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カウネットの袋とじ専用製本テープ

ごはんを食べずに生き続けられる人はいないし、どちらかといえば“食べることが好き”という人が多数派だろう。だが、すべての人が自分で料理をするのが好きかというと、必ずしもそうではない。

なにしろ、「料理」は大変だ。食材を切ったり、炒めたり、味付けをしたりするだけが料理ではない。材料の買い出し、家族の好みや体調、栄養バランスに配慮した献立づくり、片付け、食材を無駄なく使い切る在庫管理などなど。こうした膨大なプロセスすべてをひっくるめた行為が「料理をする」ということなのだ。

最近は男女を問わず仕事も家事もする人が多いから、料理にかかる労力は大きな悩みの種のひとつである。そのため昨今は、外食をしたり、お弁当やお惣菜を買ってきたり、フードデリバリーを利用したりと、アウトソースの手段もいろいろと用意されている。しかし、お金がかかる、栄養バランスが気になる、味が濃くて飽きてしまう、ちょっと罪悪感がある、などの理由から、完全に料理をしないというのも難しい。

そんなとき役に立つのは、下ごしらえ済みの食材が家に届くミールキットのサービスだ。献立づくりや食材のカット、計量など、面倒なプロセスは飛ばして、最後の仕上げだけを自分で行い、出来立てを食べられる。料理の膨大なプロセスの中から、いわば「オイシイところ」だけをつまみ食いできるとあって、近年の内食需要の高まりとともに人気を増しているのも頷ける。

考えてみれば、「仕事」も膨大なプロセスの集合体であるという意味では、「料理」と似たところがある。

どんなに好きなことを仕事にしても、憧れていた職業に就いたとしても、「仕事」を形作る種々雑多なプロセスの、すべてが好き、という人はほとんどいないだろう。例えば、営業として客先に行って人と話すのは楽しくて大好きだけど、交通費の精算はとにかく苦痛で仕方がない……なんてことは、誰しも心当たりがあるのではないか。

私は、仕事をする上で、ちょっと苦手なこと、面倒で、できればやりたくないこと、それをそっとサポートしてくれるのも、文房具の持つ力のひとつだと思うのだ。

カウネットのプライベート品 袋とじ専用製本テープの下ごしらえ

前置きが長くなったが、今回紹介するオフィス通販サービス、カウネットのプライベートブランド商品「袋とじ専用製本テープ」は、まさにそんな「仕事のちょっと面倒な部分」を肩代わりしてくれるアイテムなのである。

さて、そもそも仕事で契約業務に携わらない人からしてみれば、「袋とじって何それ? ちょっとエッチなやつ?」と思われるかもしれないので説明すると、「袋とじ」とは契約書などの背の部分を製本テープなどでくるむ製本方法のことである。改ざんを防ぐ、割印を捺す箇所を減らすなどの目的で行われている。

そして、だ。ここからが重要なのだが、この袋とじ、自分でやろうとするとまあまあ面倒くさいのだ。普通の製本テープだと、切るところからいきなり面倒くさい。紙と同じ大きさに切ったらダメで、契約書の上下の部分もカバーしないといけないから、それを見越してちょっと長めに切る。裏側の剥離紙をはがしたら、印刷してホチキス留めした契約書の表側に、上下左右が均等になるようにそーっと貼る。上下に被せる部分だけを残して、テープの角をハサミでいい感じに切り落とす。上下を折り込んで袋とじ部分を貼り付けたら、残りのテープを折り返して裏に貼る。

しかし、これがなかなかうまくいかない。巻きグセのついたテープはくるくると丸まるし、ハサミはベタベタになるし、粘着面が変なところにくっついて、それでテープが斜めになったりシワになったりしたら、もう失敗。契約書を印刷してホチキス留めするところからやり直しである。悪戦苦闘して、どうにかこうにか製本できても、それで終わりではない。もう一部が残っている。なぜなら契約書は甲と乙、双方で同じものを一部ずつ保管する必要があるから……。

私は一時期、仕事の都合で毎月のように契約書を製本していたことがあるのだが、もう本当に毎回イライラの連続で、できることなら金輪際やりたくない業務のひとつであった。そんなときに出会ったのが、この「袋とじ専用製本テープ」なのである。

このテープが素晴らしいのは、あらかじめちょうどいい長さと形にカットしてあること。そして、剥離紙が製本のプロセスに合わせて3つに分かれていて、しかも作業の内容と手順までしっかり書いてあること。いわば、袋とじ製本のための「下ごしらえ」が済んだ状態で、はいどうぞ、と待ち構えていてくれるところなのである。

このおかげで、無駄になるコピー用紙とホチキス針、製本テープ、そして何より私の作業時間とストレスが激減した。なんなら、最後のほうは「契約書を製本する仕事」自体がちょっと楽しみになったほどだ。

契約書の製本は、これを読んでいるすべての人に関わりがある仕事ではないし、ましてやそのためのテープなど、非常にニッチなアイテムであるとは思う。しかし自分にとっては、「苦手なことや面倒なことを肩代わりしてくれる」という文房具の持つ力をこれ以上ないほどに体現している一品なので、今回あえて紹介させてもらった。

どんな仕事にも、楽しいときもあれば、つらいときもある。つらいときには、仕事のために文房具を使うのではなく、文房具を使うために仕事をする、そんなマインドで自分を奮い立たせることがあってもいいと思うのだ。苦手な仕事に取り組むときにこそ、それを楽しいと感じさせてしまうくらい好きな文房具を使ってみるのも、アリなのではないでしょうか。

カウネット
袋とじ専用製本テープ(A4 幅35mm 契約書割印用10本入り)

382円
https://www.kaunet.com/kaunet/goods/41835081/

※表示価格は税込み

ヨシムラマリ

ヨシムラマリ

神奈川県出身。子供の頃、身近な画材であった紙やペンをきっかけに文房具にハマる。現在は会社員として働くかたわら、イラスト制作や執筆を手掛けている。著書に『文房具の解剖図鑑』(エクスナレッジ)。

文房具グルメとは? 価格やブランド名だけでは価値が計り知れない、味わい深い文房具の数々。フランス料理店でシャンパングラスを傾ける記念日もあれば、無性にカップ麺が食べたくなる日もありますよね? そんな日常と重ねあわせて、文房具に造詣の深い気鋭のイラストレーターが気になるアイテムとの至福のひとときをご紹介!

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