っているから、このクオリティの物を作るのがどれだけ凄いことなのか手に取るようにわかる。そりゃこのくらいの価格はするよな。むしろよくこの値段で作れるなって。この年代の古着なんて今じゃ新品状態なら何十万も、場合によってはそれ以上すると思うので、ヴィンテージ好きにも喜ばれるはずです」

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写真/上野敦(プルミエジュアン) 文/黒澤正人

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