特集・連載
“通しか知らない”をサクッと学ぶ[10minutes ヴィンテージ]
「’80s~’90s前半のフレラコに多く生息していた興奮ぎみ!?(笑)のワニ。」
10minutes VINTAGE ヴィンテージ=難しい? ノンノンノン♪ 通しか知らない名品も、目印を頼ればビギナーでも簡単に発掘できちゃうんです。その道のプロが、目指すべきターゲットと、その判別テクをサクッとレクチャー。10分後はあなたもヴィンテージ通! この記事は特集・連載「10minutes VINTAGE」#02です。
尻尾が立ってる!? ラコステ
TEACHER:セプティズ 代表 玉木 朗さん
ラコステは言わずと知れたポロシャツのオリジン。日本でも半世紀近く前から定番好きの必携ワードローブとして親しまれていますが、なかでも母国フランス製のラコステは別格。“フレラコ”という愛称で、いつの時代も通の間で羨望の的になっています。
「現行品ではなかなか入手しにくくなった反面、ヴィンテージ市場では不動の人気を誇っていますが、実はひと口に“フレラコ”と言っても年代によって微妙に仕様が異なるんです」。
顕著なのがアイコンでもある左胸のワニロゴなんだそう。
「’60~’70年代頃のブランド名入りロゴはたしかに人気銘柄であるものの、希少すぎて市場では滅多にお目にかかれませんし、見つけてもかなり高額です」
「そこで狙い目なのが、尻尾が立ってるワニ。これは多分’80年代~’90年代前半にだけ生息していたもの。おそらく生産効率を上げる必要に迫られたのか、’90年代後半頃になると、尻尾が体に沿うように平行にのびたロゴに変更されているんです」
「尻尾が立って興奮してるように見える肉食系ワニ(苦笑)なら、根気強く探せばちゃんと見つかりますし、通ウケもばっちり。見つけたらワニ以上に興奮するヴィンテージ好きも少なくありません」
「バブルの衰退とともに肉食ワニが減少して、草食ワニ!?が主流になっていく……なんて、なんだか日本の時代の流れを反映しているみたいでおもしろいですよね(苦笑)」。
ラコステのフランス製ポロシャツ
“フレラコ”とは母国フランスで作られたラコステ製品の総称。それだけにポロ以外のアイテムもフレラコと呼ばれるが、やはり圧倒的にファンが多いのはポロシャツ。とくにまだヴィンテージ市場でギリ見つけられる’80〜’90年代前半の尻尾が立ってるワニロゴを付けたポロは、見つけたら即買い!が基本だ。5000円(サファリ3号店)
見つけたコチラはワニ以上に大興奮!!
左/いつも 右/興奮ぎみ(笑)
実はワニロゴには変遷あり。もちろん同じ年代でも個体差はあるが、年代ごとの特徴により、ある程度分類することができる。なかでも尻尾が立った興奮ぎみのワニは、発見しやすさと通ウケ度合いのバランス感が一番優れている。
フレラコの特徴
2つ穴貝ボタン
フレラコは左胸のワニロゴ以外にも、年代によって仕様変更がある。“前立てに2個備えられた2つ穴の貝ボタン”と“フランス製表記の入ったスクエアタグ”というのは、’80年代以降のフレラコの代表的なディテールだ。
スクエアタグ
セプティズ 代表
玉木 朗さん
半世紀近くにわたってラコステを愛し続ける世界有数のワニ博士。自著『ボク達の超B級アーカイブ』でもラコステ愛を綴っている。
[ビギン2019年6月号の記事を再構成]写真/上野 敦(プルミエジュアン) 文/黒澤正人