特集・連載
ランニングは速く走ってはいけない!? 「スロージョグ」3つのメリット
スロージョグはじめるガイド なんやかやで移動距離が減り、脂肪という名の貯金を溜め込む今日この頃。運動しなきゃ、走らなきゃ。そこで耳寄りな事実をひとつ。フィットネス向上のために走るなら、ゼーハー本気で走っちゃダメ。ゆっくり走ったほうが痩せやすい&健康にいいって、どういうこと!? この記事は特集・連載「スロージョグはじめるガイド」#01です。
ランニングで心身の健康を目指すなら、スロージョグこそが最も効率的である――って、ご存じでした? 具体的には会話しながらでも息の切れないペースで(初心者なら1kmあたり最低6分以上、つまり時速10km以下を心掛ける)、距離は気にせず、10~30分程度のジョグを目安としましょう。
[MERIT 01]
実はゆっくりのほうが脂肪が燃えやすい
ヒトは体内で脂肪と酸素を結びつける(≒燃やす)ことで走るエネルギーを生み出します。しかし、ペースが速くなると呼吸から得られる酸素量では足りず、糖から生まれるATPという化合物が主なエネルギー源に変わります。
その基準は「鼻呼吸でこなせるペース」かどうか。ゼーハーしないで済むスロージョグに留めたほうが、脂肪を優先的にエネルギー源にできるんです。脂肪を燃やしたければ、がんばらない。一流アスリートや米国海軍も実践する常識です。
[MERIT 02]
疲れが取れやすい、足が痛くなりにくい
健康のためにと走ったのに、やりすぎちゃってむしろ疲労困憊。そんな本末転倒に陥らないためにも、すすんでゆっくり走るべき。心臓がバクバクしすぎないスロージョグのほうが、体の末端に眠る毛細血管にまで血が巡るので、疲労物質が効果的に流されます。いわゆる代謝アップってやつ。
おまけにスロージョグならフォームが整いやすく、足への負荷も低いため、故障のリスクも小さいんです。当然、筋肉痛も生じにくい、と。この点はシューズ選びでもカギとなるのです。己に甘くを心掛け、三日坊主とオサラバしましょう。
[MERIT 03]
頭も冴えてくる……らしい
近年の研究によると、スロージョグのように適度な強度で体を動かすと筋肉中にある感覚器から信号が発せられ、脳が刺激されることが明らかになってきました。しかもこれ、インターバル走のような強度ではNGとか。
また血流がよくなることで脳内が新鮮な酸素たっぷりの血液で満たされ、脳細胞が増える(ニューロン新生)という報告もあるんです。ジョギング中に不思議といいアイデアが浮かぶとよく言われるけれど、脳科学的にも実証されているんですね。
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[ビギン2021年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。