【ポータークラシック】和の風情が新鮮な刺し子のフレンチジャケットが奥深い!
冬の旅はアウターで始まる
冬のアウター選びでは、寒さに耐え得るスペック面はいわずもがな、いかに外に飛び出したくなるかがキモです。そこで今回は、トレンチコートやライダースなど、街で着るには決めすぎ!?な絵になるアウターを旅のシーンごとに提案しています。旅という目的があれば、憧れのアウターも馴染むし、街でも着こなしを学べば鮮度がアップ!
刺し子 × フレンチで肩肘張らない日本旅
和洋に馴染む刺し子は、お洒落の先端でもある
日本の古都を巡る旅──着物で出掛けられたら粋でしょうけど、イチから揃えるとなると大変だし、着慣れていないと途端に気負って見えてしまいます。かといって、いつも通りの洋装では風情に欠ける……。
そこで提案したいのが、刺し子のウェアでの“和洋折衷”。これなら和の風情を楽しみながら、肩肘張らずに装えるという次第!
刺し子とは補強や保温のために生地を重ね、刺すように糸を入れて縫い合わせる技法や、その素材のこと。発祥は東北地方。刺し柄の素朴な美しさや温かみが醍醐味です。
モデルが着ているアウターは、刺し子の第一人者であるポータークラシックのフレンチワーク型ジャケット。和洋折衷とはこのこと! っていうほど、和の景観に溶け込みながら、ニットやシャツにも完璧に馴染んでいるでしょ?
ちなみに見るからに手の込んだ生地の素材は、インディゴ染めのコットン。うねるような起伏に、菱形の刺し柄、手作業による抜染で表現された色むらが相まって、じつに奥深〜い表情を醸すのです。
ポータークラシックの創業者である吉田克幸さんは、東北の民族博物館で刺し子に出会い、その美しさに感動したといいます。そして、文化や伝統を次代へ受け継ぐことを「最後のライフワーク」と位置づけ、自身が純粋に着たくなる服作りを行っているのだそう。
世界を舞台に服作りを続けてきた賢人の辿り着いた先がニッポンの刺し子だったというのは、じつに示唆に富んだ話。古都の旅を楽しみがてら、ボクらもファッションの“先”を楽しもうじゃないの。
東北の地が育んだ重き伝統とソフトで軽い着心地が一着に
Porter Classic[ポータークラシック]
ニュー サシコ ライト フレンチ ジャケット
柔らか&軽やかな刺し子を用いた、ポータークラシックを代表するフレンチワーク型のジャケット。起伏に富むタッチに、手作業で表現される色むら、力の抜けたフォルムが生む豊かなニュアンスは、まさしく唯一無二! 19万8000円(ポータークラシック 銀座本店)
(左)刺し子 + 抜染の合わせワザが生む表情豊かなテクスチャー (右)2016年のSSから展開される“サシコ”シリーズ
Travel Outfit
ポータークラシックのパンツ15万4000円(ポータークラシック 銀座本店)ビームスFのニット2万6400円、ダニエル アンド ボブのバッグ4万8400円(以上、ビームスF) ポストオーバーオールズのシャツ3万8500円(ポストオーバーオールズ代官山) シティ アンビエント プロダクツのカットソー7920円、オールデン × シップスの靴16万5000円(以上、シップス インフォメーションセンター) アイヴァンの眼鏡4万700円(アイヴァン 東京ギャラリー)
Usually Outfit
ジャケットを単品使いするときは、フーディ + チノパンでカジュアルに着こなす。ボーダーTをチラ見せして、抜け感を。ビームス プラスのパーカ1万7600円、同カットソー8800円(以上、ビームス プラス 原宿) キャプテン サンシャインのパンツ4万700円(キャプテンサンシャイン) コンバース フォー ユナイテッドアローズのスニーカー2万8600円(ユナイテッドアローズ 原宿本店) ナイジェル・ケーボンのバッグ1万7600円(アウターリミッツ)
Sashiko Outer Catalog
存在感満点! 縦横無尽のパッチワーク刺し子
FDMTL[ファンダメンタル]
カバーオールジャケット
デニムアイテムを得意とするドメブラより、パターンの異なるさまざまな刺し子を組み合わせて仕立てたシグネチャーモデル。ユーズド加工を施すことで、3年間着込んだような自然な色落ちが表現されている。レイヤード不問でサマになる一着だ。4万6200円(FDMTL 東京)
お馴染みのタマネギキルトをまさかの刺し子に!
KUON[クオン]
サシコノラギ
古着や古布にインスパイアされたモノ作りで人気を博すクオンの本作は、服好きにはお馴染みのタマネギキルトを手刺しで表現。ポリエステルの表地&裏地、中綿を用いミリタリーライナー風の野良着に仕立てた、ならではの一着だ。19万8000円(クオン フラッグシップ ストア)
本藍染めの刺し子はエイジングの期待も大
BLUE BLUE JAPAN[ブルーブルージャパン]
サシコトラッカージャケット
本藍でかせ染めにした糸をドビー織機で二重織りにした、オリジナルの刺し子を使用。ゆるっと肩の落ちるトラッカージャケット型に仕上げた一着だ。剣道着を思わせる厚手の生地は、それでいて固すぎないのもグッド。ガシガシ着てエイジングを楽しみたい。5万7200円(オクラ)
※表示価格は税込み
[ビギン2025年1月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。