特集・連載
伝統を熟知する最古級の老舗ニッターは、極めてトラディショナル。でも着姿はモダン
結局得する新・一点豪華主義 「え!? これがこの値段?」。ここ数年、安くていいモノが本当に増えました。一方で、それに慣れてきて無意識に“安いこと”が買い物の条件になっていませんか? そこでオススメしたい選びのポイントが一点豪華主義。多少値が張ろうが張るまいが「これはイイ!」と思える今の時代の“新しいリッチ”をお届けします! この記事は特集・連載「結局得する新・一点豪華主義」#05です。
“本物”のアランニットが時代を超えて今ドキに
トラディショナルアイリッシュクランズのアランセーター
アランニットの起源が漁師の作業着というのは、“フィッシャーマンニット”の別名からも有名な話。夫の無事と豊漁を願う妻たちが手編みしたものがそのルーツで、家庭によって編み柄が変わるため、不幸にも海で命を落とした漁師は、打ち上げられた際にニットの柄で身元がわかったのだとか。
そんな伝統的アランニットを継承するのがこのトラディショナルアイリッシュ クラン。現存するアイルランド氏族の編み柄300以上をすべて把握し、それらを旧来の手編みで表現できる数少ない正統なニッターです。
その昔ながらのシルエットはかなりゆったり。でもそれが逆に今っぽい! そんなギャップも最高♡ アランニットは英国各地で見られますが、そもそもアラン諸島のあるアイルランドこそが本場。本物であり今どき。これ以上の注文はありません。
上写真/古きよきシルエットが、今新鮮に映る。メイク センス ラボラトリーのパンツ1万8000円。(トリプル.アーチ.ワークス)その他はスタイリスト私物。
糸までアイルランド製を貫き職人の手編みで生まれる王道ニット
TRADITIONAL IRISH CLANS[トラディショナルアイリッシュクランズ]
アランセーター
アイルランド・ドネガル地方に根差すファクトリーで、同地のドネガルヤーン社の専用糸で編まれる。編み柄の美しさは特筆モノ。一枚一枚アソート=異なる柄で入荷予定。サイズ44/各5万2000円、サイズ48/各5万4000円。(以上、スティーブン アラン トーキョー)
アランニットの柄=日本の家紋
付属するタグにまで粋なエピソードが
一着一着のニットに、編み柄に合わせたクレストを冠した提げ札付き。日本でいうところの家紋で、それぞれの家柄やニットパターンに込められた願いを伝えるためのもので、これも趣深い。
※表示価格は税抜き
[ビギン2019年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。