特集・連載
平成のど真ん中を勝手に総括! 平成12年~21年はナニが流行った!?
平成を大総括~HEY! SAY! CHAMP! 「平成」直前の1988年に創刊したビギンの歴史=「平成」のオトコのブツ欲史そのもの!と言っても過言じゃありません。間もなく「令和」スタートで、気分も新たに……のその前に、平成が生んだあんなヒットやこんなヒットを大総括。アラウンド40世代のサブカルレジェンド、漫画家の渋谷直角さんにも参戦してもらい、思わず“懐っ”な各時代のチャンプを勝手に決定(笑)いたします! この記事は特集・連載「平成を大総括~HEY! SAY! CHAMP!」#05です。
ビギンっぽいものが服トレンドの中心に!?
平成にも慣れてきた頃、西暦上では21世紀に突入。にしてもホント当たらなくてよかったよね、ノストラダムスの大予言。
ファッション界ではDCブランドやデザイナーのブームが去り、セレクトショップがファッションの中心に台頭してきたのが特徴かと。ブランドという付加価値ではなく、モノとして確たる価値が必要不可欠に。
たとえばユーズド加工されたデニムとかレザーアイテムとか。使い込んだ一点モノのような雰囲気こそが“セレブ”に思えたのでした。それとドメスティックブランド、今風に言えばジャパンブランドね。
ブランドだけでなく、日本の熱心な担当者の尽力により、伝統ブランドからは身幅を細く絞ったウェアが登場、それが世界的なそのブランドの再躍進のきっかけになったり。
マッキントッシュとかウールリッチとかカナダグースとか。世界同時多発アメトラブーム然り、日本のスタイルがトレンドの輸出元になるなんて、ビギンも少しはその一翼を担えたかな?
ビギンが選ぶ平成チャンプ!
デニム界の勝手にCHAMP!
立体裁断リーバイス(平成12年)
限られた店舗でしか展開せず争奪戦に!
ドルチェ&ガッバーナあたりのクラッシュデニムが席捲するなか、本家リーバイスが世に問うたのは立体裁断のリーバイス レッド。欧州支社が放ったラインは都内でも限られた店舗でしか展開せず、争奪戦&プレミア化。並んだよね~。
パンツも!
立体裁断のノウハウを継承したエンジニアード・ジーンズってのも登場しました。
移動ツール界の勝手にCHAMP!
キックボード(平成12年)
通行人の間をスイスイすり抜ける謎の物体(笑)
そもそもスノーブランドK2がリリースしたものがオリジナルだったけど(ビギンもココんちのを紹介)、以後は雨後のタケノコ状態。翌年発表のセグウェイにも繋がった……のか!? ちなみに現在は電動キックボードなるものも発売中。
ジャケット界の勝手にCHAMP!
サイ ドルラグジャケット(平成13年)
肩上部はラグランスリーブ、脇下がドルマンスリーブ的
同年2月にデビューしたばかりのサイに仰天。ラグランスリーブとドルマンスリーブを合体させたような変態的パターンをドルラグジャケットと命名。ドメブラ人気と、勝手に命名させていただく小誌の前のめりはおそらくこの頃から。
革小物界の勝手にCHAMP!
WHC(平成13年)
元祖定番6色、何色ゲッツ!した?
たまごっちやドラクエにFF、ポケモンGO!と平成カルチャーは“育てること”が大好き。服飾界でもエイジングという概念がすっかり定着したけれど、その陰にはビギンとWHCことホワイトハウスコックスの功績が大って知ってた?
デニム界の勝手にCHAMP!
加工デニム(平成14年)
カトー
現在隆盛を極めるレザースニーカーのご先祖様
ベッカム様のソフトモヒカンよろしく、よく手が施されたデニムが百花繚乱。職人の手による加工は倉敷市の児島で世界的発展(生地も縫製もね)を見せた。シワやアタリなどのクセをリアルに再現。足クセ悪くて蹴ると退場だけどね。
スロウガン
腕時計界の勝手にCHAMP!
フランク ミュラー(平成14年)
文字盤のインパクトが言わずもがな
Gショックやデカ厚パネライなど、本誌発で数々のブームを生んだと自負してるけど、フランク・ミュラーの紹介も早かった。奇抜でも見掛け倒しにならなかったのは、上のデニムと同じで、職人による手仕事の賜物だったから。誉っ。
バッグ界の勝手にCHAMP!
ジャスM.B.とマスターピース(平成15年)
ジャスM.B.
旬な素材使いと味出しレザーが業界で話題に
2003年のバッグ業界で話題になったのがこの2社。日本発のマスターピースは出すモデル出すモデル旬な素材使いで、ロンドン発のジャスM.B.は“芸術の粋まで高められた”味出しレザーバッグのキングとして名乗りを上げました。
マスターピース
コート界の勝手にCHAMP!
モダナイズ マッキントッシュ(平成16年)
ダンケルドが肩と身幅を絞ってシャープに
歴史ある老舗の定番アウターがシルエットを刷新し、大ブームになるという骨太の方針はここから。ルーズシルエットがお洒落に見える今からするとピンとこない? ななななんでだろ~♪
ファッション界の勝手にCHAMP!
PPCM(平成16年)
パターンや素材へのこだわりがハンパなかった
実は本ページの平成中期に入るまで、日本のブランドって正直そんなに人気がなかった。でも洋服への深い知識と愛を持つデザイナーたちが登場、活躍するようになって以降、今日では状況が激変。その元祖たるPPCMがこの年で解散。
革小物界の勝手にCHAMP!
白ベグ(平成16年)
クラフト感がたまらなかったんだよなぁ
こちらもビギンの造語だけど、白ベグ=白いエンリー・ベグリンのこと。精緻&美麗とはまた違う、くったり革&味ありステッチのほっこり感がヒットの理由。手触りがチョー気持ちいい!かったっス。
バッグ界の勝手にCHAMP!
