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コスパの限界値を超えた別注生地を総力取材!

SUIT SQUARE(スーツスクエア)で学ぶVBCのABC~現地取材編~

今をときめくイタリアの名門生地メーカー、ヴィターレ・バルベリス・カノニコ(VBC)。スーツスクエアは、前身であるザ・スーツカンパニー時代からここの生地にどこよりも早く注目し、フレンドリーな価格で紹介してきました。このたびBeginは、スーツスクエアの皆さんとともにVBC本社を訪れ、素晴らしい生地が生まれる背景を徹底取材。日本のファンのために今回特別に実現した”大型別注生地”の詳細についてもVBCの重鎮にヒアリングしてまいりました。また、それらを使って作成されたスーツやセットアップ(ともに感涙プライス!!)の出来について語る有識者の対談も収録。服好きを魅了するVBCのすべてがわかり、シアワセな購入体験に導く渾身企画! 本項の現地取材編、第2部の別注買い説偏、そして第3部の試着会談編の3部構成でお届けします!

【Abroad~現地取材編~】
ビエラの超軟水がなければVBCの最上級生地はなかった

イタリアの生地聖地として知られるピエモンテ州ビエラ。老舗の生地メーカーが居並ぶこの地において、極め付けに長い歴史を誇るのが、ヴィターレ・バルベリス・カノニコ(VBC)です。なんと創業は17世紀半ば! 同社には1663年に税の一部を現金の代わりに毛織物で納めたという記録文書が残っていますから、少なくともこの年には商売を行っていたことになります(だから生地タグにも“1663”と記載)。

VBCの工場近くには、山々に降り積もった雪が地中でろ過された水が潤沢に流れる。そうした川に沿って紡績や製織工場が作られ、ビエラは一大生地産地として発展していった。

古くから生地作りが盛んだったのでしょう。それについてVBCの13代目当主、アレッサンドロ・バルベリス・カノニコさんは「水がいいからですよ」と即答。「いい生地を作るには、清廉な水が不可欠ですが、ここはアルプスにほど近く、取り囲む山脈から雪解け水が豊富に流れています。しかもヨーロッパは“硬水”が多いのに、この地の水は非常にピュアな“軟水”。カルシウムやマグネシウム成分が少ない軟水は、繊維を美しい色合いに染めることができ、天然のトリートメント効果により洗浄後の生地もふんわりと柔らかに仕上がるんです」。 19世紀の半ばには産業革命の波に乗り、VBCは機械化を推進していきます。やがて紡績、織り、染色、縮絨加工、仕上げまでの工程すべてを自社で一貫して行える体制も整え、どんどん規模を拡大。20世紀に入った頃には電力による最新織機もいち早く導入し、海外への輸出も開始。この地を牽引する存在となっていきます。

そんなVBCの名が日本で広く知られるようになったのは、ちょうどスーツスクエアの前身であるザ・スーツカンパニーが誕生した2000年あたり。しなやかで光沢に富んだ、いかにもイタリアらしい生地ばかりか、毎季多彩なコレクションを送り出し、今や高級インポート生地のベンチマークとなっているのはご承知の通りです。

写真のスーツは、VBCのアーカイブにあったヘリンボーン生地をアレンジし、21マイクロンで仕立てた別注生地を使用。スーツ4万3890円、シャツ6490円、タイ5390円、チーフ4290円、靴1万6390円。

なかでも世の服好きがこぞって絶賛するのが、「21マイクロン」シリーズです。じつはアレッサンドロさんも、同社の作る生地のなかで一番のお気に入りとか。

1663年創業のイタリア最大手の生地メーカーを精力的に率いる13代目当主。ミラノ工科大学工学博士号取得。イタリアの国際的な服地見本市「ミラノ・ウニカ」会長も兼任している。
比べると21マイクロンのほうが粗野な感じがするが、じつは17マイクロンより繊維長は長く、表面もスムース。縮れは、生地の反発力やナチュラルな伸縮性にも貢献するという。

「仕立て映えするハリコシを備えながら、英国生地のように重くなく、しなやかで美しいドレープも楽しめる生地を作りたかったんです。そこで目をつけたのが南米産の原毛。南米の荒々しくも豊かな自然で育った羊の毛は、太くて丈夫な繊維となります。そのなかから比較的細めの直径21マイクロンの原毛を厳選使用。とはいえ一般的な高級生地の原毛に比べたら、太めです。でもだからこそ、耐久性や防シワ性に富み、ドライで心地よいタッチの生地を作ることができる。満足いく生地となるまで幾度も失敗を繰り返しましたが、当社の技術陣の奮闘により今ではさまざまなタイプの生地を展開。21マイクロンは、ウール生地の可能性を追求してきた私どものひとつの到達点だと自負しています」。

