【リーバイス】え、あの名門まで!? 今、全米が泣くほど頼る「MIJP(メイド・イン・ジャパン・プロダクト)」
「“MIJP=最高品質”と米国本社も信頼しています」
一説によると、かの有名な“全米が泣いた!”という宣伝文句は、1976年に公開された映画『エリックの青春』のPR時に使われたのが初出なんだとか。この名コピーは擦りに擦られたおかげで、今や鮮度は限りなくゼロになってしまいましたが、ことファッションに関していうと、実は今ほどドンピシャな使いどころはないんじゃないかと。
なぜってすごいんですよ。ここ数年の米国名門たちによる、日本のモノ作りに対する、泣けるほど熱い熱いラブコールが!
どうやら“MIJ(メイドインジャパン)=最高品質”ってのは、世界の共通認識になってる模様。かのリーバイスが2023年秋冬から、直球ネーミングの“メイドインジャパン”コレクションを充実させたのも、まさにその動かぬ証拠でしょう。小神野さんは言います。
リーバイ・ストラウス ジャパン PRシニアマネージャー
小神野直子さん
「昨年の秋冬シーズンに、複数のコレクションを整理して再始動することになったのですが、その際復刻ラインを除く現行ラインの最高峰、つまりリーバイスの“今”を担う存在として位置付けられたのが、このメイドインジャパンコレクションです」。
150年以上クラフツマンシップを重要視し続けてきたブランドとして、今できる最高の物作りを実践しようと思った時、米国本社が白羽の矢を立てたのは、他ならぬ日本だった。デニム製品におけるメイドインジャパンは母国アメリカからも絶大な信頼を勝ち得ているんです」
本コレクションは生地のみ日本で作られている製品と、糸の紡績段階から、染色、織布、縫製、仕上げの加工まで、オール メイドインジャパンの体制で臨んでいる製品の2種類が混在していますが、永世定番の501は後者。そのアイコニックなツーホース・マーク入りのパッチに、「501」という文字と並んで、うっすらと日の丸があしらわれているのは、いわば日本のジーンズ作りが頂点を極めた証し!
これって日本人として超誉高くありません!? 手がけるのは技術はもちろん、労働環境や自然環境への配慮を含め、リーバイスからトップクオリティとお墨付きを得た工場のみ。
日本のモノ好きが憧れる米国の名門たちが、なぜ今逆にMIJPに熱を上げているのか。この日の丸が鎮座する501に触れれば、その理由が体感できるはず!
あの501に日の丸が!
LEVI’S[リーバイス]
メイドインジャパンコレクション 80’s 501® ダークインディゴ リンス
お馴染みの赤タブではなく、青のビッグEタブが本コレクションの目印。また本コレクションにおける今季の501®は、多くのファッションアイコンから愛された80年代の501®をベースに、ユルく美しいシルエットに設計されているのが特徴。3万3000円(リーバイ・ストラウス ジャパン)
裏返すとカタカナが!!
工芸品レベルの加工ものも!
特殊加工モデルも神奈川県平塚市にある「サーブ」の工場で製作される。レーザー加工機などの最新機器を用いたり、サンディングペーパーなどで職人が手作業で加工したモデルは、超独創的。こちらは本記事紹介の501®(メイドインジャパンコレクション 80’s 501® ダークインディゴ リンス)をベースに多様な加工を駆使した、もはやアートピース。5万600円(リーバイ・ストラウス ジャパン)
川上から川下まで、オール メイド・イン・ジャパン
“生地作り”は広島県の「カイハラ」
紡績 ▶️ 染色 ▶️ 織布
ジーンズの魂とも言える生地作りを担うのは、ご存じ名門カイハラ。全工程を詳細に伝えるのは難しいが、大まかな工程は上の3つ。
まず厳選されたブレンド綿が、繊維の向きを整えながら糸として紡績される。次に完成した糸は、約600本分をロープ状に束ねた後、独自開発のロープ染色機で染められる。その後旧式シャトル織機を使い、時間をかけて織った後、毛焼きなどの整理加工を経て、晴れて本コレクション専用の白耳デニム生地が完成。
ヴィンテージのような、うねりのある風合いと、穿き込んだ時の美しい色落ちに、育成欲を掻き立てられるはず。
特製の白耳デニム
“裁断&縫製”は大分県の「サルティ大野工場」
生地の完成後は組み立てに移るが、実は現状日本で同社のジーンズを裁断&縫製できるのは、その腕が認められた「サーブ」という会社のみ。本作はその「サルティ大野工場」にて製作されている。
ここでも細かな工程は省くが、機械や職人の手で生地を裁断した後、縫製に。象徴たる尻ポケのアーキュエイトステッチや、股部分の左右の身頃を縫い合わせる“尻巻き”という工程(ジーンズ縫製の最高難易度といわれる)も、寸分の狂いなく縫われる。熟練職人による精緻な仕立ては敬礼もの!
※表示価格は税込み
[ビギン2024年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。