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33大靴ブランド

英・米・仏を代表する革靴の名門を究める本特集。今なお愛される名靴はいかにして生まれ、どのように成長してきたのか? まずは100年を超えるその歴史を振り返ります。

世界でもっとも多くの木型を有する聖地ノーサンプトンの良心
Crockett & Jones

1879

Crockett & Jones チャールズ・ジョーンズ氏 ジェームズ・クロケット氏
左/クロケット氏 右/ジョーンズ氏

靴産業の聖地、英国・ノーサンプトンに、チャールズ・ジョーンズ氏とその義兄弟ジェームズ・クロケット氏がファクトリーを開設。

1890s
グッドイヤー製法のための機械を導入し、新しい工場を設立するなど事業を本格化。優れた品質は瞬く間に認知と人気を拡大させる。

1924
イギリスの靴産業における重要なポジションを築いたことで、ヨーク公(後のジョージ6世)が視察に訪れるほどに。

1927
創業当時20名ほどだった従業員は、この年には1000人を超えるほどに拡大。週に1万5000足もブーツを生産したという記録が残っている。

1960s

Crockett & Jones ラスト「224」
ラスト「224」

今も愛されるラスト「224」が誕生。’60年代中頃にその木型を採用し、内振りと小さめの踵が日本人にもよく合う「チャートシー」が発売。

 Crockett & Jones チャートシー
日本でも人気のチャートシー

1977
現社長のジョナサン・ジョーンズが、クロケット&ジョーンズのリブランディングに着手。それまで一流靴ブランドのOEMがメインだった生産体制を、自社の技術力と品質を全面に打ち出す経営にシフト。「クロケット&ジョーンズ」というブランドの認知を拡大した。

1990
高品質な革靴は海外でも評価が高く、その輸出量も英国における輸出貢献が認められ「クイーン・アワード」を受賞。

1997
英・ロンドンのジャーミンストリートに初の直営店をオープン。その後、仏・パリにも店を構えた。

2002

Crockett & Jones 靴職人のゴメス氏
靴職人のゴメス氏

名作ラスト「337」登場。パリ店オープンのときに参画したフランス人靴職人ディミトリ・ゴメス氏の名作ラストは、もっとも有名なモデル「オードリー」にも採用されている。

2012
スパイアクションの名作映画「007」シリーズの『スカイフォール』公開。ダニエル・クレイグ演じるボンドは、クロケット&ジョーンズの靴を着用していた。

矯正靴というジャンルを開拓した米国靴の象徴
Alden

1884

オールデン氏
オールデン氏

チャールズ・H・オールデン氏が、米・マサチューセッツ州のミドルボロウにブーツのカスタムメイドや紳士靴の受注生産を行うシューメーカーとして創業。

1892
生産ラインの拡張に伴い、工場をミドルボロウから同州ノースアビントンに移設。

1931
マサチューセッツ州ブロックトンに工場を移転。創業者のオールデン氏が第一線を退き、現在4代目になるターロウ家に経営が引き継がれる。

1948
ハンガリー出身の俳優ポール・ルーカスが依頼をかけ、オールデンが世界初のタッセルローファーを発表。のちにアメリカントラッドのアパレル会社にも供給することに。

1950s

Alden 職人によるモカ縫い
職人によるモカ縫い

カスタムメイドの技術を活かし、医療用の矯正靴の開発に着手。そこで得たノウハウと長年培ってきたクラフツマンシップは、履き心地のよさを支える礎となった。

1963
矯正靴をベースにしたモディファイドラストが誕生。

1970

Alden ミドルボロウの工場
ミドルボロウの工場

近代的な設備が整った工場をミドルボロウに建設。それから現在に至るまで、オールデンのシューズはこの工場で生産されている。

1980
日本でオールデンのシューズが正式に発売。最初の一足はビームスの店頭に並んだ。

1980s

Alden ピエール・フルニエ氏
ピエール・フルニエ氏

フレンチカジュアルの雄 「アナトミカ」のディレクター、ピエール・フルニエ氏がそのモディファイドラストのVチップを至極気に入ったことでますます人気に。

Alden Vチップ
Vチップを愛用

1991
株式会社ラコタが輸入総代理店に。現在では東京の青山と丸の内、大阪府中央区に直営店を構える。

2010
アメリカのファッションデザイナー、トム・ブラウン氏がプライベートでバリーラストの一足を愛用していることで人気が加速。ちなみに、バリーラストは工場内で最も多くストックされている木型とか。

「パラブーツを履いて一人前」と言われる仏の国民靴
Paraboot

1908

リシャール氏
リシャール氏

靴用皮革の裁断師レミー・アレクシス・リシャール氏がフランス中東部の村イゾーにて、企業経営者や軍関係者、登山家などを顧客とするオーダーメイド靴の工房開設。2年後にリシャール・ポンヴェール社を設立。

1920
労働者向け編み上げブーツ「ガリビエ」を発売。2年後、その名称を商標登録する。

1927

Paraboot ブランド名は「パラ港」から
ブランド名は「パラ港」から

前年に渡米したレミー氏がゴム素材でできたブーツを発見。原料であるアマゾン産天然ラテックスをブラジル・パラ港から直輸入し、ラバーソールブーツの生産を開始した。同港にちなんでブランド名は「パラブーツ」と命名。

1937

チロリアンの代名詞「モジーン」
チロリアンの代名詞

2代目ジュリアン・リシャール・ポンヴェール氏が、建設労働者や測量士などの技術者向けにチロリアンシューズをベースにした「モジーン」を発売。

1945
ワーカー向けの「モジーン」をより洗練させた「ミカエル」を発売。モデル名はジュリアン氏の息子でのちの3代目ミッシェル氏の名をラテン語読みしたもの。

1960s
「ガリビエ」を登山やスキー、その後のアフターシューズのブランドとして再興。

1983
’80年代前半に経営危機に陥るも、イタリアの大手アパレル会社が「ミカエル」に着目し、イタリアで大ヒット。のちにメゾンブランドH社が「ミカエル」をコレクションに加えたことで世界的にもヒットし、リシャール・ポンヴェール社の経営は好転した。

1987
Uチップの傑作「シャンボード」が誕生。

2001
東京・南青山の骨董通りに日本初となるオンリーショップがオープン。

2017

Paraboot 最新の工場
最新の工場

イゾーとフュールの2工場を閉鎖し、イゾーの南東に位置するサン・ジャン・ド・モワランに全業務を集約。ハンドメイドインフランスを貫き、現在に至る。
 
※表示価格は税抜き


[ビギン2019年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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