特集・連載
わかってるな~って一目置かれたい! 即ツウぶれる♡セレクト注目の掘り出しモノ
ブランド大研究2021 恒例「ブランド大研究」今年も開催! いつの時代でも揺るがない“ブランドの力オーラ=絶大な安心感”を持つ名作を、「なぜ便利?」「なにがすごい?」「比べてみて……」etc.とあらゆる角度で検証、“使える!!”をわかりやすく解説します。知られざる隠れ傑作から希少なレアモノまで、もれなく紹介。情報過多に惑わされずココから選んで、“買ってよかった~♡”を実感ください! この記事は特集・連載「ブランド大研究2021」#33です。
王道からあえてハズしたツウ好みなモノに手を出したくなるのは、服好きの性。たとえばセレクトだから掘り出せた下記のラインナップなら、わかってるヤツになれる! 名物マンがツウポイントを解説♪
米国の“ワークマン”をいち早く先取り!
ジャーナル スタンダード MD
溝口拓磨さん
「たとえるなら日本の“ワークマン”的存在でしょうか。キーは1908年に創業、高クオリティ&低価格を両立したワークウェアが受け、アメリカの国民的ブランドとして愛される老舗です」。
「でも日本では並行輸入や古着でしか流通しておらず、その実力の割にあまり知られていない穴場ブランド。’21秋の日本本格上陸を待たずして買える今作が狙い目です」。
「古着でもタマ数の少ない’50年代のアーカイブをベースに、ブランドを象徴するダック素材やディテール、当時のサイズまで忠実に再現。いい意味で野暮ったいルーズなサイズ感、ぜひ今っぽく着こなしていただきたい♪」。
懐中時計のチェーンを引っ掛けるためのボタン穴
「ちなみに余分にあるボタン穴は、ワーカーが懐中時計のチェーンを引っ掛けるために作られた’50年代以前の仕様。ワークブランドならではの細かい芸当にもグッとくるでしょ?」
KEY×JOURNAL STANDARD[キー×ジャーナル スタンダード]
カバーオール
今秋より日本展開を開始するキーを、ジャーナル スタンダードが独占で先行販売。’50年代のモデルをもとに、当時の素材やサイズ感、ステッチの本数から色まで再現した。1万3200円(ジャーナル スタンダード 表参道)
(KEY/キー)
再現困難な幻のファイヤーマンコート
ビームスF バイヤー
芹沢良輔さん
「この春夏、ちょうどバルカラーコートやトレンチコートに代わる新しい提案を模索していたときに目をつけたのが、ここのファイヤーマンコートでした」。
「1989年に革製品メーカーとしてスタートし、ウールやデニムなど厚手素材の製品も展開するマイケル クラシック アパレル。その品質の高さに定評がある、アメリカ製一筋を貫くロサンゼルス発のファクトリーブランドです」。
「ここならアメリカ製のファイヤーマンコートが作れると聞き、即バイイングを決定! だって、これを忠実に再現するのは至難の業なんですよ」。
フロントのメタルフック
「とくにフロントのメタルフックは、今や米国内でも生産できる工場はほぼないと言われていて、類似品すら市場ではあまり見かけませんから。と、物欲がファイヤーしそうな蘊蓄ももちろんですが、シンプルに春コートのマンネリを打破する新戦力としても魅力的! オンオフ問わずにさらりと羽織っていただけたら♪」
MICHAEL CLASSIC APPAREL×BEAMS F[マイケル クラシック アパレル×ビームスF]
別注 ナイロン ファイヤーマンコート
フロントフックや衿の構造などを忠実に再現した米国製ファイヤーマンコート。防水性・透湿性に優れる「ブリザテック」素材を採用し、シルエットはジャケットの上から羽織りやすいゆったりめにアレンジ。5万2800円(ビームスF)
(MICHAEL CLASSIC APPAREL/マイケル クラシック アパレル)
制服の神様と共作した究極のスラックス
アダム エ ロペ プレス
工藤 健さん
「男子たるもの、いつの時代もユニフォームという響きに無性に惹かれますよね♡ これからの時代はシンプルかつ着るだけでキマるユニフォームがベスト、そう考えたとき頼りにしたのがニッケでした」。
「1896年の創業より、軍服や学生服などを生産してきた知る人ぞ知る日本のテキスタイルメーカーで、世界的にも類稀とされる特殊なハード加工を施したウール×ポリエステル地は、強い反発性を備え、仕立て映えが抜群なんです」。
特殊なハード加工を施したウール×ポリエステル地
「加えてシルエットはクセのないストレートライン。有象無象のスラックスとは一線を画すシンプルを極めた上質な一本、ぜひお試しを」
NIKKE×ADAM ET ROPE[ニッケ×アダム エ ロペ]
ストレートスラックス
ウールとポリエステルを高密度に織り上げた生地は、上品さと清涼感を備える。また3種類の杢糸を緻密に配列することで、独特の深みのある色合いを表現した。2万4200円(アダム エ ロぺ/ジュンカスタマーセンター)
(NIKKE/ニッケ)
名門レザー×手縫いが3万円台という衝撃!
シップス エニィ バイヤー
石幡 瞬さん
「楽チン革靴が全盛の今、モカシンは外せない選択肢。ただその多くが機械吊り式で作られるなか、国内でも珍しいハンドメイドで仕上げているのが、靴の都・神戸発のオールドマンです」。
「機械吊り式のものはアッパーと中底が別に作られ、本来のモカシンより屈曲性に劣るのですが、熟練による手縫いのものはトウが袋状で柔らかく、靴下を穿いているような気持ちい~い履き心地が体験できます。そんな真摯なモノ作りへの姿勢に惚れ込み、別注を依頼♡」
ホーウィン
「SHIPSが大好きなアメリカの空気を纏うホーウィン社謹製クロムエクセルレザーをアッパーに採用し、3度の修正を経て程よい重厚感と履きやすさの共存に成功しました。これで3万円台なんて、まさに掘り出しモノですよ(笑)」
SHIPS any×OLDMAN[シップス エニィ×オールドマン]
ホーウィンクロムエクセルレザー モカシンシューズ
日本人の足に合った設計と手縫いならではの優れた屈曲性により、快適な履き心地を実現。アッパーはホーウィン社のクロムエクセル革、アウトソールはビブラム社製で張り替えも可能だ。3万9600円(シップス エニィ 渋谷店)
(OLDMAN/オールドマン)
伝説のチームジャケットがかつてなく都会的に
聖林公司 プレス
板花洋平さん
「’80年代を彷彿させるレトロなスポーツウェアは数あれど、服好きなら米国のスターターは押さえるべき。なにせNFLやNBAなどのプロリーグと提携し、スポーツウェアとポップカルチャーを融合させた先駆者ですから」。
「今回、ここを象徴するチームジャケットをウチらしくデニムに合う一着にしたかった。とはいえ当時のテカテカナイロンではなく、割繊糸という特殊な糸を使って光沢を抑え、深いネイビーで上品に仕上げました。これほどモード感満点のチームジャケット、あるようで意外とないかも?」
STARTER・BLUE BLUE[スターター・ブルーブルー]
ナイロンジップジャケット
マットなポリ×ナイロンにピーチ起毛を施し、独特のヌメリ感ある生地に。短丈のボックスシルエットや、ネイビーに肩の切り替えはブラックと色みも統一し、スマートな印象だ。1万9800円(ハリウッド ランチ マーケット)
光沢を抑え、深いネイビーで上品に仕上げたナイロン
(STARTER・BLUE BLUE/スターター・ブルーブルー)
※表示価格は税込み
[ビギン2021年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。