選ばれし名作が揃い踏み! 目利きが認めた“一生レベルで愛せる”靴の実力とは?
名立たるファッショニスタたちが惚れた選りすぐりの靴をピックアップ。一生レベルで愛せる名作とは一体?
「100足以上履いた結果、ナイキが一番」-菊池武夫さん
ファッションデザイナー
菊池武夫さん
まず、顔がいいでしょ? 最近の前傾が強すぎる厚底スニーカーは歩くには不向きなんですが、これはちょうどイイ塩梅。ジャケットには合わないけどね。あまりに気にいったので、半年で4色に増えました。僕はモードデザイナーになったつもりはなくて、常々、自分が楽しめるものを作りたいと思ってきました。ストリートの感覚ですね。スニーカーはストリートを象徴する存在ですし、その代表といえばナイキ。足に合うのもそうだけど、相性がいいのかもね。
Nike Sportswear[ナイキ スポーツウェア]
エア マックス 97
横長の窓からはたっぷり入ったエアーが覗く。長時間の歩行でも快適そのものだ。菊池さん私物のモデルは完売。現在「エア マックス 97」はオーダーメイドサービス「Nike By You」にて入手可能。写真は参考商品。 2万8600円(ナイキ カスタマーサービス)

ファッションデザイナー
菊池武夫さん
1975年にメンズビギを、1984年にタケオキクチを始動。2012年には同ブランドのクリエイティブディレクターに再就任。
「高重量なガチ筋トレでもしっかり安定する」-宇野 薫さん
On[オン]
クラウド X
本作用に開発したクラウドテックソールを採用。反発力の高さはもとより安定性も高めたワークアウト対応の一足。シーム最小限のメッシュアッパーは軽量性にも貢献。宇野さん私物のモデルは完売。現行は「クラウド X4」。1万9800円(オン・ジャパン)
今買える
オンはランシューブランドだと思われがちですが、これはジムトレなどにも対応したワークアウトモデルで、半チューブ状アウトソールの硬さがすごくイイ! 高重量を扱う筋トレにおいても、足元が沈み込んだりグラついたりすることが少ないですからね。しかもしっかりランにも対応しているので、ジムの日はこれ一足で十分。都内各所で道場を開いている僕にとっては、荷物が増えないっていうのも利点でしたね。

格闘家
宇野 薫さん
今なお現役を貫く総合格闘家。都内各所で、初歩から格闘技を学べる「UNO DOJO」を開く他、自身でアパレルもプロデュースする。
「『N』はいわばワサビのようなものである」-南 貴之さん
New Balance[ニューバランス]
ML2002R A
2010年に旗艦モデルとして登場した「2002」の復刻版。オリジナルの重厚なデザインを踏襲しながら、衝撃吸収性&反発性にすこぶる優れた高機能ソールを採用している。南さん私物のモデルは完売。現行は「2002R」。1万9800円(ニューバランスジャパンお客様相談室)
今買える
10年くらい前までニューバランスは大嫌いだったんです。Nロゴとかダサいじゃんって。けど、実際に履いてみたら履き心地が超よくて、Nも気にならなくなって。小さい頃は嫌だったワサビがいつしかなくてはならない存在になったように、成長過程でNにも免疫ができたのかも(笑)。ダントツで登板回数が多いのが2002。見た目も野暮ったくていいんですよね。自宅にも何足も箱のまんまストックしてて、ショップみたいになってます。あれだけあれば一生履けるかな(苦笑)。

alpha代表/クリエイティブディレクター
南 貴之さん
国内外のブランドのPR業、ディレクション業と型にはまらず活動。本誌連載「古具のほそ道」でもお馴染み。古きよきものを愛す。
「オールドスクールなもんで、やっぱり996」-林 芳亨さん
リゾルト デザイナー
林 芳亨さん
一番気に入ってるのは996。近頃だとボリュームとハイテク感のあるモデルが人気のようですが、僕はオールドスクールなんでね(笑)。やっぱりニューバランスは996のようにフォルムが細いのがいいんです。するとデニムにも合わせやすいでしょ? ニューバランスも革靴と同じで、紐をギュンギュンに締めて履きます。デニムはくるぶし丈か、ジャストをワンロール。やっぱりニューバランスを履くときはここのバランスが一番重要だと思う。
New Balance[ニューバランス]
996
ニューバランス人気を確立したといわれる名作。「コードレーンのトラウザーや、ネイビーのポプリンなど、キレイめなパンツにも似合うよね」。林さん私物の米国製モデルは完売。現行は「996v 2」。1万6280円(ニューバランスジャパンお客様相談室)
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リゾルト デザイナー
林 芳亨さん
「ドゥニーム」設立にあたりデザイナーとして参画。日本のレプリカデニム人気を牽引する御方。2010年にリゾルトをスタート。
「履物に対する概念を変えてくれた」-坂下史郎さん
LUNA SANDALS[ルナサンダル]
べナード
メキシコ先住民族が履いているという、タイヤのゴムを足の形に切り抜いただけの履物から着想を得て誕生した超~薄底設計のルナサンダル。その代表モデルがべナードだ。坂下さん私物のモデルは完売。現行は「べナード2.0」。1万2980円(ロータス)
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普段は東京で仕事をして、週末は山梨で田舎暮らし。そんな生活を始めて長いですが、夏の間はそのどちらでもほぼこのルナサンダルしか履いていません。開放感もさることながら、足裏がダイレクトに地面を捉える感じが何とも心地よくて。トレランに熱中していた頃は20kmくらい走っていました。足の健康にはコンフォート系の靴、ガンガン走るには最新のハイテクシューズという固定概念を、ガラリと変えた一足です。

