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HISTORY

通学に行楽に、休日のお買い物に。その名が示す通り、"一日"の活動に必要な荷物を機能的に持ち運ぶことのできるデイパックは、今では老若男女を問わず生活に欠かすことのできないアイテムである。しかし、その出自についてはあまり知られていない。じつはデイパックは、特殊なクライミング用鞄なのだ。これが日常のものとなるまでの、意外な歴史を紐解く。

デイパックは今でこそ日常使いのバッグだが、その出自は紛れもなくアウトドアだった。アイコンである菱形の革パッチ、通称〝ブタ鼻〞は、それを象徴するもの。後に解説するが、ピッケル等を掛けるのにこれを用いた。写真は1970年代のヴィンテージ品。※バッグ、ギアともに私物。

定番アイテムの基礎知識

【デイパック】

1日分の荷物の収納に適した背嚢。
クライマーのために開発され、やがて学生の定番通学鞄となった。

気軽な行楽用にスペックを抑えた鞄。デイパックの成り立ちにそんな考えを抱いていた人は、断崖絶壁に挑むクライマーたちに向けて開発されたと聞けば驚かずにはいられないだろう。デイパックがケルティの創始者、ディック・ケルティ氏によって発表されたのは、1970年頃のこと。当時の使用方法は、今日のそれとは随分異なっていた。
クライマーは最も身軽な装備で断崖の頂を目指す。そして目指すべき場所に着いてから、絶景を眺めながら自然を楽しむための食料や衣類をロープで引き上げる。このときに用いられたのが、デイパックだったのだ。バックパックといえば大きなアルミ製フレームパックが全盛だった時代。コンパクトかつ軽量なデイパックの登場は、当時のアウトドア市場に革命をもたらした。
やがて街へとそのフィールドを広げたデイパックは学生のお洒落鞄となり、今日のスタイルが確立されるのである。

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