“通しか知らない”をサクッと学ぶ[10minutes ヴィンテージ]
「1万円でお釣りがくる英国“戦士”スラックス」
イギリス王立空軍のNo.2 ドレストラウザーズ
TEACHER:WAIPER プロデューサー L.L.WOODさん
男らしくラギッドに! ってのも大好物だけど、大人っぽくキレイめに♪ってのも捨てがたい……。そんな服好きのあるあるな煩悩を解消する名パンツが、ヴィンテージ界にはいくつか存在しています。
「なかでも通からとくに評価が高いのが、RAF(Royal Air Force)、いわゆる英国王立空軍の“No.2 ドレストラウザーズ”です。これは1990年代から2000年代にかけて、パレードや祭事などで着用する準礼服として採用されていたもの」。
「細すぎず太すぎずの万能シルエットにクリースが入れられ、折り目正しい雰囲気に仕立てられていますが、生粋のミリタリーパンツという背景も併せ持った、隠れ名品です」。
使い勝手のよさや語れる出自もさることながら、コスパの高さもまた人気の要因だそうで、「階級に関係なく、多くの兵士に向けて大量生産されていたこともあって、流通量は多め。おかげで現状の相場はU-1万円。ただジワジワ価格が上昇傾向にあるので、気になる人はお早めに」
品格あるサイドアジャスター
イギリス王立空軍のNo.2 ドレストラウザーズ
ウール×ポリエステルの混紡生地を使用しているから(ウール100%の個体もあり)、見た目はすこぶるドレッシーなのに、肌触りはドライでストレスフリー。生地の縫い合わせの部分をパイピングで補強するなど、仕立ても頑強な万能選手だ。6380円(ワイパー)
上品UK軍スラックスは他にも
No.1 ドレストラウザーズ
英国軍のスラックスは、実はNo.1からNo.15まであったんだそう。数字が若いほどドレス度が高く、No.2が準礼服として普段も着用されていたのに対し、ベルトループをも排したNo.1は、より礼節を重んじる式典などで着用されたのだとか。3850円(ワイパー)

WAIPER プロデューサー
L.L.WOODさん
ミリタリーといえばココ!と全国から服好きが集結する、福岡の超人気店の名物スタッフ。膨大な知識をもとに、長年仕入れ等も担当。
※表示価格は税込み
[ビギン2023年1月号の記事を再構成]写真/上野 敦(プルミエジュアン) 文/黒澤正人