特集・連載
ちょっと走ったらヒザが痛くなった(涙)
スロージョグ初心者でもケガしにくい「雲上靴」の条件とは?
スロージョグはじめるガイド なんやかやで移動距離が減り、脂肪という名の貯金を溜め込む今日この頃。運動しなきゃ、走らなきゃ。そこで耳寄りな事実をひとつ。フィットネス向上のために走るなら、ゼーハー本気で走っちゃダメ。ゆっくり走ったほうが痩せやすい&健康にいいって、どういうこと!? この記事は特集・連載「スロージョグはじめるガイド」#02です。
スロージョグが体にいいことはわかった。これなら自分にもできそうだ。じゃあ次にすることは?と言えば、走りやすいシューズに足を通すこと!
教えてくれたのは
シューズジャーナリスト
南井正弘さん
某スポーツシューズメーカーのプロダクト担当を務めた後、ライターに転身。ランニング専門誌の編集長も務める。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。
薄軽はNG!
ビギナーでもケガしにくい“雲上靴”ではじめの一歩
初心者ジョガーにとって、最も大事なギア、それはシューズです。昨今は厚底系のシューズが巷を席巻し〇〇新記録を連発していますが、その多くはカーボンプレート内蔵のアスリート用。厚底は厚底でも、スロージョグで選ぶべきはまた別にあるんです。
「急に走ったためにヒザが痛くなったという失敗談をよく聞きますが、ではクッション性の高さだけでシューズを選べばいいかというと、必ずしもそうではありません」と、スニーカーに日本一詳しい男、南井さん。えっ、そうなの?
「クッションが利きすぎると、筋力のない初心者ほど着地時に横ブレが生じます。このブレはヒザや関節への負荷となって蓄積し、痛みの原因に。だから初心者こそ安定性にも目を向けるべきなんです。ソールに厚みがありつつ、適度な硬さも備える靴がベターです」
この条件に合致するシューズをリリースするメーカーの代表格と言えば、2010年創業“シューズ界のアップル”とも言われるオン。独自の中空構造ソールが最大の特徴で、見た目の印象よりも着地時の沈み込みが少なく、しっかり硬めで弾力に富むこのソールが雲上の履き心地をもたらします。
「なかでもスロージョグで履くなら“クラウドフライヤー”がオススメ。ソールユニット全体が写真のように幅広になっているため安定性が一際高く、ミッドソールの素材もある程度の硬さがあるので、これまた安定性という面で◎。街馴染みのいいデザインでジョギング以外にも使えますし、最高のエントリー靴と言えましょう」(南井さん)
ふかふかクッション&幅広ソールの極上エントリーモデル
On[オン]
クラウドフライヤー
幅広なソールでスロージョグに適したサポート性とクッション性を備えつつ、昔ながらの初心者向けシューズと比べ軽く仕上がっている点が好もしい。スイス発のブランドだけあって、機能美を体現したスタイリッシュなデザインも◎だ。1万8480円(オン・ジャパン)
ソフト♡な着地感と弾力性をもたらす“クラウドテック”ソール
創業者の一人が散水用のホースを目にして閃き、実際に輪切りにして靴底に貼り合わせる試行錯誤を経て完成させた天才デザインの中空構造ソール。
着地に伴う自然な体重移動に合わせて巧みに形状が変化するため、エネルギー効率がすこぶる高く、雲上の履き心地を実現する。レッツ・ラン・オン・クラウド♪
安定感バツグンのワイドなモデルが初心者ジョガー向け
同社のベストセラーモデル、クラウド(写真左)と比べてみると、ソールが地面に向かって末広がりの幅広なフォルム。「接地面が広いので安定性が増し、着地時にいたずらに左右へと倒れ込むことを防いでくれます。幅広であることがビギナー向けの第一条件です」
ちなみに……オールブラックを選べば普段履きもキマります
レーシーなメジャーブランドともボリューミーなダッドシューズ系とも一線を画すスマート顔で、ロゴも控えめ。つまりランニングシューズなのに派手じゃない。そんなところも丁度いい。
※表示価格は税込み
[ビギン2021年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。