特集・連載
今季のデニムスタイルはこうなります
どこよりも早い!? 新作ジーンズの穿きこなし実例集
デニムにまつわるギモンを“ジーンズ”バっと解決! ジーンズってあまりにも身近なアイテムすぎて、意識しなくてもそれなりに穿きこなしてたって人も少なくないのでは? でもね、モノ好きたる者、歴史や定番デニムはもちろん、今どきの着こなし方や洗濯方法まで、しっかりとマスターしてこそ真の魅力に気づけるってもんです。ここでは、デニムについて今さら聞くのはちょっと……なお悩みを“ジーンズ”バっと解決します!(笑) この記事は特集・連載「デニムにまつわるギモンを“ジーンズ”バっと解決!」#01です。
ここ数年、提案されるボトムスのほとんどが、ワイドパンツとアウトドア系パンツばかりで、飽きてきたという諸兄も少なくないでしょう。たしかに、着心地がよくてケアが楽チンというのは利点ですが、あまりに流行りすぎて食傷ぎみという方も少なくないのでは? そこで、今一度見直したいのがカジュアルスタイルの定番であるジーンズ。
穿き込むほどに増す味わいと骨太なルックス、数々のスタイルアイコンたちに愛されてきた歴史は、あらゆるボトムスの中でも突出した存在。あまりに普遍的なアイテムゆえ、つい穿き慣れた手持ちのもので済ませてしまいそうですが、ちょっと待った! 秋冬の新作には、目を見張るような進化・深化を遂げたアイテムが豊作だからです。
ジーンズ本来のオーセンティックな魅力を現代によみがえらせたもの、ストレッチ素材によって従来のジーンズの弱点を克服したもの、ありそうでなかった斬新な加工技術など……その方向性はブランドによって異なりますが、この手があったか!と膝を打つような秀作を人気ブランドから厳選。それでは早速、ご紹介していきましょう。
LEVI’S VINTAGE CLOTHINGの551Z
リーバイス史上初の防縮加工テーパードが完全復刻
やや細身のシルエットが特徴の551Zは、シンプルに男っぽく着こなすのが正解。ドリズラージャケットとローテクソニーカーを黒で揃え、インナーにはチェックシャツを。映画に出てきそうな古典的フィフティーズスタイルが、今また気になるのです。



リーバイス®が初めてジッパーを採用したのは、1954年の501®Zでした。ただし、防縮加工がなされていなかったため、洗濯するとジッパーがゆがんでしまうという欠点がありました。そこで、度重なる改良を経て1961年に生まれた551Zに、初めて防縮加工(=PRE SHRUNK)を施したデニム生地が採用されました。アメリカ東部のアイビーたちを意識して、細身のシルエットに。壊れにくいジッパーフライと洗練されたシルエットが人気を博し、後に名作となる505™へ引き継がれていくことになります。リーバイス®︎ ビンテージ クロージングのデニム2万8000円。(問)リーバイ・ストラウス ジャパン TEL.0120-099-501
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DIESELのVELVETJEANS
ベルベット加工で意外性のあるモノトーンスタイルに
随所が色落ちしたベルベット加工によって、深みのある表情になったスリムフィットジーンズが主役。白いロンTの上にオーバーサイジングなポロシャツをレイヤード。今っぽいストリートスタイルでありながら、ブーツとウォレットチェーンで辛口に仕上げよう。



デザイナーズデニムの先駆けであり、今や世界的なファッションブランドとして知られるディーゼル。これまで数々の先鋭的なデニムを発表してきましたが、秋冬に登場するのがこちらのベルベットジーンズ。デニム表面にフロッキー加工を施し、さらにユーズド加工を施すことで、デニム特有のアタリやヒゲはそのままに、ベルベットの光沢感が楽しめるのです。光の当たり具合で深い陰影が生まれ、これまでにない表情に。シルエットはローライズのスリムフィットですが、ストレッチが効いているので締め付け感が少なく快適。ディーゼルのデニム4万2000円。(問)ディーゼル ジャパン TEL.0120-55-1978
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G-STAR RAWのCITISHIELD
アクティブな都市生活者のための機能性ジーンズ
環境に配慮したPFCフリーの撥水加工を施したジーンズの機能性を引き出すために、アウターも撥水素材のマウンパを。ストレッチデニムと立体裁断による動きやすさに加え、裾の絞り具合を調節できるので自転車乗りに最適。デニムがあることで、どこか90年代的な配色も今の気分。



注目すべき新コレクション“シティシールド”から、都市生活者のニーズに応えるべく、加工とディテールを見直した革新的なジーンズが登場。サスティナブルを意識し、オーガニックコットンによるデニム生地に、有害物質の排出を抑えた撥水加工を施しています。止水ジップを加えたサイドジップポケット、内側に配したボタン付きのテープによって調節可能な裾など、アウトドアブランド顔負けの機能性を誇ります。さらに、ヒップポケット内には盗難防止用の隠しポケットを装備。スリムフィットですが、得意の立体裁断とストレッチデニムでノンストレス。ジースター ロゥのデニム2万6000円。(問)ジースター インターナショナル TEL.03-6890-5620
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DENHAMのロークロッチ クロップ
スラックス感覚で取り入れたい大人のテーパード型
ウエストから太ももにかけてゆったりと、膝から裾へかけてテーパードさせたシルエットを活かして上品な着こなしに。タートルネックの上にシャツを重ねて、ちょうどいいゆるさを演出。クロップト丈の足元には端正なローファーを選んで、素足見せがいい。



アメリカ、イタリアに次ぐジーンズ大国として、’00年代に急浮上したのがオランダのアムステルダム。彼の地で2008年に創業したデンハムは、クラフツマンシップあふれる独自のカッティングとディテールへのこだわりで確固たる地位をものしています。新作のロークロッチ クロップというモデルは、ワタリに余裕があり、裾へ向けて細くなるテーパードシルエット。クリーンな印象のノンウォッシュデニと相まって、タック入りスラックスのような上品な印象に。微量にライクラを入れたストレッチで、動きやすさも確保。デンハムのデニム3万3000円。(問)デンハム・ジャパン TEL.03-3496-1086
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YANUKのBEN
ヴィンテージの雰囲気を気負わず今っぽく
ジーンズ本来の骨太さと風合いを再現し、現代的なクロップト丈にアレンジした新作は、スウェットパーカとキャップを合わせてスポーティに。足元にはストリートに寄りすぎないようにデザートブーツをチョイス。抜け感があって、クリーンなデニムカジュアルに。



マニアでなくても、ヴィンテージにはやはり心惹かれるものですが、高価でなかなか手が出ない……。そんな諸兄におすすめしたいのが、ヤヌークの新作BENです。LAのプレミアムジーンズブランドとして誕生し、現在はデニムの聖地・岡山で生産を行っています。今季は、原宿の名店ベルベルジンの藤原氏をディレクターとして招聘。ヴィンテージに精通した氏の知見を反映させ、素材・縫製・加工からシルエットまで徹底的にこだわり抜いています。クロップト丈にアレンジすることで、ヴィンテージ特有の野暮ったさを払拭。ヤヌークのジーンズ2万6000円。(問)カイタックインターナショナル TEL.03-5722-3684
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写真/植野 淳 構成・文/川瀬拓郎 スタイリング/宮崎 司 ヘアメイク/sachi