快適な車中泊生活を始めるため知っておくべきこと

快適な車中泊生活を始めるため知っておくべきこと

昨今、急速に注目が集まっているのが、クルマの中で寝泊まりする車中泊です。宿の手配や時間を気にすることなく出掛けられるので、旅の自由度が飛躍的に高まるのが人気の理由。車中泊ができることを条件にクルマを選ぶユーザーも少なくないようです。メーカーもこうした流れに呼応。車中泊を視野に開発された車種やオプションも充実してきています。そこで、これから車中泊デビューを考えている人向けに、注意点や知っておくべき知識をまとめてみました。

【ポイント1】車中泊に向いたクルマとは?

クルマの中で寝るだけなら、極端な話、どんな車種でも可能です。筆者も過去に全くリクライニングしないバケットシートを装着したクルマで一晩泊まったことがありますが、次の日の疲れを考えるとおすすめはできません。快適な車中泊ライフを送りたいのであれば、車内をフルフラット状態にできる車種を選びましょう。シートをリクライニングさせてフラットにできるものと、ラゲッジスペースとシートの背面を使ってフラットなスペースを作り出す車種がありますが、何も敷かずに寝るのであれば、前者のほうが快適。ただ、クルマのシートは微妙な凹凸があったりするので、完全にフラットになる後者のパターンでマットなどを敷いたほうが寝やすいという人もいるでしょう。その辺りは好みの分かれるところです。
車種としては、車内空間の広いミニバンなどが向いていますが、最近は軽自動車やコンパクトカーでもフルフラットにできるものが登場しています。下記に筆者がこれまで実際に横になってみて、快適だった車種をジャンル別に挙げておきますので、参考にしてください。

【ポイント2】ミニバンはセカンドシートのカタチに注意!

シートをフルフラット状態にできるため、車中泊に向いているミニバンですが、1つ注意してほしいのが2列目シートの形状です。最近のミニバンは2列目がキャプテンシートになっているグレードが人気ですが、この形状はフルフラット状態にしたときに真ん中に大きな隙間ができてしまうことがほとんど。その状態でも大人2人なら寝られますが、寝る際に隙間に落ちないよう気を付けなければならないのは、あまり快適ではありません。できれば、2列目がベンチシートになっているグレードを選びましょう。また、車種によっては3列目のシートがフラットになるまで倒れないものもあるので注意しましょう。

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2列目シートが独立したタイプだと、リクライニングさせた際に中央に大きな隙間ができてしまいます。

【ポイント3】SUVは車中泊に向くものが少ない

近年、世界的に人気が高まっているSUV。荷物がたくさん積めるので車中泊もできるだろうと思っている人が多いかもしれませんが、意外なことに車中泊に向く車種は多くありません。ラゲッジスペースは大きめで、リアシートを倒せばさらに広げることができる車種がほとんどなのですが、ラゲッジとシートの間に段差ができてしまうものや、フラットなスペースではあっても角度が付いてしまって寝にくい等の車種が少なくないので、アウトドアにSUVで出掛けて車中泊も……と考えている人はよく検討したほうがいいでしょう。

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スバル「フォレスター」はラゲッジとのつながりもフラットなので、おすすめできるSUVの1つです。

【ポイント4】軽自動車は意外と車中泊に向いている

逆に意外と車中泊向きの車種が多いのが軽自動車。車内のスペースは広くはありませんが、シートをフラットにできる車種が多く、限られたスペースを最大限に活用する工夫がされているので、寝心地も悪くありません。ただ、そうは言っても限界があるので大人2人以上で寝るのは厳しい(商用車の「N-VAN」は除く)と思っておいたほうがいいでしょう。

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ダイハツ「ウェイク」は車内空間が広く、シートも凹凸が少ないので、寝心地は快適です。

【ポイント5】荷室長と寝られる長さは異なる

SUVやワゴンなどの車種は、スペックに荷室長の数値が書かれているものもあります。ただ、この数値だけで「これだけあれば寝られるだろう」と判断してしまうのはちょっと早計。この数値はあくまでもゲート開口部からフロントシート背面までの長さなので、途中に段差があったり、フラットなスペースが途切れてしまっていたりということがよくあります。車中泊を前提に車種を選ぶなら、必ず実際に寝っ転がって検証することが大切です。

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荷室長は1800mmと表記されているホンダの「CR-V」(7人乗りモデル)ですが、身長175cmの筆者が横になるには、写真のように斜めになる必要がありました。

【ポイント6】快適に泊まるにはオプションを活用

シートの座面をフラットにできる車種であれば、寒くない時季はそのままでも寝ることはできますが、快適に泊まりたいのであればマットなどを用意したほうがいいでしょう。キャンプに使うマットや寝袋でも十分寝られますが、車中泊向けのグッズやオプションならばさらに快適。シートの凹凸などを解消するように車種専用に作られたマットなども存在します。
また、あったほうがいいのが窓を目隠しするためのカーテンやシェード。寝ている間に人目を気にせずに済むだけでなく、冬場は窓から熱が逃げるのを防ぎ、夏なら暑い日差しを遮ることもできます。これも車種専用のものが望ましいので、純正オプションが用意されていないか確認しておくといいでしょう。

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ホンダ「N-VAN」には純正オプションのエアマットが用意されている。敷き詰めるとかなり快適な寝心地。

【ポイント7】寝る前に泊まっていい場所か確認を

クルマさえ駐められれば、どこでも寝られるのが車中泊の魅力ではありますが、どんな場所でも泊まっていいわけではありません。高速道路のサービスエリアや道の駅などでは車内で寝ている人も見かけますが、ああいった場所はあくまでも仮眠が許されているだけで、車中泊やテーブルなどを広げる行為はNGです。もちろん、コンビニや店舗の駐車場などで泊まるのも避けるべき。全国にあるオートキャンプ場やRVパークなどを活用すれば、心置きなく寝られるだけでなくトイレなどの設備も整っているので、快適に泊まることができます。

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RVパークなら電源や水道などが整備されていて、利用料金も5000円程度と格安。

※表示価格は税抜き


構成・文/増谷茂樹

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