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一生モノのジャケットを選ぶとき、ブルックス ブラザーズの紺ブレをおいて他にあるだろうか? なかでも、「マディソン」が永世定番として支持され続けている。その偉大さを明らかにするべく、編集部はある男のもとを訪れた。
 

ブルックスブラザーズのブレザー「マディソン」
ブルックスブラザーズのブレザー「マディソン」

20代の頃に出会ったブルックスブラザーズのブレザー「マディソン」

一生モノや定番、スタンダード、名品、傑作……そんな言葉を聞くと、私の頭に真っ先に思い浮かぶのがブルックス ブラザーズのネイビーブレザーです。私は20代の頃にこの紺ブレを買ってから、ずっと大切にしてきました。

初めて購入したのは、今を遡ること30年前。ちょうど入社前に店でアルバイトをしていた時期です。当時はポロカラーシャツやシャギードッグニットを着ていたのですが、店頭に立つ先輩たちのブレザー姿が格好よくて。一生懸命アルバイト代を貯めて買いました。

手に入れたのは、ブルックス ブラザーズのスタンダードであるブレザー「マディソン」です。ただ、当時は単に『段返り3つボタン』と呼ばれていました。マディソンというモデル名が誕生したのは、2000年代になってからなのです。

さらにその頃、このモデルには自社工場で作るオウンメイク、自社以外の工場が生産する346、抑えた価格で買えるブルックスゲートの3つが存在しました。私が買ったのは、サウスウィック社の前身であるグリエコ ブラザーズ社が生産していた346でした。

3型の紺ブレラインナップも、スタンダードは「マディソン」

現在、ブルックス ブラザーズは3型の紺ブレをラインナップしています。ボックスシルエットとナチュラルショルダーが特徴の「マディソン」、ヨーロッパを意識したグローバルモデルである細身の「リージェント」、さらにスリムにアレンジされた「ミラノ」です。

とはいえ、今も昔もスタンダードはマディソン。2つボタンのモデルも存在しますが、基本は段返り3つボタン。肩パッドは薄手のナチュラルショルダーで、前身頃にダーツがないボックスシルエットは幅広い体格にフィットするという、アメリカらしい合理的な考え方に基づくものです。

また、あまり知られていませんが、袖の2つのボタンにも理由があります。これはアイビーリーガーたちの間で、『一着につきボタンは5つ』という暗黙のルールが存在したからだといわれています。

ですので、段返り3つボタンの場合は袖ボタンが2つ、2つボタンの場合は袖ボタンが3つになる。このルールは、今でも段返りモデルでのみ継承されています。

そしてよくマディソンのファンの方から「現行と昔のモデルに違いはあるのか?」と聞かれるのですが、基本的には変わりはありません。変わった点を挙げれば、2016年にラペルが若干細くなりゴージラインが少し高くなり、さらに前下がりがついたことで印象が現代的になったことです。

ちなみに現行のラペル幅は約9cmなのですが、これはポロカラーシャツの衿先の長さや、ナンバーワンストライプなどの定番ネクタイの幅とのバランスがもっともよく見えるように考えられたもの。

「マディソン」が永遠のスタンダードである理由

この、時代を経ても変わらない点こそが、マディソンフィットのブレザーが持つもっとも不思議な点でしょう。発売以来、ほとんどといっていいほどアップデートされていないにもかかわらず、今なおマディソンはメンズファッションの永遠のスタンダードに位置付けられているのです。

私は、その理由は卓越した着回し力にあると思います。世の中にジャケットは数あれど、これほど幅広い着こなしに合わせられるものは類を見ません。シャツ、ニット、スウェット、パーカ、スラックス、501、チノ、ローファー、スニーカー……むしろ合わない服を見つけるほうが難しい。

これは、ドレスとスポーツの絶妙なバランスにあると思います。今風にいえばヌケ感というのでしょうか、きちんとして見えるのに英国のブレザーのようにかっちりしすぎない。だから、着こなし方は無限大。私は今でも、マディソンに合わせる服を考えるとき、ワクワクします。

「歴史があるからよいのではなく、よいから歴史がある」

マディソンはアメトラにおける紺ブレのオリジンかつ、アイビーリーガーやエリートたちのステータスシンボルとされた服です。そういう意味で、この服にはファッションを超えた文化的な意義があるのだと思います。

お客様のなかには親子二代にわたって愛用されている方も少なくありません。成人式が近づくと、店頭ではお父様がご子息にマディソンを贈る素敵な光景を目にすることもあります。

『歴史があるからよいのではなく、よいから歴史があるのです』。これはブルックス ブラザーズの現在の会長、クラウディオ・デル・ヴェッキオが折に触れて口にする言葉です。私も大好きな言葉です。

朝、着こなしを考えるとき、クロゼットにたしかな出自を持った、合わせる服を選ばない一着の紺ブレが掛かっている。そう、これはマディソンという一生モノを所有する男ならではの特権なのです。

大平洋一さんイラスト画

大平洋一

学生時代のアルバイトを経て入社。勤続年数30年を超える、生き字引的存在だ。2018年、深い専門知識と豊富な経験で、青山店にてブランド初となるブランドアンバサダーに着任。

 

一生モノのブレザーの条件

いくら名品でも、使えなければ意味がない。その点、マディソンにはドレスからカジュアルまで対応する優れた汎用性が備わっている。

流行に左右されないアメトラ正統スタイル

ブルックスブラザーズ アメトラ正統スタイル モデル写真

ポロカラーシャツとレップストライプのタイ。これ以上間違いのないアメトラスタイルはない。ブルックスブラザーズのシャツ1万9000円、同タイ1万4000円、同チーフ5000円(以上、ブルックス ブラザーズ ジャパン) エムピーストアのパンツ1万6000円(SANYO SHOKAI カスタマーサポート) パラブーツの靴6万6000円(パラブーツ青山店)

アメカジスタイルともまさに黄金の相性

ブルックスブラザーズ アメカジスタイル モデル写真

パーカでの着崩しは紺ブレカジュアルの王道。ハリウッド ランチ マーケットのパーカ1万6000円(ハリウッド ランチ マーケット)サンディニスタのカットソー4500円(トゥー・ステップ) カブーのパンツ1万2000円(エイアンドエフ) ニューエラの帽子3800円(ニューエラ) ニューバランスの靴2万5000円(ニューバランス ジャパンお客様相談室)
 

アイビー文化が薫るディテールワーク

Brooks Brothers ブルックス ブラザーズ Madison Fit Blazer

Brooks Brothers Madison Fit Blazer
ブルックス ブラザーズ「マディソン フィットブレザー」

英国海軍の制服やケンブリッジ大学ボート部のユニフォームなど起源に諸説あるブレザーだが、アメトラブレザーの本流はこの一着だ。ボックスシルエットやナチュラルショルダーなどそのスタイルはアメトラブレザーの亀鑑。

ポケットはフラップ付きパッチポケットが基本で、胸ポケはブレザーの生地によってパッチポケット/箱ポケットの2種類がある。6万9000円(ブルックス ブラザーズ ジャパン)

 

※表示価格は税抜き


[ビギン2019年3月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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