特集・連載
“通しか知らない”をサクッと学ぶ[10minutes ヴィンテージ]
「開衿シャツの永世定番はベタなチェックより無地のほうが要CHECKです」
10minutes VINTAGE ヴィンテージ=難しい? ノンノンノン♪ 通しか知らない名品も、目印を頼ればビギナーでも簡単に発掘できちゃうんです。その道のプロが、目指すべきターゲットと、その判別テクをサクッとレクチャー。10分後はあなたもヴィンテージ通! この記事は特集・連載「10minutes VINTAGE」#23です。
ペンドルトンのソリッドボードシャツ
TEACHER:古着屋ハンバーグカフェ 店長 菅家富雄さん
ぺンドルトンと言えば、130年以上の歴史を持つアメリカの超超老舗ブランド。日本では上質ウールを使ったネイティブ柄のブランケットでお馴染みですが、実はヴィンテージ市場には、古くからそのブランケットに勝るとも劣らない人気を誇る名品が存在してるんです。
「それがボードシャツ。サーフミュージックの御本尊とも言える、かのザ・ビーチ・ボーイズが1960年代のアルバムジャケットで何度も着用していたことでも知られる、まさに名品中の名品です」。
最高級ヴァージンウールを使った保温性抜群の生地や、開衿仕様、タックアウト前提のストレートカット、存在感のあるフラップポケット等々、アウターとして利く要素がテンコ盛りの、まさにシャツアウターの元祖的存在! ですが、ボードシャツと一口に言っても色柄は無数にあるなか、ベーシック好きがとくに狙いを定めるべきお宝があるんだとか。
それは……「ズバリ、ソリッド、つまり無地のボードシャツがおすすめです!やっぱりチェック柄が王道ですが、汎用性を考慮すると無地のほうが断然上。何より希少性が半端ない! 数十枚入荷して一枚あるかどうか。入荷しても即完売してしまう、通好みのレアものゆえ見つけたらラッキーですよ」
ペンドルトンのボードシャツ
開衿シャツのスタンダードと言えば、コレ! チェック柄(とくにザ・ビーチ・ボーイズが着用していたブルーグラデ)が王道だが、実はソリッドはタマ数が超少なく、通からも垂涎の的。今どきのクリーンな装いにも無地のほうが利くはず。こちらは’90年代の、超絶レアな米国製ネイビー! 5500円(古着屋JAM)
ガシガシ着回せるヴァージンウール
一晩で暗記できる! タグの変遷も要CHECK♪
’90年代←’80年代←’70年代←’60年代←’50年代
年代ごとに微妙にタグのデザインが異なるのも、ボードシャツが熱烈なコレクターを生む理由のひとつ。’40年代以前の製品も存在するが、市場ではめったに見かけないので、ここでは’50年代からの変遷をリサーチ!
’50年代
この年代から右下にサイズ表記が。すべての表記が枠内に収まっているのが特徴
イエロー×グレーの珍しいチェックが配された、’50年代製ボードシャツ 。USメイド&ゴールデンサイズのMとくれば当然、無地じゃなくても買いかも。1万800円(古着屋ハンバーグカフェ)
’60年代
枠外に“PURE VIRGIN WOOL”の表記が。1964年からはウールマークも登場
’70年代
“PURE VIRGIN WOOL”の表記の下に、MADE IN USA の表記が登場
’80年代
枠外に表記されていた“MADE IN USA”が枠内に入り、密状態に
’90年代
外枠や種々の表記がなくなり、最下部に“SINCE 1863”の表記が追加された
上でも紹介した、’90年代の超絶レアな米国製ネイビー!
古着屋ハンバーグカフェ 店長
菅家富雄さん
2011年、函館市にオープンした人気店。誰もが知る王道のアメリカ古着を広く揃える。博識だがシャイにつき粘土細工で登場(笑)。
[ビギン2021年2月号の記事を再構成]写真/上野 敦(プルミエジュアン)文/黒澤正人