ミュージアム名品を通してアートを楽しむ[博ブツ観]
深海のレアキャラをひとり占め! インパクト大な「ダイオウグソクムシ」のスイートポテト
ミュージアムグッズは、単なるお土産品にあらず。旅好きのグッズ愛好家・大澤夏美さんによる、掘れば掘るほど面白いグッズとアートのお土産バナシをどうぞ。

ミュージアムグッズ愛好家
大澤夏美さん
博物館経営論を軸に、旅をしながら全国の博物館を訪ねてグッズも研究。著書に『ミュージアムと生きていく』(文学通信)など。最近は講演会で各地を巡りグッズを探訪中!
水族館の人気者をひとり占めできるお菓子
ミュージアムショップに並ぶお菓子に目がない? 奇遇ですね、私もです。地域のお菓子店とのコラボレーションや、資料や作品の魅力を活かした味、パッケージにはトキメキますよね。手に取ってしまう方も多いでしょう。
ミュージアム内のカフェで、資料や作品をモチーフにした食事を楽しみにしている方もいるのでは。特に水族館はお菓子が豊富! 家族連れが多く訪れるから多くの種類が揃いますし、友達や職場へのお土産にと買い求める方も。個包装タイプだと配れますしね。
ただ、仙台うみの杜水族館のお菓子は一味違います。なんとダイオウグソクムシのスイートポテト! インパクト大なこの見た目、自宅用やプレゼントによし。切り分けることができる職場ならお昼休みにみんなでワイワイ盛り上がりそうです。芋の風味が強く、トースターで焼いてバニラアイスを添えたら美味しそう。
ペンギンやイルカではなく、深海生物のダイオウグソクムシがお菓子になっているのが魅力ですよね。長い間エサを食べなくても生きられる生態や、SF映画に出てきそうな見た目のカッコよさがたまらない。生態は解明されていないことも多く、謎多き深海生物たちの魅力へ導く案内人(?)として、抜群の知名度と人気を誇ります。
メンダコ、リュウグウノツカイ、タカアシガニなど、ミュージアムグッズ化されている深海生物が近年増えている印象を受けます。その立役者であり入口になったのは、やはりダイオウグソクムシでしょう。この勢いでもっと深海生物がポピュラーになってほしい!
以前ビギンで紹介した名古屋港水族館の潜水服ぬいぐるみのように、水族館の人気者「だけじゃない」資料や生き物に注目してほしいのです。
そして私、こういう個包装されていない大きめのお菓子はお土産にせず、旅先で夜に食べちゃうのが大好きなんです。テイクアウトして宿でのんびり食べるのが旅の楽しみ。一人旅なら夕飯を少なめにして、大きいお菓子をひとり占めしちゃいます。
部屋でお茶を淹れて、水族館での一日を思い返しながらこのスイートポテトを味わいたい。旅の贅沢なひとときです。今後水族館でダイオウグソクムシを見たら「美味しそう……!」と涎を垂らしそうになるけども。
ずっしりボリューム抜群
深海のレアキャラがお茶の間の主役に!
インパクト大のスイートポテトは老若男女問わずテンション上がること間違いなし! ふんわり優しい味わいにも癒やされるはず。w11.5×H7.3×D2.1cm。1480円。
ダイオウグソクムシ[Giant lsopod]
等脚目スナホリムシ科に属する海生甲殻類の一種。深海底で動物の死骸が落ちてくるのを待って食べることから「海の掃除屋」とも呼ばれる。小食で絶食に強く、餌を3、4年食べない個体もいるとか。

種類豊かな三陸の海を再現
「仙台うみの杜水族館」
日本と世界の生きものの展示、イルカ等のパフォーマンスによるエンタメ性の3本柱で海の魅力を発信。
- 住所 :
- 宮城県仙台市宮城野区中野4-6
- 電話 :
- 022-355-2222
※表示価格は税込み
[ビギン2024年12月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。