特集・連載
地球上で最も軽く暖かい防寒アウター“ダウン”ってそもそもなんのこと? ‐「ダウンジャケット」の教科書
定番の教科書 ネイビージャケットやB.D.シャツ、チノパンといったお馴染みの服はもちろん、スニーカーやデイパに代表される靴、鞄、さらにはスポーツカーや食べ物まで、どのカテゴリにも、いつの時代も変わらない「定番モノ」が存在します。いまもなお、定番が定番たる所以とは? 歴史、ウンチク、名作から今買える新傑作まで、世の定番モノをじっくりわかりやすく解説します。 この記事は特集・連載「定番の教科書」#18です。
HISTORY
この季節、つい手にとってしまうのがダウンジャケット。それはひとえに抜群に暖かく、しかし圧倒的に軽いからであろう。このアウター史上最大の発明品の歴史、構造、定番モデル、そして正しい選び方をわかりやすく解説します。
ヒマラヤ登山などの極地ウェアとして選ばれてきた歴史が、アウターとしての軽量性、そして保温性の高さを物語っている。
左はアメリカ人としてエベレストに初登頂したジム・ウィッタカー氏の山頂ショット。彼が着ていたのはエディー・バウアー社のダウンジャケットであった。
誕生来75年‐
ダウンは人類史上
最強の防寒着だ
定番アイテムの基礎知識
服
【ダウンジャケット】
●水鳥の羽毛を充填した防寒着のこと
●とにかく軽くて暖かいのが特徴
ダウンジャケットのはじまりは1936年。ある日、エディー・バウアー氏が狩猟中に道に迷ってしまい、低体温症で生死の境をさまよった。この経験から「とにかく暖かい服が欲しい」と考え、ロシアの人々が暖をとるため利用していた羽毛に着目。この羽毛を、キルトステッチを施すことで服の中に閉じ込める手法を思いつく。
以後、この製法で特許を取得したエディー・バウアー社とともにダウンジャケットは発展する。当時の製品タグにはこう書かれている。「ダウン――それは地球上で最も軽く、暖かい」。
そしてあらゆる技術が発達した21世紀の今日でも、最も暖かく軽い防寒アウターはダウンジャケットなのだ。
写真/大嶽恵一 文/星野勘太郎 編集部
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