特集・連載
マンガで学ぶ、オールデン買いたい新書・第6話
日本人向けに細かく調整されたラストを採用「ペニーローファー」
マンガで学ぶ「オールデン買いたい新書」 高級紳士靴は星の数ほどあれど、靴を形作るラスト(木型)に仰天逸話を持つのは米・オールデン! あの日、あの時、あの場所での意外な人とモノとの出会いが、オールデンに“ラスト”ストーリーをもたらしているのです。そこで今回はマンガ形式(?)で皆様にお届けッ! 知っているようで意外と知らない小話、アナタはいったいいくつ知っていましたか? この記事は特集・連載「マンガで学ぶ「オールデン買いたい新書」」#06です。
[第6話]ペニーローファー&バンラスト
「アメトラの名門が靴を作らせているらしい!」と名をあげていたオールデン。
そのフィット感はアンライニングで柔らか。しかし一方、ストラップ位置が低いオールデンの靴は日本人には窮屈で、甲の痛みから頭痛まで訴える人もいたとか……。
そんな人々のために、木型が細か〜く修正されたのが、日本人向け「バンラスト」の「ペニーローファー」。
「我慢して履くもの」という常識を覆し、“憧れ”を一歩身近な存在にしてくれましたとさ♡
洒落者だけの頭痛病!?
アメトラの名門、ブルックス ブラザーズのローファーを手掛けている!と名を馳せていたオールデン。コードバンの艶が美しい一足に誰もが憧れていました。
’80年代にかけて徐々にオールデン印のローファーも輸入されるようになりましたが、欧米仕様は日本人の足には馴染みにくく、甲の痛みはやがて頭痛に……。
そもそも欧米では窮屈ならサイズアップすればOK!と考えられているローファーでしたが、輸入代理店を務める血脇氏は「スマートな見た目は絶対!」とオールデンに掛け合います。
ディスカッションを重ねた末に辿り着いた今日の日本人向けバンラストは、甲を高く設定しストラップを1/4インチ後ろに変更。「我慢して履くもの」から「優しく足を包む」一足へと生まれ変わり、高嶺の花が歩み寄ってくれた!と洒落者たちが沸いたのでした。
Alden[オールデン]
PENNY LOAFER(ペニーローファー)
モカシン靴専用のバンラストを採用し、輸入代理店「ラコタ」の創業と時をほぼ同じくして日本人仕様にアレンジされたハンドステッチモカが特徴の大定番。靴紐がないぶん甲のコードバン面積が広く、美しいシワ&艶を目指して苦労した洒落者は数知れず。12万9000円。
※表示価格は税抜き
[ビギン2020年11月号の記事を再構成]イラスト/TOMOYA