特集・連載
スマートウォッチ界の2大巨頭、今買うならスントか、 ガーミンか
センスがエグい腕時計ガイド ビギンは考えました。センスがいい人は、腕時計選びの背景にも光るものがあるはずだ。時計との巡りあわせは、時にその人の生き様までも垣間見えるのです。だからこそ、えげつないセンスを感じさせる愛機の選び方を知りたい! 時計は、持ち主の味(センス)が現れるものだから。 この記事は特集・連載「センスがエグい腕時計ガイド」#23です。
アクティブ派が憧れる2大スマートウォッチ、一体どちらを買えばいいの?その結論を探るべく、業界からも一目置かれるアウトドア派のお三方に、両社の最新ハイスペ作を手に本音トークしてもらいました。今選ぶならどっちだ!?
本音トークしてくださったのはこの方たち
左/ムロフィス 嶋田哲也さん 中/フリーランスPR 佐竹 彩さん 右/ライター&アスリート 礒村真介さん
ムロフィス
嶋田哲也さん
アウトドア&ファッションに強いPRオフィスで辣腕をふるう。トレイルランや自転車など、業界きってのエンデュランスプレーヤー。
フリーランスPR
佐竹 彩さん
セレクトショップのPRを経て、アウトドアに強いフリーランスとして独立。冬山のテン泊やサーフィンなど、かなりのアクティブ派。
ライター&アスリート
礒村真介さん
元ビギン編集で、在職時代はスントのページなどを手掛ける。トレイルランでは海外の大会で入賞するなど、アスリートとしての顔も。
待望のソーラー充電に対応 スントか、
ミルスペックモデルが話題 ガーミンか
佐竹 ほとんどスントかガーミンなんです。周りの男性が使っているのが。どうしてなんでしょう。
嶋田 ウェルネスに興味がある、アクティビティが好き、という人は、この手のガチな高機能ウォッチをヘビーユースしていますよね。まずはGPS内蔵でアクティビティのログが取れるという点が第一。
磯村 防水性や耐衝撃性が高いから、他のスマートウォッチと比べて気兼ねなく使えますしね。
佐竹 中でもこの2社は、それぞれどんな特徴があるんですか?
1936年、フィンランドの冒険家トーマス・ヴォホロネンによって創設。そのためランニングや自転車よりも登山やトレイルラン、スキーなどのアウトドアアクティビティシーンで愛用者が多い。
1989年アメリカにて創業。元々はBtoBのGPS機器からスタートし、現在フィットネス市場においてコンシューマー向け時計が大人気。またGPSを使用したアクティビティの計測精度は業界一との噂。
磯村 陸空海のGPS機器製造からスタートしたのがガーミンで、野外向けコンパスやダイビング計器で礎を築いたのがスント。それがデザインの傾向にも現れていて。
嶋田 ただ、今回の最新モデルは両雄ともその流れとは少し違う顔つきですね。スントは前作「9ピーク」以降、普段から着用できそうなシンプルフェイスになった。でもいい塩梅でアウトドア感もあって、ベルトとかカラフルだし。
買い替えのタイミングだったのでリアルに買っちゃいそう
嶋田さん
磯村 唯一、非接触のキャッシュレス決済には未対応なんですよね。その点、ガーミン派はSuica機能も使えるニューモデルに買い替えているファンが多いです。
佐竹 近所のランニングでいちいちスマホを持ち歩くのって少し億劫だから、それは便利かも!
嶋田 僕はその手の機能はスマートフォンなりICカードなりに分散させて管理したいタイプだから、スント派になるかなぁ。
佐竹 女子的にも、スントのシンプルさは好ましいです。
磯村 かれこれ15年ほどスントを使い続けていますが、最初はアウトドア感満載のボリュームあるデザインに惹かれたんですよね。その点、このガーミンの新作のデザインはいい意味で驚きでした。
佐竹 ミリタリーに振ってますね。
サーフィンや釣りのときにさりげなく使いこなしたい
佐竹さん
磯村 今まではスポーツウォッチ顔が主流だったので、ついに無骨なガーミンが、リアルプライス帯でリリースされたぞ!っていう。
嶋田 暗視ビジョン、下降ナビ、弾道計算……機能が尋常じゃない。
磯村 トム・クルーズレベルじゃないと、インポッシブル(笑)。でもその本気っぷりもソソります。
嶋田 ガーミンは前からですが、スントはこの新作からソーラー充電対応なんだ! 凄い。
磯村 スマートウォッチは心拍数や血中酸素濃度を計測して、睡眠スコアや疲労度合いを可視化してくれるじゃないですか。だからずっと身に着けたまま駆動し続けるというのは、まさに欲しい機能。
ソーラー充電に対応したのはガチ勢にとっては大きい
磯村さん
佐竹 旅行や宿泊を伴うアウトドアアクティビティで、充電ケーブルから解放されるのは嬉しいです。
嶋田 ソフトウェアはオンラインで都度アップデートされるからこそ、重視したいのはハード面。ソーラー充電が備わって、両メーカーとも現時点での完成形に近い!?
佐竹 ガーミンはスポーツ系SNSの最大手ストラバとの連携が高くって、万が一の事故を感知して緊急連絡先に通知が届くシステムと聞きました。時間や現在地を見るだけならスマホでも十分。そこから一歩踏み込んでハイスペックなスマートウォッチを手にするなら、この手の専門性の高いメーカーを選ぶ方が絶対にアガりそう!
嶋田 両社とも現行世代の完成度がとても高いから、スントかガーミンかで迷っておけば間違いない。あとはデザインの好みで!
SUUNTO[スント]
スント バーティカル チタニウムソーラー
山でのアドベンチャーを想定し、大画面&ソーラー充電対応へと進化したハイエンドモデル。オリジナルコンパスのデザインをモチーフにしたフェイスで、これまた進化したナビ機能を活用できる。チタンケース。径49mm。74g。100m防水。11万9790円(スント)
GARMIN[ガーミン]
インスティンクト 2X デュアルパワー タクティカルエディション
光学式心拍計やストレスレベル等の測定といったお馴染みの機能と、ソーラー充電、ミルスペック準拠の頑丈さを持つアウトドア向けモデル「インスティンクト 2X」。そのミリタリー機能搭載版。繊維強化ポリマーケース。径50mm。67g。7万5900円(ガーミン)
※表示価格は税込み
[ビギン2023年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。