カナダ製スウェットも減っていく!? まだ選べる今のうちに、手に入れておきましょ

gym master ジムマスターのラグラン スウェットトレーナー

ウワサの服 希少予報[生産国がヤバい!? 絶滅危惧服]
技術が発達しても、大金を手にしてもいつまでだって同じ服が手に入るとは限りません。物価高などの時勢を鑑み、生産国を移すブランドが続出。“メイド・イン・○○”のロマンを追う、ラストチャンスを見逃すべからず!

MADE IN CANADA
寒冷地の国民服も絶滅の危機に!?

今からおよそ100年前にアメリカで誕生されたといわれるスウェット。実は隣国カナダでも早くから寵愛され、名門工場もバンバン創設されていました。

寒いお国柄も相まってか、いつしか国民服的アイテムとして浸透し、服好きの間でカナダはアメリカと並ぶスウェット先進国として認知されることに。ところが近年、良作揃いのカナダ製スウェットが徐々に減少しているというウワサが。

その真相を同国の名門ブランド、ジムマスターの製品企画を担当する吉川昌輝さんにお聞きすると、

「他の国のモノ作り事情と同じで、近年多くのブランドがコストを優先し、カナダの工場からアジア圏の工場へと生産の拠点を変更。おそらくこれからも工場と職人の数は減っていくと思われます」。

「ジムマスターに関していうと、もう数十年同じ工場で製造しているため、今すぐなくなることはありません……しかし元々納期が不安定なこともあり、もし同じ工場で作っている他社が海外生産となった場合、ジムマスター製品だけの少ないロットでは稼働してくれなくなる可能性もゼロではありません」。

定番好きにとっては“米国製”と匹敵する輝きを放つ、“カナダ製”スウェット。まだ選べる今のうちに、手に入れておきましょ。

gym master ジムマスターのラグラン スウェットトレーナー

gym master[ジムマスター]
ラグラン スウェットトレーナー

1916年にカナダ・ノバスコシア州で創業した“ノバスコシアテキスタイル”のファクトリーブランド。白と黒がハッキリわかれた荒〜い杢柄と、保温性に優れる裏起毛が特徴で、カナダでは消防士の防寒用インナーとしても愛されていたという、名品中の名品だ。各1万1880円(グランド・ワン)

gym master ジムマスターのラグラン スウェットトレーナー
存在感◎の荒〜い杢柄と保温性◎の裏起毛生地がアイコン

gym master ジムマスター
(gym master/ジムマスター)

証言!「他国に生産拠点を移すブランドが増えたことで工場が減少しています」―吉川昌輝さん

ジムマスター製品企画担当 グランド・ワン 吉川昌輝さん
ジムマスター製品企画担当/グランド・ワン
吉川昌輝さん

[スウェット=カナダ製]のワケ

吉川さんいわく、「カナダ製スウェットは肉厚堅牢な製品が多い米国製品と比べ、柔らかな着心地を優先した製品が多い印象」とのこと。

実際にジムマスターでも、トンプキン機という旧式編み機を使い、1時間に約1メートルの超低速で編み立てられた、9オンスの裏起毛生地を使用。フワトロでポカポカな着心地はヤミツキ必至だ。

カナダ製スウェット

今買える名品カナダスウェット

知る人ぞ知る優良ブランドの集積地だったカナダも、今やスウェットを手掛ける工場が減少の一途を辿っています。ってことで、ここでは未来のヴィンテージに成り得る!?まだ買える名作カナダ製スウェットをご紹介。

バンクーバーの自社工場で熟練職人がハンドメイド!

REIGNING CHAMP レイニングチャンプのミッドウェイトフリース クラシックフーディー

REIGNING CHAMP[レイニングチャンプ]
ミッドウェイトフリース クラシックフーディー

名だたる名門ブランドたちがこぞって頼る、バンクーバーの自社ファクトリーでハンドメイドされた工芸品的パーカ。生地の編み立てや仕上げ工程などなど、要所で同地に流れる超軟水の力を借りているうえ、古きよきフラットシームを駆使することで、雲上の着心地を実現している。

程よくゆとりのあるシルエットと、個性的なセミラグランスリーブの相乗効果で、アウター使いしても映える顔つきに。2万7500円(レイニングチャンプ)

上写真/ビームス プラスのシャツ1万4300円(ビームス プラス 原宿)バーンストーマーのパンツ2万8600円(HEMT PR)ゲルノット・リンドナーの眼鏡11万9900円(グローブスペックス エージェント)

REIGNING CHAMP レイニングチャンプのミッドウェイトフリース クラシックフーディー

ネームタグをつけないのはファクトリーブランドのプライド

HOUSE OF BLANKS ハウス オブ ブランクスのクルーネック スウェットシャツ

HOUSE OF BLANKS[ハウス オブ ブランクス]
クルーネック スウェットシャツ

一方こちらは生産工程の要所で超硬水を使うことで、着はじめはハリがあり、徐々に身体に馴染む=育てる楽しみが味わえる良品。

世界的ブランドから信頼の厚い、カナダ・オンタリオ州の実力派ファクトリーによるオリジナルブランドで、通常衿裏に設けられるネームタグをあえて省いているあたりに、“名より質で勝負!”という気概が感じられる。カラフルなネップが表出した独特の生地感もユニーク。2万1641円(ビアトランスポーツ)

上写真/ピルグリム サーフ+サプライのカットソー9900円(ピルグリム サーフ+サプライ)ビームス プラスのパンツ2万8600円(ビームス プラス 原宿))

HOUSE OF BLANKS ハウス オブ ブランクスのクルーネック スウェットシャツ

カットソーもカナダ製が減っていく!?

BARBARIAN バーバリアンのラグビーシャツ

スウェットが絶滅する可能性があるということは、当然その兄弟ともいえるTシャツ類だって減少傾向に。カナダ製ラグビーシャツの名門であるバーバリアンのヘビーオンスTも、今のうちに買っとかないと後悔することになるかも!? 1万7600円(フレーム)

BARBARIAN バーバリアンのラグビーシャツ

 
※表示価格は税込み


[ビギン2023年12月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

Begin 2023年12月号

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ウワサの服 希少予報

特別定価850円(税込)

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