時は来た! 見つけるだけだ[全世界マテリアル]アジア・オセアニア編
ウワサの服 希少予報[素材がヤバい!? 絶滅危惧服]
技術が発達しても、大金を手にしてもいつまでだって同じ服が手に入るとは限りません。いにしえの技法を情熱で現代に蘇らせ、古き良き素材を再現――等々。でも、その手法を何度も繰り返せるかと言えば、不透明なのだ。
アジア・オセアニアのレア&絶滅危惧マテリアルを総まとめ!
ん~ガッッデム! 日本に限らず世界でもあらゆる素材が希少&価格高騰中。創刊よりインポート服を重宝してきたビギンもお世話になった素材が今、入手困難の危機なのです。お勉強ついでに狙い目の素材も要チェック。絶対許さないよ! 何がレアマテリアルだ!
[ロシア]セレブリティが虜になるゴージャスさを演出する世界三大毛皮
セーブル
日本では黒テンとも呼ばれるイタチの仲間で世界三大毛皮の一つ。なかでもロシアで養殖されているロシアンセーブルは高値で取引されることも。太く長い毛で、ラグジュアリーなマフラーやコートなどに使われる。
[モンゴル]世にもレアなヤク毛は徳川公も愛した天下統一のシンボル!?
ヤク
モンゴルに生息するウシ科の大型動物の原毛。シワや毛玉になりにくく保温性も高いヤクの毛は、日本でも歴史が古く、戦国の世にはかの徳川家康公も愛用したんだとか。
[モンゴル]脱毛期のみ採れる保温・放湿に優れたハイスペ原毛
フタコブラクダ
「ヒトコブラクダ」も存在するが、ソチラは毛が太く短く繊維に不向きとされ、素材にはフタコブラクダがほとんど。脱毛期にしか採取できないため、採取量は少なく希少。ウールに比べ保温性が高いことで人気だ。
[新疆ウイグル自治区]サスティナブルな労働環境を願う! 高いシェアを占める上級綿
新疆綿
ギザコットン、ピマコットンと並んで世界三大コットンとも呼ばれる、新彊ウイグル自治区で育てられた超長綿。悲しいかな、今は労働環境の問題で多くのブランドの使用中止が相次ぎ、問題解決を望むばかりだ。
[インド]土壌や日照時間など厳しい条件をクリアした希少超長綿
スビンコットン
インド綿のスジャータ種とシーアイランド綿のビンセント種を交配して生まれた最高級綿がスビンだ。第1世代の綿は「スビンゴールドシュプリーム」という称号が与えられ、その繊維は極めて細くしなやか。
[カンボジア]熟練の技でしか成せない繊細さと時間を要する超貴重な蓮のシルク
ロータスシルク
蓮の茎の繊維を利用した素材で、すべて手作業で撚られる「蓮糸」は、長い鍛錬を積んだ職人による賜物。カイコから作られるシルクのような柔らかさで、仏像や僧侶への供物、ファッションアイテムにも使われている。
[オーストラリア]激しい動きにも対応する軽くしなやかで強堅なレザー
カンガルー
捕獲量が制限されているのに加え、野生のため傷が多くレア。薄くて軽く、しなやかで丈夫と機能面はピカイチで、運動量の多いサッカーシューズなどにも採用されている。
※表示価格は税込み
[ビギン2023年12月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。