特集・連載
DENIM MASTER GUIDE #02
ジーンズがアメリカの国民服になったのは、カウボーイのお陰なんです。
デニムマスターポケットガイド 「セルビッジ」「66シルエット」「XX」……ときどき目にするジーンズ用語。「なんとなく」でしか知らない方も多いでしょう。じつは何気ないディテールワードだって大事な意味が隠されているんです。そこでジーンズの歴史と用語を簡単に解説&おさらい! 平成最後に胸にジーンと響く♪デニム特集です。 この記事は特集・連載「デニムマスターポケットガイド」#02です。
19世紀末の西部開拓時代、ジーンズはカウボーイも愛用していました。1930年代になるとカウボーイが活躍する西部劇の映画が大ヒット。劇中のウエスタンスタイルに人々は夢中になり、一般市民にもジーンズが浸透します。また自動車工場などの街のワーカーにも重宝され、国民的ガーメントになっていくのです。
カウボーイの制服となったジーンズ
西部映画のヒットにより、各社はカウボーイ向けのジーンズに注力します。リーの101カウボーイはネーミングからしても直球です。
鞍を傷つけないリベット代わりのバータック、馬に跨りやすいシルエット、バックポケットの配置で、カウボーイから絶大な支持を集めました。
Lee
リー
101B
より幅広いイメージを訴求すべく、リー・カウボーイからライダースにシリーズ名が変わった1945年の101を再現。ただ依然カウボーイロゴのボタンフライで、過渡期のレアな仕様が楽しめる。1万9000円(リー・ジャパン)
Lee 101B バック部分
ジーンズの呼称を使い始めたのはラングラー
1948年にはジーンズ御三家の一つ、ラングラーがスタート。ハリウッド映画のテイラーを招いて11MWを発売すると、スタイリッシュな作りに加え、歴代のロデオ王者が着用してカウボーイの代名詞的なジーンズに。そしてジーンズの呼称を使い始めたのは、このラングラーなんですよ。
Wrangler
ラングラー
11MWZ
ブルーベル社のウエスタンウェアブランドとして立ち上げられたラングラー。11MWはハリウッド映画のテイラー、ロデオ・ベンがデザイン。デザイナージーンズの元祖といえるモデルだ。1万9000円(リー・ジャパン)
ラングラーといえばジッパーフライだが、プロトの11MWはボタンフライだった。サドルを傷つけない、突起のないリベットも特徴的。
馬乗りの声をもとに、改良を重ねていたラングラー。1975年には13MWZが全米プロロデオカウボーイ協会公認ジーンズに指定された。