今日から始める美味しい暮らし[ベジカジライフ]

多機能でコンパクト! ジョウロに化ける「コラプズ」の折りたたみバケツ

「ビジカジ」に始まり、あらゆる分野でカジュアル化が加速する昨今。次のジャンルは? と問われれば、それはズバリ、ガーデニングである! ベジタブル×カジュアル、名付けて「ベジカジ」。週末農家・坂下史郎さんが徒然なるままに書き連ねる、ちょっぴり土臭くて小粋なファッション放談。

コラプズの折りたたみ式ジョウロ

週末農家・坂下史郎のベジカジライフ
コラプズの折りたたみ式ジョウロ

以前苗木屋に行った時、目に飛び込んできたホップの苗。ビールの原料の一つであるのは当然知っていたが、実物を見たのはその時がはじめてだった。聞けばそのホップの苗は、甲斐黄金(かいこがね)という山梨で生まれ、品種登録された国産ホップの第一号とのことだった。

これはどうしてもうちの庭で育てたいと思い、即購入して持ち帰り、その日のうちに植えつけた。よほど環境が合っていたのか、ホップ自体の成長力があるのか、ウチの甲斐黄金は順調に成長した。そして、ビールの香りの素となる毬花(実ではなく花)が蔓の至る所にできはじめる。その毬花を摘んで匂いを嗅いでみると、間違いなくビール! が、感動と共に摘み取った毬花を手のひらに載せながらハッと気づく。自分はこれをどうすればいいんだ……?

ビールを醸造できるわけでもない自分にとって収穫後の扱いに困る存在となってしまった。

調理方法も色々調べてみたがしっくりくるものがなく、やはりこの香りを楽しみたいと、とりあえずビールの泡に載っけてみた。暑い夏の昼下がり、ホップの蔓が絡まる木陰で、直接摘み取った毬花をビールの泡に載せて飲む情景は、今読んでいただいている方々も美味しそうに感じるのではないだろうか。

そんなホップも、日当たりが良すぎて乾燥する場所にはあまり適しておらず、冷涼な気候が最良とされている。ホップ以外にもウチの庭には乾燥しすぎると良くない植物たちがいるため、マメな水やりも大切な作業の一つだ。

とはいえホースをわざわざ蛇口に繋いで準備するほどの作業量でない時、重宝するのが如雨露(ジョウロ)。英語ではWatering canと呼ぶが、日本のジョウロという言葉の由来は、ポルトガル語のJorro(ジョルロ)に由来するとされている。

今回紹介する「コラプズ」のそれは、もともとは折りたたみ式のバケツなのだが、アタッチメントを取り付ければ、たちまちジョウロに化ける優れモノ。ジョウロのパーツはバケツの底に全て収納でき、サイドの口をキャップで塞げば普通のバケツとして水を運べるのだ。

ちょっとしたガーデニング作業はもちろん、大人数でのキャンプやバーベキューなど、どうしても荷物が多くなる時なんかに、折りたためて運べるというのはとても助かる。

「多機能でコンパクト」。自分がとても好きな言葉だ。カンカン照りの夏の日に、ホップを浮かべたビールを飲みながら暑くなったら、ちょっと前に流行ったアイスバケツチャレンジみたく“アイスジョウロ”を楽しんでも良いかもしれない(笑)。

コラプズの折りたたみ式ジョウロ

バケツ⇄ジョウロの2WAYで使える折りたたみバケツ。食品グレード対応の素材で作られているため、庭作業以外にも氷を入れて飲み物を冷やしたりなど、アイデア次第で何通りにも使える。W22×H25×D22cm。9リットル。7700円(アンバイ ジェネラルグッズストア)

コラプズの折りたたみ式ジョウロ

①一度に9リットルまで汲める大容量だが、持ち手は溶接で強化されているので耐久性も安心。

コラプズの折りたたみ式ジョウロ

②このように、底面にパーツをまとめて格納できる。じつに機能的だ。

ホップの苗

③秋も深まってくると枯れてしまうが、根は生きている為、また次の春にグングンと蔓を伸ばして、前年よりもさらに旺盛に成長する。

今月のひと皿
ビール

ビール

甜菜糖、レモンの搾り汁、カルダモンシード、シナモンパウダーを入れてコトコトと30分ほど煮詰める。最初に半分の甜菜糖を入れて、途中で味見をしながら甘さを調整していくのがコツ。サワークリームと合わせて、スコーンにつけて食べるのが好きだ。

ホップ(HUMULUS LUPULUS)
●アサ科カラハナソウ属 ●全長:7~12m ●生態:多年草 ●原産地:ヨーロッパ
ホップ

[一口メモ]じつは薬草としての歴史も長く、かつてのインドや中国では不眠に効く薬として使われていた。

坂下史郎

坂下史郎

さかしたしろう/1970年生まれ。セレクトショップや著名ブランドのMD職を経て独立。2015年から都内と山梨・塩山での二拠点生活を始め、以来週末の山暮らしがルーティンに。デザイナーとしての顔も持ち、自身が手掛けるブランド「221VILLAGE(221ヴィレッジ)」と「迷迭香(マンネンロウ)」には、その趣向を反映させた街⇄山で活躍する機能服が揃う。

連載[週末農家・坂下史郎のベジカジライフ]
公式アカウントでも発信中!

https://www.instagram.com/vegicasual_begin/

※表示価格は税込み


[ビギン2024年11月号の記事を再構成]文/坂下史郎 写真/丸益功紀(BOIL)

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