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HISTORY

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私たちは「ドレスシューズ=ビジネスシューズ」との認識を持つ。近代に出現したオフィスワーカーの存在が、この種の靴を進化させたという歴史を踏まえれば、その認識に大きな誤りはないが、それでもなお、全体像には不明確さが残る。わかっているようで、じつは十分には理解されていないドレスシューズの世界。再検証してみる価値はあるはずだ。

ドレスシューズの基本スタイルは、多くが英国で確立された。同時に、製靴においては伝統的なベンチメイドをベースに、そこに機械縫いを取り込むことで、今日、私たちが知るドレスシューズに収斂していったのだ。写真はグッドイヤー靴の断裁見本、半完成ソール、製靴用工具など。

ドレスシューズが短靴になったのは 人類が伝染病を克服し始めてからだ

定番アイテムの基礎知識

【ドレスシューズ】

●礼服や準礼服に合わせる靴。
●ビジネスマンがスーツに合わせる靴。

今日、私たちが認識する短靴のドレスシューズは、都市生活者である市民の台頭と、18世紀中期以降の産業革命から誕生。その中心地はスーツなどと同様、おもに最先進国イギリスだった。
当初、ドレスシューズはブーツが短靴を圧倒していた。ことに工業化で人口が膨張するロンドンでは汚物で道が汚れ、靴を汚した。だが、19世紀半ば、コレラの流行を防ぐためもあって下水道整備が進み、結果、短靴も履かれるように。また、この頃からグッドイヤーなどの機械製法が登場し、多くの人人がドレスシューズを履く機会を得た。
現在ではドレスシューズの主体はレース結びの短靴であるのだが、これらの人気がブーツを凌駕するのは、じつは20世紀に入ってから。1910~’20年代、英オックスフォード大学の学生たちが短靴を好んだことが発端だった。内羽根の短靴がオックスフォードと呼ばれるのは、その名残なのである。

写真/大嶽恵一 文/山田純貴 スタイリング/武内雅英(CODE) 撮影協力/大塚製靴

掲載記事は、雑誌Beginの連載『定番の教科書』の2013年12月号に掲載された記事の抜粋であり、本記事に掲載されている商品の価格や問い合わせ先、仕様などの情報は、原則として掲載当時の情報となるため、現在の仕様や価格、色、情報とは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

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