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世界一わかりやすい!ナナミカの”光電子ダウン”講座~光電子編~

普遍的なデザインに、日常生活に利く機能を忍ばせた真のベーシックを十八番とするナナミカ。その中身至上主義ともいえる製品哲学を象徴するアイテムのひとつが、ゴアテックス素材に光電子ダウンを封入したアウターたちです。フツーのダウン製品と異なるのは、 “光電子セラミックスを混ぜた化繊わた”と“世界一クリーンなダウン”をMIXした“光電子ダウン”を採用しているところ。※ちなみに世界一とは、世界最高基準の清浄度2000mm(新毛)を誇っているから。

ゴアテックス ショート ダウン ジャケット/8万8000円。

おかげでダウンの要でもあるロフト(膨らみ)は、長年着込んでもフッカフカなまま! でいて体温(身体から放出される遠赤外線エネルギー)を輻射し、“加温”ではなく“保温”効果をもたらしてくれるため、衣服内が暑くなりすぎず、いつでもどこでも心地いい暖かさをキープしてくれる! な〜んていいこと尽くめなんですが、これって外見じゃわからないですよね? ってことで、本企画ではそんな“ナナミカのナカミ”=“光電子ダウンの実力”を徹底解明!!!

前編では“そもそも光電子って何なの?”を解明すべく、光電子の生みの親を直撃取材。ナナミカの舵取りを担うディビジョンディレクター・野村さんとの対談を通して、光電子はどういう経緯で誕生し、どのような効果があり、どうやってファッションと結びつくに至ったかについて徹底的にお伺いしました!

世界一わかりやすい!ナナミカの”光電子ダウン”講座~河田フェザー編~はコチラからご覧ください。

【REASON】
どこよりもわかりやすく
光電子がモノすごい理由を解説!

(左)菊田さん/1951年生まれ。育英工業高等専門学校(現・サレジオ高専)の印刷工学科を卒業後、シルクスクリーンに魅了され、印刷の世界に。その後培ってきた理化学の知識を活かし、都内のバス用品の専門店に入社。そして、さまざまな縁が重なり1986年に現在勤めるファーベストの母体である、株式会社福谷に転職する。当時新設された事業開発室に配属されて以来、遠赤外線ひと筋。92年には光電子を商標登録し、95年には光電子フィラメント(繊維)の開発に成功。98年に遠赤外線放射素材の特許を、日本を含む世界13か国で取得して以降、多様な光電子製品を開発してきた、光電子の生みの親にして育ての親。(右) 野村さん/1971年生まれ。小中高大と野球ひと筋だったが、大学時代にアウトドアへと開眼し、93年にゴールドウインに入社。アウトドア事業部(当時)に配属され、ザ・ノース・フェイスやヘリーハンセンのセールスを務めることに。その後川上から製品作りに携わる企画職へと志願し、縁あって2003年にグループ会社のナナミカに。ODMなどに携わり、2010年頃からザ・ノース・フェイス パープルレーベルの企画を担い、2020年からはナナミカのディビジョンディレクターに就任。以降同ブランドの舵取りを一手に担う。

―――早速なのですが、そもそも“光電子”とはどういったものなのでしょうか?

菊田さん(以下敬称略):すごく大まかに言うと、“遠赤外線の効果で心地いい温かさをキープできる高機能素材”のことです。光電子は非常に微細な粉末で、加工次第でさまざまな素材へと形を変えることができます。繊維に練り込んで糸に紡績することもできるし、ナナミカのアウターにも使われているように、ダウンに絡めることもできる。ただどのような形態になっても効果は同じ。
私たちの身体から出る遠赤外線(体温)を吸収し、それを輻射(ふくしゃ)してくれる。つまり“加温”ではなく“保温”してくれるというのが、代表的な効能です。あくまで体温が熱源になっているので、暑すぎず自然な温度をキープしてくれるのが特徴ですね。

―――なるほど。では次に光電子はいつ、どういった経緯で開発されたのでしょうか?

菊田:実はもともと弊社「ファーベスト」は、1885年に創業し、主に砂糖の製造&卸売業を営んでいる株式会社「福谷」という会社の新事業部としてスタートしたんです。砂糖というのは数え切れないほど多くの製品に使われているため、取り引き先企業の数も膨大。そのなかのひとつに、アジの開きなどを作る、ある食品加工会社さんがいらっしゃって、そこで遠赤外線を利用した干物の存在を知ったんです。この遠赤干物は、内側から均一に熱が加わり、短時間で乾燥できるため、味も鮮度もよく、骨も身も皮もほぐれやすい。
それからファーベストでは、遠赤効果を発揮するセラミックスの粉をプラスチックに練り込み、それを壁面にした、いわば遠赤乾燥庫を販売することに。すると今度はその遠赤乾燥庫を知ったある商社さんが、その技術を衣類に転用できたら面白いんじゃないかとアドバイスをくださって、実際にトライしてみることになったんです。

野村さん(以下敬称略):出発点が干物作りだったとは驚きですね!

