
柿渋とは、柿を搾った汁を熟成させた天然染料のこと。防水、防腐、防虫効果があることから、日本では平安時代より和紙や衣料の染色、また木の塗装などにも使われてきた。最近は革小物の染色にも用いられており、太陽の光に当たって徐々に色合いを深く変えていくさまが、エイジングレザーを愛する人たちの心をとらえている。
なかでもとびきり読者の琴線に触れるのが、「イチ」の財布だ。表革にはなんとコードバンのヌメ革を使用。ここに刷毛で柿渋を塗り、木目調の表情に仕上げているのだ。しかも内側はロウをたっぷり塗り込んだブライドル革。つまり2大革素材であるコードバン&ブランドルと、日本古来の染め技がトリプル合体した財布なわけ。どう育つか楽しみでしょ?