今なお手織りで作られている! チマヨベストのBIGはもう買えないかも!?
ウワサの服 希少予報[職人がヤバい!? 絶滅危惧服]
技術が発達しても、大金を手にしてもいつまでだって同じ服が手に入るとは限りません。モノ作りにおいて最も大切なのは、職人の技。 だが少子高齢化の日本では、職人が年々減少。 優れた技術を守るためにも買い支えるべし!
作り手激減のなか、現地に足を運び実現したBIG
リオグランテ峡谷北部を開拓した、スペイン系移民による伝統工芸品。自給自足に端を発する牧羊や紡績、機織りの賜物たる美しい毛織物は、その村の名からチマヨと呼ばれ、こと服好きにベストが愛でられているのはご存知のこと。「元々女性向けにロングベストが展開されてるんです。それを今の感覚でアウターの上から着たらカッコいいはず」と思い立った松尾さん。
ところがいざ探してみると、流通しているのは昔ながらのサイジングばかり。そこでコロナの規制明けを待って渡米することに。「実際にチマヨ村を訪ねると、状況は想像以上に深刻で。後継者不足に加え、羊毛の枯渇、買い手の減少といった要因で先細りしている現実を目の当たりにしました」
そんな逆風に負けず、松尾さんの熱意が実を結んだオーバーサイズのチマヨが無事にデリバリー。手仕事の温もりが感じられるこの手の服は、今後も稀少性が増すばかりでしょう。でも、だからこそ、やっぱり惹かれるんだよなぁ。
上写真/レイニング チャンプのスウェット2万2000円(レイニングチャンプ) トラディショナル ウェザーウェアのパンツ2万5300円(トラディショナル ウェザーウェア ルミネ有楽町店)
「今はスタンダードなゆったり服に合わせたい気分です」
ジャーナル スタンダードコンセプター
松尾忠尚さん
未だ足踏み式の木機で手作り、後継者の減少は自然な流れか……
今でも人の手が不可欠なのだ
CENTINELA traditional arts×JOURNAL STANDARD
[センチネラ トラディショナルアーツ×ジャーナルスタンダード]
ビッグチマヨベスト
オルテガの親類にあたる老舗に、ロング&ビッグなサイジングで別注。ネイティブの柄をモダンかつシンプルに効かせ、メタルのコンチョボタンなど垂涎のディテールはそのままに。各8万9100円(ジャーナル スタンダード 渋谷スクランブルスクエア店)
70年前に姿を消した“ウールリッチ”が“ジャパンメイド”で完全再現復刻!
同じく米国のトラッドなウールアイテムと言えば、狩猟を嗜む人々に愛でられたこの赤黒チェック。肉厚のウール地を尾州で再現し、20世紀半ばに姿を消したベストを織りネームやバックルといった付属まで忠実に復刻している。4万9500円(ウールリッチ 二子玉川店)
※表示価格は税込み
[ビギン2023年12月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。