【70〜90s復刻】個性派クォーツを狙え! 手の届くレトロ時計傑作たち
【令和の再興傑作図鑑】
昭和100年の節目にあたる2025年。それとは関係ないと思われますが、巷では昭和レトロとか平成レトロとか、昔のアレやコレに再びスポットライトが。同様のブームはファッションの周りでも起こっており、あの頃に流行した傑作が続々とリバイバルしているんです!
リバイバルがメインストリームの時計は何を選べばイイの?
クセのあるデザイン&手が届く価格帯な70-90sクォーツを狙えッ!
時計はリバイバルがずっとメインストリーム。とはいえ高級ブランドの機械式だとお値段高過ぎて手が出しづらくないですか? その点70〜90年代のクォーツの復刻なら、パンチの効いたデザインをリーズナブルに購入可能。オススメのモデルをライターの吉田氏に解説してもらいましょう。
時計通ライター吉田さんが“買い”説
ファッションとの絡みで語れることを強みに多数のメディアで時計の記事を執筆。本誌とも長年の付き合い。自身はアンティーク好き。
「個性派リバイバルが欲しいならこの時代のクォーツは鉄板です」
自らの輝かしい歴史のアピールにも繋がるからでしょう。今や新作時計の大半が、過去作の復刻やリブートといった状況です。往年の傑作を気兼ねなく着けたい人には喜ばしい状況ですが、近年の時計価格は爆上がり。
ならば70〜90年代クォーツの復刻に目を向けよ、というビギンの主張は面白いと思います。この時代は機械式が本格復権を果たす前で、クォーツに圧倒的に勢いがあり、機能的にも意匠的にも時代の先端を突っ走った傑作がゴロゴロだからです。
それらのうち、とくにビギン読者へのおすすめを見繕ってみました。まず70年代からは、アメリカが生んだLEDウォッチの名作を2本選出。SF映画の小道具のようなデザイン、今見ても斬新と思いません? こんなにブッ飛んでるのに、ともに当時のセレブにステータスとして愛されたという話もソソるポイントです。
続く80年代は、多機能デジタルが台頭した時代。その代表格2本の初代復刻を選出しました。なおビギンは90年代後半のGショックブームの頃、レアなGも散々紹介しましたが、初号機D W−5000Cは常に別格の人気。元祖はオーラが違うんですよね。それはアイアンマンも然り。ちなみにコッチは日本企画として復刻されたもので、海外でも大人気とか。
そして90年代は……やっぱりスウォッチを挙げないわけにいきません。時計がファッションやアートであることを教えてくれた偉大な存在ですから。紹介したのはその時代にビギンの表紙を飾ったネオンカラーのクロノの復刻版。90sカルチャーを象徴する底抜けにポップな配色は装いのハズしに絶好で、ダークな服が多くなる秋冬は差し色としても重宝しそうです。
1991年ビギンでもドカンと表紙に
いずれにしろ、無理して買った復刻時計を背伸びして使い回すより、こういう手の届く名作を取っ替え引っ替えしたほうがオシャレに見えるもの。とくに服好きの読者なら、そっちのほうが断然楽しい毎日が送れると思いますよ。
70s
HAMILTON[ハミルトン]
PSR 74
世界初のLEDウォッチとして1970年に誕生した「ハミルトン パルサー」。その74年モデルを復刻。26 × 31mm。SSケース。13万8600円(ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン)
70s
BULOVA[ブローバ]
COMPUTRON 97C110
1976年誕生「コンピュートロン」の復刻。時計下部に斜めに表示を配したサイドビューデザインは、運転時の視認性を意識したもの。31 × 40.3mm。SSケース。4万4000円(ブローバ相談室)
80s
G-SHOCK[Gショック]
DW-5000R
1983年誕生の初号機DW-5000Cを、バンドのディンプル形状に到るまで、G-SHOCKのマザー工場「山形カシオ」で忠実再現。48.9 × 42.3mm。3万3000円(カシオ計算機 お客様相談室)
80s
TIMEX[タイメックス]
IRONMAN-8LAP
1986年に発売されるや、初年度に40万本も売り上げた伝説的スポーツウォッチの完全復刻作。なんと当時デザインと設計を手掛けた方が監修している。幅39mm。1万4960円(ウエニ貿易)
90s
SWATCH[スウォッチ]
NEON FLASH
90年代のFRASH ARROWにインスパイアされた新作。透明なマットグリーンケースとネオンカラーの文字盤が、いかにも90S! 径42mm。1万9800円(スウォッチ グループ ジャパン)
機械式が諦められない方は……
雰囲気ムンムンな本格派が7万円台で買えるって!?
SEIKO PRESAGE[セイコー プレザージュ]
Style60’s SARY265
旬度満点なアイスグリーン文字盤を装着した今作は、セイコーのヴィンテージスタイルを現代の感性と最新技術で表現したシリーズの1本。なんとこの値段でシースルーバック仕様です。自動巻き。径39.5mm。SSケース。7万3700円(セイコーウオッチお客様相談室)
※表示価格は税込み
[ビギン2025年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。