2019年度版、ジーンズ基礎知識&用語解説

普段から何気なく着用しているジーンズですが、ジーパンやデニムパンツとも呼ばれるのはなぜ? さらにセルビッジやリベットなど、ジーンズ特有のディテールも多々あります。こうしたジーンズにまつわる四方山話と用語をこちらで徹底解説していきます。

ジーンズの基礎知識編

Q1. そもそもなぜジーンズと呼ばれるようになったの?

A1. 一般的にジーンズとは、インディゴ染めのコットンデニムで作られる丈夫なワークパンツを指します。デニムの語源はフランス語のセルジュ・デ・ニーム(=ニームの綾織り)で、略してデニムと呼ばれるようになりました。また、この生地は主にイタリアのジェノヴァから輸出されており、中世フランス語でジェーヌと呼ばれ、後に英語に取り入れられた際にジーンと呼ばれました。ソックスやシューズと同様に、英語では脚に着用するものには複数形のSが付くため、ジーンズとなったのです。

 
Q2. ジーンズが正しい呼び名なのに、なぜジーパン?

A2. ジーパンという呼び名は和製英語で、その起源は諸説ありますが、現在有力とされているのは以下の説です。第二次大戦後に日本に進駐していたアメリカ兵が、休日になるとブルージーンズを穿いていたことから、GIのパンツ=Gパン(ジーパン)と呼ばれるようになった。ジージャンというのも同様の由来で、本来ならデニムジャケット、もしくはジーンジャケットが正しい呼称です。親しみを込めてジーパンと呼ぶこともありますが、本項では最もわかりやすいジーンズという単語で統一します。

 
Q3. 日本人で初めてジーンズを穿いたのは誰?

A3. 1945年の敗戦後、アメリカ軍(GHQ)が放出した古着の中に、大量のジーンズが含まれており、当時のアメリカ映画や音楽に影響された日本人が次第に手にしていったそう。ジーンズを最初に愛用した著名人として、白洲次郎が挙げられます。流暢な英語を巧みに操り、吉田 茂の側近として活躍した白洲は、日本初のジーニストでもありました。

 
Q4. 現在主流となっているジーンズのオンス数は?

A4. 一般的に14オンス以上をヘビーオンス、10オンス以下をライトオンスと呼び、現在は12.5~13.5オンスが主流となっています。ちなみに、オンスとは1平方ヤードあたりの生地の重さのこと。1oz=28.35gなので、13オンスデニムは約370gとなります。また、硬くて重い従来のデニムは減少傾向で、ほとんどのブランドでストレッチの利いた柔らかなデニムが好まれています。

 
Q5. ジーンズのデザイン上の必須要素とは?

A5. 素材がデニムであることは大前提で、ほかに5ポケット、バックヨーク、リベットなどが挙げられます。これらの要素はすべて、アメリカの炭鉱労働者などのために生まれたもので、ジーンズはそもそもワークウェアなのです。最近はドレス仕立てのデニムスラックスも人気がありますが、いわゆるジーンズとは区別したほうが無難です。

 

ジーンズの用語解説編

ここでは現代のジーンズの原型が確立された、リーバイスの1947モデルをお手本に用語を解説していきます。

ジーンズの用語解説編

リーバイス®︎ビンテージ クロージングのデニム
リーバイス®︎ ビンテージ クロージングのデニム2万8000円。(問)リーバイ・ストラウス ジャパン TEL.0120-099-501

トップボタン

ジーンズの用語解説・トップボタンとは"

フラット型とドーナツ型に大別され、前者はブランドネームが入ることが多く、後者は第二次大戦前のヴィンテージに見られるボタン。素材はニッケルや真鍮が用いられています。

ボタンフライ

ジーンズの用語解説・ボタンフライとは

丈夫で壊れにくいことから、多くのジーンズに採用されているのがボタンフライ。トップボタンを含めて5つボタンが一般的ですが、ローライズの場合は3つもしくは4つ。

ジップフライ

ジーンズの用語解説・ジップフライとは

’60年代にデニムの防縮加工が確立され、洗濯後の歪みがほぼなくなったため、ジッパーを採用したモデルが数多く登場。引き手をスライダーと呼び、そこに刻印が入ります。

リベット

ジーンズの用語解説・リベットとは

地厚なデニムが何枚も重なる部分に用いられる技法、ディテールのこと。下側に凸型(オス)を、上側にリング状の凹型(メス)を置き、特殊なプレス機で打ち抜いて固定。

セルビッジ

ジーンズの用語解説・セルビッジとは

反物生地の両端のほつれを防ぐ目的で付けられた部分(日本では耳と呼ばれる)のこと。特に旧式シャトル織機によるデニムは、赤いセルビッジが入ることから赤耳とも。

チェーンステッチ

ジーンズの用語解説・チェーンステッチとは

鎖のように見えることから名付けられた縫い方。ジーンズの裾上げなどで用いられることが多く、丈夫で耐久性が高い。ユニオンスペシャルというミシンが特に有名。

リーバイス®︎ビンテージ クロージングのデニム
物資に制限がかけられていた戦時下のディテールがほぼ戻され、さらに2本針式の機械が導入されたことで、1本針式の時代に生じていた個体差の影響が解消されたモデル。

シンチバック

ジーンズの用語解説・シンチバックとは

尾錠とも呼ばれるウエストサイズ調整用のベルト。サスペンダーで着用していた、古い年代のリーバイス501®︎に用いられていた通好みのディテールで、1944年以降廃止に。

レッドタブ

ジーンズの用語解説・レッドタブとは

一般的にはピスネームと呼ばれ、ジーンズに初めて採用したのもリーバイス社でした。特に1971年以前のレッドタブに見られるビッグEは、レアものとして高い人気を誇ります。

スレーキ

ジーンズの用語解説・スレーキとは

ポケットの袋布のこと。“滑らかな”という意味の英語sleekが語源で、素材は主にコットンやレーヨンが用いられます。ジーンズでは丈夫な生成りのコットンが好まれています。

ヒップポケット

ジーンズの用語解説・ヒップポケットとは

ヒップに付けられたパッチポケットで、ジーンズを特徴づける顔ともいえます。リーバイスの場合はアーキュエイトステッチと呼ばれ、他ブランドも独自の意匠を凝らしています。

レザーパッチ

ジーンズの用語解説・レザーパッチとは

リーバイスが品質の高さを誇示するために縫い付けたパッチ。1950年代後半頃から、紙パッチに移行。ヒップポケット同様、ブランドアイコンとしてさまざまなデザインがあります。

隠しリベット

ジーンズの用語解説・隠しリベットとは

ヒップポケット入り口の左右をリベットで固定し、表側からは金具が見えないように縫製するディテール。縫製が進化した’60年代半ばから、この仕様は見られなくなります。

バータック

ジーンズの用語解説・バータックとは

補強のために棒状に縫い合わせた部分をバータックと呼び、ジーンズには欠かせないディテール。ベルトループやポケット口など、強度が必要な部分に用いられます。

ジーンズの基礎知識&用語解説はこれでバッチリOK

※表示価格は税抜き


写真/植野 淳 構成・文/川瀬拓郎 スタイリング/宮崎 司

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