特集・連載
普段使いの2.0家具は転生したら「お洒落インテリア」だった件
未来予想図鑑 今回考えるのは「未来」。未曾有のパンデミックもそう、それに伴うステイホーム需要、さらには働き方の改革も合わさって多くのモノがあふれかえっているけれど、実際に必要なのはなんなのよ~!?って迷うじゃん? だから、時代の流行や風潮に流されず、これから本当に必要なものを探るってのが本企画の命題。オールジャンルにて、自信を持って紹介します。 この記事は特集・連載「未来予想図鑑」#17です。
エコをひけらかさない品性こそ廃センスの鍵!
これまでも廃材を用いた家具というのは存在していて、エコ意識の高まりとともに一大ジャンルを築いてはいました。でも、思い浮かぶモノといえば、傷が目立ったり塗装が剥げていたりと、古さを楽しむものが主流──。ここに最近、変化が生まれているのです!
「トレンドは廃棄物を加工して原料として使用、別の価値を与えて循環させる“アップサイクル”。名門ブランドも、当然のようにこの取り組みを行っています」とは、インテリアに精通するフリーPR勝山さんの談。
さらに、先端をいくそれは「これみよがしでない」点で共通。リサイクル素材の味を生かしつつ、あえて強調しない品性がセンスの要なのです。
そんな基準を満たす、いいネ!転生プロダクトが上写真の5つ(チェア、フラワーベース、食器、ペンシル、デスク)。何の廃材がどれに転生したか、わかります?
写真は元の素材。それがどう転生したのか……わかるかなぁ?(笑)。
実はね……という奥ゆかしさも、持つ喜びにつながります
フリー PR
勝山龍一さん
インテリア好き御用達、アクメ ファニチャー&ジャーナル スタンダード ファニチャーのプレスを経て独立。部屋作りに並々ならぬこだわりを持つ一方、キャンプにも精通する。
1.デニムをリサイクル
元々はデニムの端切れでしたが……
転生するとデスクに!
abode[アボード]
デニムデスク
エドウインのジーンズの製造過程で生じる端布を、反毛という技術で綿状に加工。ボード状にしてリサイクルした、正真正銘のデニムデスク。意外やシンプルモダンな顔ゆえ、部屋のテイストを選ばないのもポイント高し。W62×H60×D40cm。5万2140円(アボード)
2.カプセルをリサイクル
元々はコーヒーカプセルでしたが……
転生するとペンシルに!
CARAN d’ACHE[カランダッシュ]
カランダッシュ+ネスプレッソフィックスペンシル2mm
ネスプレッソの使用済みアルミカプセルをリサイクル。定番のいわゆる芯ホルダーに仕立てた一本は、芯にもカプセルから回収したコーヒーかすを25%配合。とことんエコに配慮しつつも押しつけがましさがない、まさに廃センスの鑑なり。7700円(カランダッシュ)
3.プラスチックをリサイクル
元々はプラスチックでしたが……
転生するとチェアに!
Maximum[マキシマム]
グラヴェネ
産業廃棄物のプラスチック粉を再利用。二度とゴミにならないようにとの願いを込めて、ハンドメイドで命が吹き込まれた仏発の椅子は、カンヌ映画祭のラウンジや、COP21の会議にも使われた実績あり。W415×H825×SH460mm。5万3900円(ダコタプラネッツ)
4.ガラスをリサイクル
元々はガラスでしたが……
転生するとフラワーベースに!
iittala[イッタラ]
アルヴァ・アアルト コレクション ベース 160mm リサイクルエディション
1936年に発表、翌年のパリ万博にも出品された傑作ガラスベースを、リサイクルガラスで。この製品は、今なお昔ながらの手吹きによって製作される。原料のガラス次第で多彩な色合いが生まれるのも見どころだ。約W(最大)195×H160mm。2万9700円(イッタラ)
5.コーヒーかすをリサイクル
元々はコーヒーかすでしたが……
転生すると食器に!
KAFFEEFORM.[カフェフォルム]
カプチーノ カップ&ソーサー
廃棄されるコーヒー抽出かすを再利用、生分解性ポリマーとともに成形してカップ&ソーサーにした、輪廻転生を地で行く一品。まんまコーヒーの色ってのもさること、イイ香りがするのもオツでしょ? カップΦ95×W115×H58mm。セット価格4180円(スペースジョイ)
おうち時間が増えたこともあって、コーヒーそのものの需要が高まっている昨今。コーヒーかすの有効活用法も注目され、観葉植物の肥料にしたり、乾燥させて脱臭剤として用いるなど、部屋作りに活用している人も多い。“入浴剤”にする秘技もあるとか。
お気づきですか? これらが“ハイ(廃)センス”だということを!
※表示価格は税込み
[ビギン2022年3月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。