ミリタリー業界でも人気モノだったミニマルバッグの“ミニ”じゃない戦歴にクローズアップ
旬のミニマルバッグは、ミリタリー業界でも人気モノでした。ここでは、あまりフォーカスされなかった“ミニ”じゃない戦歴に迫ります。
いつの時代もミニマルバッグは名バイプレーヤーだった!
昨今お手軽ベスト“Buy”プレーヤーとして市民権を得ているミニマルバッグ。ですが、ミリタリー業界では重~い任務を背負ってたって知ってました?
巾着バッグのルーツが、超大事な私物入れだったりと骨太な「バッグボーン」がわんさか! 現代のミニマルバッグにも似たミリタリー業界の助演男優賞バッグを厳選し、最大級のスポットライトを当てて紹介します!
お手軽巾着は貴重品入れに使われていた!
1960年代誕生
エフェクトバッグ
ミニマル主義の流れから、いわゆる“手ぶら民”に愛用されている巾着バッグ。一転ミリタリーでは傷病兵を移送する際に私物を入れる袋として使用されていたんです!
名前や戦闘地域、入院先の病院名などを記入する大きめのラベル。これ、ドッグタグや貴金属、大事なものがちゃんと手元に戻るようにつけられたものって知ってました? 落とし物が見つかる平和な時代には、ファッションに利かせたいですね。
巾着タイプはヘルメットバッグにもあった!!
1960年代誕生
ヘルメットバッグ 2nd
ヘルメットバッグと聞いて巾着を思い浮かべる人はどれだけいます? 誰もがよく知るのは、ダブルフロントポケットなはず。
しかし前型のモデルはベトナム戦争時の戦費縮小のためか、効率化のためかジッパー型ではなく、巾着型! 主に空軍のパイロットが使用するため、荷物を最小限にするという、理にかなったバッグだったのです。昔からバッグのミニマル化は効率性の最適化だったのかもしれません。
胸ポケ代わりの万能ポーチ
1967年誕生
コンパスポーチ
シャツやTシャツの胸ポケには、メモやタバコなどすっと取り出したいものを入れるのが定石。そんな胸ポケ的存在がミリタリーにもありました!
コンパスを入れる小型ポーチは、腰につける銃と磁気が反応するので胸に着用。アクセスがしやすいため、簡単な応急手当用品なんかも入れた万能ポーチでした。当時はタバコを入れる人もいたらしく、今も昔も“胸ポケ”の役割は変わらないのですね。
こう見えて危険度Maxな……サコッシュ!?
1960年代前半誕生
クレイモアバッグ
対人用地雷を収納するためのバッグで、内部は地雷を2個収納できるよう2気室に分かれており、フラップの内側には地雷の取り扱いマニュアルが縫い込まれています。また、実用的な面から使い終わったバッグに荷物などを入れて再利用も。
見た目もさることながら使いやすさもサコッシュのようなのに、実は危険度Maxなバッグだったとは……ピースフルなサコッシュとはとても似ても似つきません。
軍発祥の着るバッグも“身軽”がキーポイントだった!
1936年誕生
ミュゼットバッグ
機甲歩兵のために、車両の乗り降りがしやすいように設計されたバッグは取り外しも簡単。バッグのサスペンダーを野戦ベルトに取り付けて使用するところから、背負うというより“着る”感覚に近くない?
ほかにもストラップを付けてショルダーバッグとして使えるのも“クイックアクセス”のためとか。今流行のフィッシングジャケットもしかり、バッグに対し“身軽さ”を追求するのがミニマルバッグなんです。
兵士の生命線となったウエストポーチ
1956年誕生
マガジンポーチ
一般的なウエストポーチは収納力、そして中身をさっと取り出せるのが便利なところ。ミリタリーでも、それらのことが重要ポイントになっているんです。
なかでも腰についている弾倉は1分1秒が生死の境目、収納力もさることながら、これ“ワンアクション”で開けられちゃうんです。いわば兵士の生命線的存在。いつの時代も、ミニマルバッグは“クイックアクセス”こそ重宝される所以なのです!
miniタリーコラム
ヘルメットバッグはモデルが3rdまであったって知ってた!?
ヘルメットバッグといえばダブルフロントポケットを思い浮かべがちですが、実は完成度の高さゆえに有名になった3rdタイプ以前に2種類のヘルメットバッグが存在したのです。



※表示価格は税抜き
[ビギン2019年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。