今しかないぞ、オレたちが拝めるのは![新日本マテリアル]近畿・中国・四国・九州編
ウワサの服 希少予報[素材がヤバい!? 絶滅危惧服]
技術が発達しても、大金を手にしてもいつまでだって同じ服が手に入るとは限りません。いにしえの技法を情熱で現代に蘇らせ、古き良き素材を再現――等々。でも、その手法を何度も繰り返せるかと言えば、不透明なのだ。
日本各地のレア&絶滅危惧マテリアルを総まとめ!
素材に注目してみても動物や植物の減少、職人不足で入手困難だったり、値段高騰中だったりなんだか世知辛い世の中……。一旦ここで、近畿・中国・四国・九州地方のレア&絶滅危惧マテリアルを総まとめ! チェックしてみな、飛ぶぞ!
[兵庫]コードバンのタンニンなめしができる世界的馬革タンナー
新喜皮革
姫路が誇る国内屈指の馬革(コードバン&ホースハイド)タンナー。コードバンをタンニンなめしで製造できるタンナーは、国内ではここだけ! その品質は海外でも高く評価されている。
[兵庫]戦国武将を守った漆のような艶やかな伝統皮革
黒桟革
製革後の革を漆加工し、強度を高めるのと同時に艶とシボを強調した古来の特殊皮革、黒桟(くろざん)革。戦国時代の武将が甲冑の防護性や装飾性を高めるために用い、その後は剣道の高級防具に使用されている。
[大阪]業界震撼!? 養殖マグロより生まれた本格お魚レザー
近大マグロレザー
かの新喜皮革が持ち前のコードバン作りのノウハウを活かして、近畿大学の養殖鮪の副産物を有効活用し始めたことにより、近年知名度が上昇中。びっしりと詰まったウロコ跡やギラギラとした光沢が特徴的だ。
[和歌山]化石レベルの希少な旧式編み機がまだ日本に残っている!
AZUMA裏毛
スウェットの聖地・和歌山県で使用される70年代製の旧式編み機「AZUMA」。スピード重視で型崩れしやすい一般的な編み機と違い、ゆ~っくり時間をかけて余計なテンションをかけずにふっくらとした編みが可能だ。
[岡山]学生服の需要低下からデニムづくりをし不動の地位を築いた!
藍染
言わずと知れたジーンズの聖地・岡山県。学生服で全国のシェアのほとんどを占めていたそのノウハウをデニムにも活かすことで現在の地位に。関西を中心にレプリカデニムブランドが誕生したのはココのおかげか。
[愛媛]品質基準をクリアした最も格式高い真珠界のクイーン
花珠真珠
阿古屋貝から獲れる「あこや真珠」のなかでも、最も希少価値が高いのがコチラだ。一定の品質基準をクリアした鑑別書が付き、輝きや傷の少なさはまさに一級品。結婚などお祝い事のプレゼントに重宝されている。
[長崎]美しいまだら模様は国際条約のもと常に入手困難に
べっ甲
べっ甲の材料は、赤道付近に生息するウミガメ「タイマイ」。それを輸入して加工するのに適した長崎が今では一大産地に。現在では、ワシントン条約でタイマイの国際取引が禁止されていて希少性はかなり高い。
[宮崎]宮崎が生んだ極上の黒毛和牛による贅沢レザー
和牛レザー
聞けば誰しもヨダレがしたたり落ちる宮崎牛がまさかの皮革製品に! 食用の牛だからこそのたっぷりとした脂分を適度に残し、もちもちとした質感が特徴的だ。地産地消はまさにサスティナビリティの鑑。
[沖縄]害獣だけど革小物しては縁起のいい末広がり
ハブ
沖縄に生息する猛毒ヘビのハブを駆除することによって作られるハブ革。生態系を崩すことなく「駆除ハブ」を使用したことで日本エコレザーにも認定済みだ。8の字に見える柄が縁起モノとされている。
※表示価格は税込み
[ビギン2023年12月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。