特集・連載
「ヴィンテージな味とデイリーに使える信頼感を両立した“端境期”モデル」ロレックス
センスがエグい腕時計ガイド ビギンは考えました。センスがいい人は、腕時計選びの背景にも光るものがあるはずだ。時計との巡りあわせは、時にその人の生き様までも垣間見えるのです。だからこそ、えげつないセンスを感じさせる愛機の選び方を知りたい! 時計は、持ち主の味(センス)が現れるものだから。 この記事は特集・連載「センスがエグい腕時計ガイド」#03です。
コロン 小峰明彦さんの俺的名作時計
【ロレックス】シードゥエラー
ヴィンテージロレックスの佇まいは好みなんですが、昔のプラスチック風防は傷がつきやすく、扱いにも気を使う。そこでやっぱりサファイア風防のモデルにしようかなと考えていたところ、10年前にこのモデルに出会いました。
1983年頃に製造されたもので、リファレンスは「16660」、通称トリプル・シックスの初期モデルです。このモデルからシードゥエラーは第2世代となり、風防がプラからサファイアとなって、防水性能も第1世代より倍の1220mとなっています。
でもこの2年後に出た後期モデルと違ってインデックスに縁取りがなく、夜光塗料もまだトリチウムが使われている。だからインデックスが変色していて、文字盤全体にヴィンテージな味わいがある。進化の端境期ならではのモデルですね。
こういうのをロレックスファンはセミヴィンテージと呼ぶみたいですね。味のある文字盤とサファイア風防の安心感が合体したこのモデルこそ、自分が望んでいたものと即購入。
以来、ずっとエースとして活躍しています。40mmというサイズ感や、この時代特有のマットなSSの風合いにより、いろんな服に合わせやすいんですよね。
ちなみに、このシードをしていてセンスがいいと褒められたことはほとんどありません。ごくたまに食いついてくるのは、かなりの時計好きだけ。ちょっと残念ですが、それだけ僕のスタイルに自然に溶け込んでいるんだなぁと、いいように解釈しています(笑)。
- 1967年にサブを超える大深度モデルとして誕生
- 飽和潜水用のヘリウムガス排出バルブを装備
- 防水3900mのディープシーは派生モデル
製造年数が短く、年々状態のいい個体が見つけにくくなっているRef.16660の初期モデル。現行の43mm径と比べると40mmとコンパクトで、ケースやベゼルがキラキラし過ぎていないところもお気に入り。サブと似ているが、シードゥエラーにはサイクロップレンズは未搭載など細かな違いが挙げられる。
安心のサファイア風防ながら顔立ちはヴィンテージ!
コロン ディレクター
小峰明彦さん
1964年生まれ。数多くのブランドをヒットさせてきた敏腕。2022年よりシャツ&パンツブランド「コロン」のディレクターに就任。
[おいしい時計選びの極意]自己満足の世界をとことん追求
[ビギン2023年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。