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「大地の芸術祭」でゲット! 地域の生活を大胆に切り取ったトートバッグ

トートバック

ミュージアムグッズは、単なるお土産品にあらず。旅好きのグッズ愛好家・大澤夏美さんによる、掘れば掘るほど面白いグッズとアートのお土産バナシをどうぞ。

Profile
ミュージアムグッズ愛好家 大澤夏美さん

ミュージアムグッズ愛好家

大澤夏美さん

博物館経営論を軸に、旅をしながら全国の博物館を訪ねてグッズも研究。著書に『ミュージアムと生きていく』(文学通)など。最近は講演会で各地を巡り、グッズを探訪中!

「生活」にお邪魔する旅

旅先では観光地を巡るのもいいけれど、その土地の生活の中にお邪魔するのが楽しみでもあります。市場やスーパーに並ぶ食材を使って宿で夕飯を作ったり、銭湯で地域の皆さんに交じって汗を流したり。私たちはそれぞれ違う土地で同じ時間を生き、その違いを完全に理解することはできなくとも、違いの存在を見つめることが大事なんだと再認識する。それこそが旅の醍醐味だとも思うのです。

日本各地の生活を知る良い機会になるのが、トリエンナーレやビエンナーレなどの芸術祭。特に自然豊かな地域で開催される芸術祭は、その地域の文化や歴史、暮らしを知るひとつの糸口としておすすめです。私は学生時代に日本各地の芸術祭に行きまくり、貧乏旅行でしたが日本各地に足を運ぶきっかけになりました。

そんな芸術祭で販売されているグッズも見どころのひとつ。ただ単に芸術祭のロゴを配したグッズだけではなく、地域の名産品をリデザインした商品や、クリエイターとのコラボグッズもあるので見逃せません。

新潟県の越後妻有地域で開催されている「大地の芸術祭」で、「これは素敵!」と興奮したのがこのトートバッグ。地域の生活の場面が切り取られたトートバッグで、大地の芸術祭のグッズデザインに携わる、アートディレクター ・ グラフィックデザイナーの川上恵莉子氏が手がけています。

表面は、青くて丸い屋根の倉庫の写真の上に、白線でその形が描かれています。道を歩いていてこの倉庫を見つけたら、私も絶対に写真撮っちゃう! 雪が降っても屋根から滑り落ちるように丸い形をしていると思うのですが、この丸い形が帽子のようでなんだかかわいい。青い空、深い緑に映える風景ですね。

裏面は梅干しを仕込む様子。強い日差しのもとでしっかり乾いた梅が、壺に収められていく……もうよだれが出てきませんか? アスファルトの影の濃さからも強い夏の光を感じます。

越後妻有 大地の芸術祭は、地域の生活との結びつきを強く感じさせる試み。地域の祭りや伝統行事と連携したプロジェクト、地元住民が制作に参加する作品も多く、そこでの交流も楽しいのです。この夏、芸術祭をきっかけに日本各地の「生活」に触れてみては。

裏面には梅干しをプリント

裏面には梅干しをプリント

よそにはこんな暮らしもある

妻有の日常をプリント。表面は倉庫の写真に白線で形を抜き出し、裏面には梅干し準備の光景が。越後妻有オンラインショップでも購入可能。W31.5 × H38cm。3800円。

ミュージアムグッズから学ぶ博識キャプション
 

大地の芸術祭

 
大地の芸術祭[The Echigo-Tsumari Art Trienniale]
新潟県越後妻有(十日町市・津南町)を舞台に、2000年から続く世界最大級の国際芸術祭。現代アートを道しるべに里山を巡り、風土・食など地域の魅力を再発見できる。2025年今季のプログラムは7/19(土)〜11/9(日)で開催。

information
越後妻有里山現代美術館 MonET

越後妻有の風土や文化に深く向き合える美術館
「越後妻有里山現代美術館 MonET」

大地の芸術祭の拠点施設のひとつ。妻有に根差した作品を見られる。温泉施設が隣接するのも◎。

住所 :
新潟県十日町市本町6-1-71-2
電話 :
025-761-7766

 
※表示価格は税込み


[ビギン2025年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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