菊田:それがまだファーベストが設立した1989年頃のことだったんですが、その当時はまだ今よりも手に入るセラミックスが大きくて、とても衣類用の繊維なんかに練り込めるものじゃありませんでした。ところがタイミングよくこの頃からセラミックスが徐々に微細になっていったんです。というのも、セラミックスはパソコンなどの脳みそである“CPU”の基盤に使われていました。そのため米国の先進機器メーカーが、こぞってCPUを小型化するため、セラミックスの小型化にも着手していた。その恩恵に預かる形で、我々が日本で入手できるセラミックスの大きさも、みるみる小さくなっていったんです。

野村:もしかしてこの試験管のなかに入っているのが光電子の基になるセラミックスですか!?

菊田:おっしゃる通りです。現在ではもうナノレベルの細かい粒子になっています。タバコの煙が大体0.5ミクロンとされているんですが、このセラミックスは300ナノメートル。大体タバコの煙の半分くらいの大きさまで細かくなっているんです。ただ誤解していただきたくないのは、光電子は単一のセラミックスでできているわけではないということ。
そもそも金属が酸化すると、遠赤効果を発揮するセラミックスという物質に変わるのですが、セラミックス化できる金属の数はとても多い。しかもその特性はひとつひとつ異なります。そこで、体温域で最大限かつ安定した遠赤効果が得られるように、“複数のセラミックスを掛け合わせて、ベストな配合率を導き出したものが光電子”というわけです。

―――複数の粉末を混ぜ合わせて作るなんて、なんだかカレーみたいですね(笑)。

菊田:おっしゃる通り(笑)。光電子もまさに理想の味を追い求めてスパイスをミックスするカレーのように、セラミックスを掛け合わせたもの。ですが正直に言うと完成したのは運の力も大きかったように思います。

野村:運ですか!?

菊田:はい。じつはファーベストに入社してすぐ、理想の配合率を求めていろいろな種類のセラミックスを、ひとつひとつ掛け合わせてプラスチック板に練り込み、遠赤効果を計測する実験を繰り返すことになったんです。あらゆるセラミックスの組み合わせを、じつに2年ほど黙々と繰り返し試していました。

野村:2年もお一人で! それはかなりハードな作業ですね(苦笑)。

菊田:大変でしたね(笑)。心が折れかけていたある日、日頃お世話になっていたある技術者の方が、“セラミックス”と“ある物質”を混ぜ合わせて作られたフライパンで卵焼きを作っているところに出くわしたんです。“この物質を混ぜると遠赤効果が安定して焦げつきにくくなるんだよ”と教えてもらって、実際に食べてみたらそれがすごく美味しくて。これはもしかして!と思い立って、その物質と、自分が導きだした配合のセラミックスを混ぜ合わせてみたんです。するとより効果が高まったうえに、安定性もグッと増した。
じつは100度くらいの高温ならば、大抵のセラミックスが遠赤効果をしっかり発揮してくれるんですが、衣類に転用しようと思うと、体温域で遠赤効果を発揮しなければならない。言い換えるなら、弱い熱量でも安定した遠赤効果を発揮させるようにブレンドしなければならなかったんです。そこでこの“ある物質”が最後のピースとしてハマりました。

野村:すごい! 隠し味に秘密のスパイスを入れることにしたわけですね。でもそれは決して運ではなく、菊田さんの2年間の涙ぐましい努力があってこそ出会えた、ご褒美のようなものではないでしょうかね。

菊田:そうおっしゃっていただけると、あの辛かった日々も報われます(笑)。

【FUNCTION】
加温ではなく保温
光電子の機能について

―――光電子のエピソード0についてお伺いしたところで、次に具体的な機能についても教えていただきたいのですが。

菊田:まず前述の通り、肌から放出される熱を吸収して肌へと輻射する遠赤外線効果によって、自然な温かさをキープする「保温」が基本の機能です。

野村:市場によく出回っている温かさを売りにした肌着などは、大抵汗を吸ったりするとどんどん加温されちゃって、暑くなりすぎるものも少なくない。その点光電子製品にはそうした不快感がないということですね。

菊田:おっしゃる通りです。さらには血行促進効果があることも判明しているのですが、それに付随して、やすらぎ・くつろぎをもたらす「リラクセーションサポート」や、質の高い睡眠環境を後押しする「睡眠環境サポート」といった機能も有しています。

(右から)光電子ポケットTシャツ/1万6500円。光電子タートルネックロングスリーブTシャツ2万900円。光電子ロングスリーブポケットTシャツ1万9800円。

―――すごい! 夢のような素材ですね!

