パタゴニアのリサイクル・カシミア・クルーネック・セーター
精進料理のような
カシミアセーター
パタゴニアの50周年コレクション「ナチュラル・アイコン」をBegin11月号とwebで特集させていただいて、パタゴニアは如何に世の中の環境問題に対して“挑発と挑戦”を繰り返し、また、それを今後も継続していく企業であるかを再認識しました。時代によって移ろうブランドが多いなか、パタゴニアはいつまでたってもパタゴニア。気候危機や社会問題に対して責任をもってビジネスをする「レスポンシブル・カンパニー」なんですね。そのブレない姿勢に安心したと同時に……やっぱ、めっちゃ好っきゃねん、と。
そんなパタゴニアのアイデンティティは、今回紹介するカシミアセーターにまで宿っています。プレコンシューマー・カシミア(製造段階で回収されたカシミアの端切れ)を分類して機械で切り刻み、新たに紡ぎ出した糸を使用することで、モンゴルで深刻化しているカシミア山羊の過放牧やモンゴル地方の砂漠化に警鐘を鳴らしているんです。
綿ポリのスウェットがユニフォームの私は“カシミアなんて高級素材、高値の花”なんて思ってましたが、肩肘張らずに手が伸びるし、着心地ももちろんめちゃくちゃいい。背景を知れば、尚のこと、ですよね。
トリュフの味もフォアグラの味もよくわかりませんが、福井の永平寺で食べた、野菜の切れ端からダシを取ったあの味噌汁の味を、ふと思い出したのでした。
Begin デジタル部 副編集長
マスイ
Begin本誌での編集を経て、2022年からWEBの副編集長に。デジタル脳にシフトしたいが、未だ仕事の軸は手書き。上京してから関西人にしては寡黙とイジられ続けているが、青い炎を内側にたぎらせるバイブス番長。
問い合わせ先/パタゴニア日本支社 カスタマーサービス☎0800-8887-447