ダニエル&ボブ(平成17年)
2005年年末発売号のBB(ビギンベスト)100で年間1位に
ある春のこと。巷の人気セレクトショップの鞄コーナーを新しいブランドが占拠し始めた! 3枚の革を重ねたハンドル、革にしろナイロンにしろ重厚感あふれる素材と、色気ある鞄を作らせたらやっぱりイタリアだよね、を再認識。
ミリタリー界の勝手にCHAMP!
アルファ M-65(平成17年)
老舗のアルファ謹製が琴線に響いた
こちらもモダナイズアウターのひとつで、オーバーサイズが当たり前だったミリタリーものにも本家アルファからスマートなM-65が登場。ミリタリーブームにジャストで、フォー!!
ダウン界の勝手にCHAMP!
モンクレール(平成18年)
ミリタリー
以降のダウンアウターブームを未だ牽引中
デザインコンシャスなモンクレールが登場し始めたのもこの頃。オーバー10万円のプレミアムダウン化したのに、それでも欲しいよモンクレール。冬が来る前に買わないと手に入らず。モンクレール難民なんて言葉も生まれたっけ。
レトロ
バッグ界の勝手にCHAMP!
ダニエル&ボブ ジョシュア(平成18年)
多くのフォロワーを生んだカタチ
ダニエル&ボブの躍進はとどまるところを知らず、肩の上あたりでハンドルを手持ち=男持ちしたときにカッコよく「たわむ」斬新フォルムの「ジョシュア」が大ブームに。
シューズ界の勝手にCHAMP!
オールデン(平成18年)
当時の一番人気は#990プレーントウ コードバン
トム・ブラウンをはじめとするアメトラ再評価の流れが世界の一大潮流に。日本人も、イタリア人も、フランス人も、もちろんアメリカ人も。で、その足元はもちろんオールデン。予約してもいつ手に入るかわからない状態が恒常化した。
スウェット界の勝手にCHAMP!
ループウィラーの吊り編み(平成19年)
裏毛の吊り編みを編めるのは和歌山県だけ
ループウィラーのスウェット生地を編み立てるための旧式の吊り編み機は、21世紀に入ってだいぶ経過した現代において、1時間に1メートルしか編めないってどんだけぇ~! そのぶん着心地はふっくらで、洗濯しても柔らかいまま。
腕時計界の勝手にCHAMP!
ハミルトン カーキ(平成20年)
蓄光インデックスもヤレた色みに
腕時計なのにエイジングしたかのような表現がブツ欲にぶっ刺さり。ウン十万円クラスの高級機械式時計にはこれ!といったブームが起きないなか、従来はエアポケットの扱いだったアラウンド10万円に服好きの食指が動きました。
着こなし界の勝手にCHAMP!
デニムロールアップ(平成20年)
もちろん“耳付き”が絶対!
デニムではセルビッジの生デニムが主流で、その裾をほんのりロールアップするスタイルがトレンドの中心に。ダメージ加工デニムの存在やいずこへ。ネオアメトラの流れが絶対だったってこと。
スニーカー界の勝手にCHAMP!
ニューバランス MR993(平成21年)
下のハンパ丈パンツとも好相性だった
ぽってりしたヌケ感がむしろお洒落に見えるのだから、トレンドって本当に不思議。業界人をはじめ、この年、ビギンのモデル着用写真の足元は993ばかり。美人は3日で飽きるというけど、コイツはホンと飽きなかったんだよなぁ。
パンツ界の勝手にCHAMP!
ハンパ丈(平成21年)
並み居るブランドがマジにハンパに
くるぶしあたりまでの9分丈、あるいはそれより短いクロップト丈が大流行。見た目の軽やかさに加え、夏は涼しくって快適という実利も。上のニューバランス含め、コンフォートであることが服選びのキモとなっていくことに。
世の中の出来事
2000 平成12年
- 2000年問題不発、2000円札発行(笑)
- イチローが野手として初の大リーガーに
2003 平成13年
- ユニバーサル・スタジオ・ジャパン開園
- 長嶋茂雄監督勇退。終身名誉監督に
- 東京ディズニーシー開園
2001 平成14年
- 日韓W杯で日本代表がフラット3戦術採用
- 多摩川にアザラシのタマちゃん現る
- 小泉首相が北朝鮮電撃訪問
2002 平成15年
- 『千と千尋の神隠し』がアカデミー賞受賞
- 六本木ヒルズがグランドオープン
- 朝青龍が第68代横綱に
2004 平成16年
- イチローが大リーグ年間最多安打を更新
- 『冬のソナタ』放映、ヨン様がフィーバー
- 『マツケンサンバ』もフィーバー
2005 平成17年
- 政府がクールビズを推奨
- ドラえもんの声優が一斉交代
- 堀江貴文氏が広島6区から出馬
2006 平成18年
- イナバウアーが流行語大賞に
- 第1回WBC開幕。日本が初代王者に
- 携帯電話のMNP制度開始
2007 平成19年
- IKKOさんの「どんだけぇ〜」が流行
- ネットカフェ難民が社会問題に
- 東国原英夫氏が宮崎県知事に
2008 平成20年
- リーマンショックで世界同時株安
- バラク・オバマ氏が初の黒人米国大統領に
- レギンス女子が巷に急増
2009 平成21
- マイケル・ジャクソン死去
- 山ガールがブームに
- 草食男子が流行語に
※このページに掲載されているアイテムは、過去のビギン掲載商品やスタッフ私物です。ほとんど現在購入できませんのでご了承ください。
[ビギン2019年6月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。