野村:だからこそナナミカでは、光電子ダウンを用いたアウターだけではなく、光電子ポリエステルを使用したカットソー類もラインナップしています。こうした遠赤効果を手軽に得られる製品は、“ベーシック×機能”を得意とするナナミカには欠かせないアイテムなんです。

菊田:これも先ほど言ったことと重複してしまうのですが、さまざまな素材に形を変えられるのも光電子の魅力のひとつ。野村さんのような方々に、我々も大いに学ばせていただいています。これからも光電子の可能性を広げて期待にお応えできるよう、研究を続けていきたいと思います。

【FASHION】
ファッションに光電子を
取り入れる真意について

―――光電子をナナミカで取り入れることになった理由を教えていただけますか?

野村:じつはまだゴールドウインに勤めていたとき、すでに光電子の魅力に触れる機会があったんです。たしか1998年頃だったと思うんですが、僕がアウトドア事業部でザ・ノース・フェイスなどのセールスを担当していたとき、光電子繊維が採用された肌着を試着させていただいたんです。

菊田:市販されていないプロトタイプですね。ゴールドウインさんに光電子の魅力をお伝えするために作って持ち込んだものなのですが、まさかあの試作品をテストしていただいたのが野村さんだったとは! なんだか縁を感じます。

野村:僕もです。実際に自分が実験台になって光電子製の肌着を着たからこそ、身をもってその威力を体感できた。光電子ダウンが入った布団なんかも購入させていただいたんですが、いざ寝てみたら本当に身体がポッカポカになったのを覚えています。年月を経て、いざ自分が携わるナナミカでダウンを作ろうとなったとき、絶対に光電子の力が役立つと思ったんです。
光電子ダウンなら、目一杯詰めなくても、“パンパンに羽毛が詰まった普通のダウンジャケットと同等の温かさ”を保ってくれる。だからブクブクにならず、スマートなシルエットのままダウン製品を作ることができるなと。これはアウトドアでも活きる機能をタウンユース向きのベーシックアイテムに取り入れるナナミカとしては、まさに願ったり叶ったりの利点。光電子ダウンは“ナナミカにとってこれ以上ないほどベストな中わた”だったんです。



菊田:たしかにナナミカさんの製品は、素人目ながらどれもすごく美しく見えます。そこに光電子ダウンがすこしでも役に立てたなら光栄ですね。

野村:むしろ光電子ダウンさまさまです(笑)。どのアウターも防水透湿性に優れるゴアテックス素材との相乗効果で、都市生活でリアルに役立つ自信作に仕上がりました。

菊田:われわれは光電子は作れても、多くの人が着たいと思う服を作るのは難しい。野村さんたちのようなファッションのプロと一緒に物作りができると刺激になります。

野村:約25年前に出会って、今また光電子の力をお借りできるのも、菊田さんをはじめ研究されてきた方々のご尽力があってこそ。これからも益々のご協力何卒よろしくお願いいたします!

【PRODUCTS】
一生着続けられる
光電子ダウン3兄弟をCHECK!

最後は、実際に光電子ダウンを使ったBEST3アウターを野村さんの解説を交えて紹介します。

表地に“2L Polyester GORE-TEX Fabrics”を使用することで、光電子ダウン特有の保温効果に加えて防水透湿性能まで発揮してくれるのは、3型とも共通。「前シーズンまではフーデッドタイプを2型展開していたのですが、もう少しフットワークの軽いスタンドカラーのブルゾンタイプもバリエーションに加えようと。前立て裏にファスナー付きのセキュリティポケットを備えるなど、日常生活に利くギミックもさりげなく盛り込んでいます」。8万8000円。

合わせるアイテムも着用するシーンも問わない汎用性の高さが自慢のミドル丈のダウンコート。「ベーシックに見えますが、片手でもボタンが留められるようにフロントをワンハンドスナップ仕様に設計していたり、左腕にミリタリーのエッセンスを落とし込んだファスナーポケットを備えたりと、ユニークな見映えと実用性を両立させるギミックをしっかり落とし込んでいます」。9万9000円。

厳寒期も臆せず外出できるロング丈のダウンコート。「膝上まですっぽり覆ってくれる今作は、ある意味光電子ダウンの効能をもっとも味わえるモデルかもしれません。USアーミーの名作M-1951モッズパーカをデザインベースにしていますが、シーンレスで羽織れるように、できるだけミニマルな外観に仕上げています。内側にはマフラーや手袋などの収納にも適した大型ポケットも備えているので、両手フリーで外出したい方にもおすすめです」。11万8800円。

問い合わせ先/ナナミカ 代官山☎03-5728-6550 公式インスタグラム 公式ホームページ
写真/松島星太 文/黒澤正人 イラスト/新地健郎 デザイン/山田 亮 編集/増井友則(Begin)

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