迷迭香 デザイナー
坂下史郎さん
自身の暮らしぶりを反映した、街と山の双方で活躍する機能服ブランド「迷迭香」が人気。本誌連載「ベジカジライフ」でもお馴染み。
「もはや絶滅したであろう佇まいに惹かれた」-大淵 毅さん
ポストオーバーオールズ デザイナー
大淵 毅さん
このサンダルは山岳用のワラーチがベースで、たしかに古の人はこういうものを履いていただろうと思わされるクラシックな姿に惹かれました。高機能靴ではないのになぜか履きたくなるのは、昔の人が感じていた感覚を追体験できるから。1950年代以降、恐らく姿を消してしまった意匠。一度絶滅したデザインやディテールの良さを掘り起こし、再提案するのが僕の仕事。そういう意味でも、このサンダルには息を吹き返しそうなクラシックさを感じているんです。
MAKERS[メイカーズ]
ドライビングサンダル
日本人の足に適した木型を追求する日本ブランドの代表作。ソールを極限まで軽くし、天板には米国で鞣されたオイルドレザーを使用。ソフトな足あたりと堅牢さを兼ね備える秀作だ。「綺麗な蝶々結びより、ラフに結ぶほうが気に入っています」。2万2000円(ディアドルフ)

ポストオーバーオールズ デザイナー
大淵 毅さん
1993年に、ニューヨークを拠点に同ブランドをスタート。アメリカンヴィンテージやワークウェアに対する深い造詣を有する。
「室内でも靴を履く。アメリカ旅の必需品」-栗原道彦さん
OOFOS[ウーフォス]
ウーオリジナル
優れた衝撃吸収率で足と関節への負担を軽減するリカサン。一般的なEVA素材に比べてクッション性の高い独自素材「ウーフォーム」を採用。人間工学に基づいた設計は土踏まずをサポートし、履き心地は快適そのもの。8580円(アルコインターナショナル)
18歳の頃から30年近く、毎年2回渡米しています。各地のディーラーを訪ね、スリフトショップを巡り、1 日最低12時間は仕入れ。大量の古着を運搬しつつ長距離移動するので、装備するのは信頼できるモノだけですね。アメリカでは室内でも靴を履きっぱなし。モーテルでも立ち仕事をしたり、歩いたりしますが、このサンダルを携行するようになってからだいぶ足が楽になりました。丸洗いできるのも便利なんですよ。

ミスタークリーン 代表
栗原道彦さん
1996年より、古着バイヤーとして毎年アメリカに渡る。2011年に独立。2020年、東京・富ヶ谷に実店舗「ミスタークリーン」を移転オープン。
「一日履いても疲れない抜群のコンフォート靴」-八木沢 博幸さん
原宿キャシディ 店長
八木沢 博幸さん
履いていてとにかくラク。それに尽きます。もう高齢者ですから(笑)。アーチサポートの高さからどこまでも歩いて行けそうな履き心地で、一日立ちっぱなしでも疲れません。足馴染みのいい革が甲を包み込むかの製法も心地よさを増していて、腕に覚えのある職人の手仕事を抜きには製靴できないはず。おろしたて一日目から至極快適な、サンダル以上靴未満というような一足です。革靴はキツいよな、という日はつい手に取ってしまいますね。
FERNAND LEATHER[フェルナンドレザー]
レザースリッポン
ミシガン州にてフェルナンド氏がハンドメイドレザーの工房としてスタート。US製を貫くコンフォートシューズでお馴染み。ソールはビブラムで、交換して長く履くことができる。八木沢さん私物のモデルは完売。現行はブラウンのクロムエクセルレザーのもの。6万3800円(原宿キャシディ)
今買える

原宿キャシディ 店長
八木沢 博幸さん
接客や買い付け、オリジナルのデザインまで手掛けて40年超。今日も現役で店頭に立ち続ける、アイビー&プレッピーの伝道師的存在。
※表示価格は税込み
[ビギン2025年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。