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英国アウター Barbour バブアー

ワークやアウトドアの遺伝子も色濃い名門中の名門。創業当時は先進的だったワックスドコットン製品は、古式ゆかしい英国アウターの象徴として、今なお現役。その源流から基幹モデルを総ざらい。

Barbour バブアー
(Barbour/バブアー)

[1894年]
防風・防水性に優れたワックスドコットンを開発

Barbour バブアー ワックスドコットン
湾岸労働者に絶大な信頼を置かれた

ジョン・バブアー氏がイングランド北東部の港町サウス シールズで、「Jバブアー&サンズ」を創業。同地の港湾労働者向けに開発したワックスドコットン製品を製作した。密に織り込まれた綿生地に特製ワックスを染み込ませたこの生地は、防風&防水性に優れ、たちまち評判に。

[1910年]ヘイドンジャケット
英国のセレブ向けに作製したダブルコート

Barbour バブアー ヘイドンジャケット

英国上流階級の名家に、実に80年以上も保管されたのち、バブアーに寄贈されたという、伝説的コート。100年以上前からセレブたちをも魅了していたことが窺える。美し〜いAラインシルエットは、クラシカルなのに今見ても洒脱。写真は復刻版。参考商品。

[1930年]シングルブレステッドコート
ソーンプルーフワックスを初めて採用

Barbour バブアー シングルブレステッドコート

現在もバブアーが使用している伝家の宝刀「ソーンプルーフワックス」を初採用したことで知られる記念碑的モデル。上のヘイドンジャケット同様、美しいAラインとクラシックなロング丈が特徴だ。古きよき時代の紳士を連想させる、ジ・英国アウター。参考商品。

[1936年]インターナショナルスーツ
ジャケットの元となる幻のツナギ

Barbour バブアー インターナショナルスーツ

[1939年]ウルスラジャケット
“インターナショナル”にミリタリー性能を融合

Barbour バブアー ウルスラジャケット

潜水艦ウルスラ号の艦長ジョージ・フィリップ氏が、将校のウォータープルーフ加工済みスーツに感化され、バブアーに試作品の製作を依頼。結果完成したウルスラジャケットとボトムスは、潜水艦乗組員の基準服となり、第二次世界大戦中に大活躍した。参考商品。

英国海軍潜水艦ウルスラ号の制服
英国海軍潜水艦「ウルスラ号」の制服

[1947年]インターナショナルジャケット
これを機に世界へ! 歴史的モーターサイクルジャケット

Barbour バブアー インターナショナルジャケット

2代目のマルコム・バブアー氏の一人息子ダンカン・バブアー氏が、自身が熱狂的なバイク乗りだったことから開発。多くの模倣品を生む大ヒットとなった。50年代〜70年代には、なんと英国のライダーの7割が今作を着用していたという逸話も! 参考商品。

バイク乗り
バイク乗りに愛用された

[1953年]ツーリングコート
“インターナショナル”のAラインロングコートver.

Barbour バブアー ツーリングコート

英国モーターサイクル全盛期に誕生した、知る人ぞ知る名品。永世定番のインターナショナルを、英国然としたAラインのロングコートにアレンジしたようなデザインが特徴だ。斜めポケットやベルテッド等、インターナショナルの象徴的意匠も踏襲。参考商品。

[1960年]ソルウェイジッパー
バブアー初のフィールド向けジャケット

Barbour バブアー ソルウェイジッパー

乗馬や狩猟をはじめとする英国伝統のカントリースポーツ用ジャケットとして開発。スナップボタン×ジップの二重フロントや、フラップポケット、ラグランスリーブ、ウエストベルト、チンストラップ等々、後年のモデルに継承される象徴的意匠が凝縮。写真はスリムライン。参考商品。

[1980年]スペイ
釣り人のための随一のショート丈

Barbour バブアー スペイ

サーモンの漁場として著名なスペイ川でフライフィッシングをする人々のために開発された隠れ名品。極短の着丈や運動性の高いラグランスリーブ、針の引っ掛かりを防止するセットインポケットなど、釣りに特化したモデルとして通からの評価も高い。5万7200円。

Barbour バブアー スペイ
フライフィッシングをする人々のために開発された隠れ名品

[1980年]ビデイル
元は乗馬向けながら街使いとも相性◎

Barbour バブアー ビデイル

バブアーの現会長マーガレット・バブアー氏が乗馬用として開発。防風性を高める袖リブやサイドベンツ、ハンドウォーマーポケットなど、馬上での着用を想定して採用された意匠が、街でこそ利くじゃん♪と大ブレイク。5万3900円。

Barbour バブアー ビデイル

[時代に合わせたサイズも展開]
 

SLビデイル OSビデイル
右/2011年SLビデイル 左/2022年OSビデイル。同じビデイルでもサイジング違い

 
バブアーは各モデルのオーセンティックなシルエットは守りつつも、時代に合わせてサイズ調整した進化版もラインナップしてきた。スリムが主流だった数年前まではSL(スリムライン)をメインに、ユルさを重用する近年ではOS(オーバーサイズ)を派生モデルとして開発し、ファン層を拡大している。

[1980s]バーレイ
現行モデルではもっとも長めの着丈

Barbour バブアー バーレイ

乗馬用に開発された玄人好みの名作。長〜〜い着丈のほか、脚を固定するレッグストラップ、深めにとられたセンターベント等、馬上で効果を発揮するディテールが満載。写真はバーレイを、身幅を広めに着丈も長めにアレンジしたオーバーサイズ仕様。6万4900円。

[1982年]ボーダー
保湿性&防雨性に優れたロング丈

Barbour バブアー ボーダー

野外散策用に作られた名品は、奇しくも名前とリンクするボーダーレスな使い道で人気。クラシカルなセットインスリーブや緩やかなAラインシルエット、膝までのびた長めの着丈等々、アウトドアからビジネスシーンまで利く意匠のオンパレード。6万4900円。

[丈感はこんなに違う!]
 

Barbour バブアー 丈感比較
(左から)スペイ、トランスポート、ビデイル、ビューフォート、ボーダー

 
ワックスドコットン製アウターの御本尊たるバブアーには、130年近い歴史を彩る名品がズラリ。同じ特性の生地でも丈感によって、受ける印象も着用するシーンもまったく異なるもの。この振り幅の広さも人気の要因だ。

[1983年]ビューフォート
ビジネスにも馴染みのいい袖リブなし&ちょい長めの丈

Barbour バブアー ビューフォート

狩猟用に開発された定番。基本仕様はビデイルと似ているが、袖まくりしやすいよう、袖口の裏地が開閉式になっているのが特徴だ。狩猟時のジャケットスタイルに抵触しないミドル丈や袖のリブなし仕様が、ビズに利くのも魅力。6万500円。

[1990s]トランスポート
スペイより若干長めな運送業向け

Barbour バブアー トランスポート

90年代〜00年代初頭のわずかな期間だけ作られたレア物。モデル名と広めの身幅から、輸送業者向けに開発されたと推察される。ゆったりしたシルエットやスナップボタン式の比翼からコーチジャケット感覚で羽織れるとして、近年人気の的に。5万600円。

[本国ではキルティングが人気!?]
 
英国本国
 

Barbour バブアー キルティング

 
創刊以来ビギンは幾度となく英国取材を行ってきたが、その度に老舗百貨店のバブアーコーナーをチェック。ワックスドコットンアウターに比肩するほど、キルティングアウターが豊富に展示されていることを確認してきた。聞けば今の若い世代はバブアー=キルティングのイメージが強いんだそう。

 
※表示価格は税込み


[ビギン2022年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

Begin 2022年11月号の表紙

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