仕入れから仕上げまで!
“一貫生産”こそのHIGH!クオリティ

①②早くから工場排水をろ過する設備を導入。その証しにキレイになった水を貯める池では鯉や金魚が泳いでいた。③世界各地から届く原毛の倉庫。④⑤ “トップ染め”と呼ばれる原毛の状態で染める工程を見学。VBCの機械はすべてカスタムメイド。⑥染め上がった原毛。微妙なメランジ感ある色合いに染まっている。

CEOの取材の後はいよいよ工場を見学。年間1000万m以上という、イタリア随一の生産規模を誇るだけあり、本社オフィスの裏手にある工場は過去ビギンが取材したどこの生地メーカーよりも広大、かつ高度にハイテク化されていました。先述の通り、VBCは生地作りの全工程を自社で行う
一貫紡ですが、紡績、染色、製織、仕上げとどの工程においても専用開発の最新マシンが導入され、効率化を図るとともに、工場内の環境をクリーンに保っていたのです。

⑦⑧巨大な紡績マシン。⑨紡績した糸をタテ糸として巻きつけるビーム。これも巨大! ⑩織機はすべて自動開閉カバー付き。

なかでも特に印象的だったのが、50台置かれた織機のすべてに、自動開閉するカバーが付けられていたこと。これは効率ウンヌンではなく、騒音から従業員の耳を守るための独自の工夫なんだとか。もちろん周辺環境への配慮も完璧。たとえばそれは水の浄化システムにも見て取れます。もともとVBCは染色や仕上げに環境負荷の少ない有機薬品のみ使用してきましたが、排水をさらに巨大なろ過装置で浄化。それらの一部は工場内で再利用しているそうです。

⑪⑫織り上がりをチェックする検反の工程。⑬展示会用サンプルの保管スペース。

まさに、働く人にも環境にも優しいVBCの工場。ここがビエラのリーディングカンパニーとなりえたのにも大いに納得ですね!

Beginが目撃してきた!
スーツスクエア × VBCの蜜月HISTORY

スーツスクエアは、前身のザ・スーツカンパニー時代からVBCの生地を主力に扱っており、Beginは折に触れ、その魅力を全力で紹介してきました。いかに両者が蜜月を築いてきたのか、連載「BEST BUY」で振り返ってみましょう。

お洒落になりたいと願うすべてのビジネスマンの駆け込み寺として、ザ・スーツカンパニーが誕生。“いいモノ=高い”という固定概念をブチ壊すべく、価値あるスーツを良心価格で店頭に並べ、日本の服飾業界を震撼させる。

ザ・スーツカンパニーの注目の新作を紹介するBeginの名物連載「BEST BUY」が03年5月号より始動。VBCの生地が初登場したのは04年2月号で、同社がザ・スーツカンパニーのためだけに特別に展開した生地ブランド「アルぺ ソリボ」のソフトツイードを紹介。

ザ・スーツカンパニーはつねに伊製インポート生地の主力としてVBCを扱い、当然「BESTBUY」でも頻繁に同社生地のスーツを紹介。連載100回目では改めてVBC生地の素晴らしさ、そしてそれを適正価格で提供するザ・スーツカンパニーの心意気について力説した。

“プルネル”と呼ばれる、VBCが最も得意とする4シーズン対応のしなやかな綾織り生地を、英国調の型紙に載せたスーツを紹介。ベーシックなスーツでさりげなく周囲に差をつけたい人の間で大人気となり、以後定番化。“スーツ界の501 ”の呼び名をほしいままに!

ザ・スーツカンパニー20周年記念企画として、VBCが20年前に展開していた生地を復刻してスーツを作成。幅広ラペルや2プリーツパンツなど、クラシック好き垂涎ディテール満載だったこと、さらに3万円台前半という驚異的な価格もあり、当然のごとくバカ売れ!

ザ・スーツカンパニーがスーツスクエアへと屋号変更。ユニバーサルランゲージのほか、オーダー部門のユニバーサルランゲージ メジャーズ、日本の素材に注力したグービ、レディースのホワイトから構成。より一層今のお洒落にリーチする体制へと生まれ変わった。

スーツスクエアとVBCの強固な関係性から、大型別注企画が実現! アーカイブの復刻をはじめ、他では入手不可な渾身生地にてスーツやセットアップを作成しました。しかもいずれも超お値打ち価格! 商品の詳細は、10月4日公開予定の【Best buy~別注買い説偏~】にてお届けします。

問い合わせ先/スーツスクエア TOKYO GINZA店 TEL 03-6264-4704
公式ホームページ


写真/松島星太 文/吉田 巌(十万馬力) スタイリング/梶谷早織

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