特集・連載
Stand-in Soba (Noodle) Lovers!! Vol.50
観劇ついでにぜひ立ち寄ってほしい、歌舞伎そばの「もりかき揚げそば」【全国制覇!? 日本の立ち食いそば】
蕎麦スス流~SOBA SuSu Ryu~ 世界の蕎麦好きのみなさん、コンニチハ! ラーメンと比べて世界的には地味な存在ですが、移動中にサッと寄れて、お腹もコスパも大満足。そんな立ち食い蕎麦は江戸時代からあるニッポンが誇るべきカルチャーなんです。なにかと“東京”も注目されることですしね。ってことで、日頃のランチに観光に、世界中の人にぜひ立ち寄ってほしい蕎麦店を厳選しました。恥ずかしがらないで音を立ててソバをススろう! この記事は特集・連載「蕎麦スス流~SOBA SuSu Ryu~」#50です。
世界の蕎麦好きのみなさん、コンニチハ!
ラーメンと比べて世界的には地味な存在ですが、移動中にサッと寄れて、お腹もコスパも大満足。そんな立ち食い蕎麦は江戸時代からあるニッポンが誇るべきカルチャーなんです。2020年の大イベントを控えて“東京”も注目されることですしね。ってことで、日頃のランチに観光に、世界中の人にぜひ立ち寄ってほしい蕎麦店を厳選しました。恥ずかしがらないで音を立ててソバをススろう!
Hello fellow SOBA (Noodle) Lovers!!
Soba is not yet famous like “Ramen”, but Soba is very reasonable and fast & easy to eat.
Stand-in Soba is a Japanese culture which has long history since the Edo era (1603-1867).
Since everyone will be watching Tokyo in year 2020, so I have selected many Soba-Ya which are great places to eat and enjoy the history of Japanese Soba.Don’t be shy to make noise/sound by slurping soba (Noodles)!
Vol.50
東銀座 Higashiginza歌舞伎そば
“Kabuki Soba”
もりかき揚げそば
470円
Mori Kakiage(※1) Soba – 470 Yen
屋号のとおり歌舞伎座と縁が深く、かつては歌舞伎座の敷地内に店舗があり、観劇客以外にも開放された貴重な存在だった。また歌舞伎座建物内で蕎麦を製麺し、俳優の楽屋への出前や振る舞いなどに日常的に使われていたとのこと。2010年5月、歌舞伎座の建て替えに伴って近隣に移転。
店構えは小料理店の居抜き。8人くらい座れるカウンターのみのこぢんまりした店内。全椅子席なので、普通の蕎麦屋と考えてもよいのだが、食券制であるからこれも立ち食い蕎麦の範疇に入る(筆者・ケビン基準)。
銀座だけあってスーツをスッと着こなした紳士客多し。どことなく上品な雰囲気が漂う。
名物「もりかき揚げそば」をいただく。
■蕎麦:生めん茹でたて。注文受けてから茹でる。細すぎず太すぎず。それほど長くないので食べやすい。モチモチ感あり、香りあり。
■つゆ:出汁よし、キリッとした味わい。とてもおいしい。
■かき揚げ:揚げ置きだが頻繁に揚げている。ちぎってのせてくれるので食べやすい。サクサクとしたコロモの食感がよい。
■Soup: Nice dashi(※3) with sharp taste. Very tasty.
■Topping: They are already made, but they are made constantly. They are tared into little pieces, so very easy to eat. Tasty and crispy batter.
かき揚げを手でちぎって、丸いせいろに内接する五角形の頂点に配置してくれる。じっと見ていると五芒星が浮かんでくるようだ。この五角形はきっと何かの意味があるに違いないと想像力を掻き立ててくれる。桔梗紋だろうか。桔梗紋は源頼光流の武家の紋だったな、などと妄想が浮かんでくる。
ちなみに私はもりそばには唐辛子をかける流儀。わさびの新鮮な刺激もいいが、七味・一味のどちらかというと枯れた風合いの辛みが蕎麦の穀物香によく合うと思う。五角形の中心があれば見た目もいいんじゃないかと思うんですよ。
お店はおばちゃんお二人できりもり。蕎麦を茹でながら、天ぷらを揚げ、盛りつけ、そば湯を汲んで、八面六臂とはこのことだろうか。動きに寸分の無駄もない。無駄がない所作だから美しい。
茹でた蕎麦を冷水でしめる。水道臭さを嫌ってか、おそらく濾過水を使い分けている。ちょっとしたところに手を抜かない気配り。この店にはピンとした背筋みたいなものがあるように感じる。
インターナショナルな歌舞伎であるからには、外国人客も多い。店内にはこういった蕎麦の知識についての英文解説あり。
もともと小料理屋のつくりで狭いため、お客が入れ替わり立ち替わりをしづらいのだがお客さんも心得たもの。大らかな譲り合いの心でトラブルは皆無。
かき揚げの他には「やまかけ」がもうひとつの名物。つゆの上品さと山芋の甘み、青海苔の香り。いずれも儚い風味ながらに凸凹のないすっとしたバランス。おすすめです。
■DATA
東京都中央区銀座4-12-2
日比谷線・東銀座駅、徒歩1分
営 11:00〜18:30(ラストオーダー18:15)
休 土日祝
評価は3点 ☆☆☆
Tokyo-to Chuou-ku Ginza 4-12-2
One-minute walk from Hibiya line East Ginza station
Open hours: 11:00 – 18:30 (Last order is at 18:15)
Closed on Saturdays, Sundays, and Holidays
A Three-star Sobaya
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(※2)A traditional Japanese form of a drama, play, or theater with roots tracing back to the Edo period
(※3)Seafood broth mainly made with Katsuobushi (Bonito flakes)
Katsuobushi is dried, fermented and smoked skipjack tuna
(※4)Grated Japanese yam
情報提供・監修/ケビン(平林啓一)
オートバイに乗って900軒の立ち食い蕎麦店を探訪。最盛期には年間300軒を食べ歩く。立ち食い蕎麦チェーン店・個人経営店にかかわらず食す。また、生めん・茹でめん・冷凍めんにこだわらず、どれも大好き。