ムロフィス 中室太輔さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #071
「紐をギュンギュンに締め、タイトに絞って履くのが流儀です」
ムロフィス ディレクター 中室太輔さん
NBAブーム真っ只中の思春期にバスケ部だった自分は、根っからのナイキ派。ナイキのレトロバッシュは、ここ最近、投機の対象になるほどの人気ですが、「ジョーダンⅠ」や「ブレーザー」などのクラシックモデルは元々好きで。これまでナイキだけで通算100足は所有してきたかな。
でも「ダンク」が気になりだしたのはごく最近です。きっかけはキャプテン サンシャインのデザイナー、児島晋輔さん。彼がデニムなどではなく、フランネルのワイドスラックスに合わせていたのが新鮮で、自分もこういう大人な履き方をしたいなと。
ダンクってシューレースがやたらと長いんですよ。敢えてワンサイズ上を選んで紐をギュンギュンに締め、二重に蝶結びをして履くんです。すると革靴のように羽根が閉じて、アッパーにシワが寄り、土踏まずがくびれて色気が出る。モディファイドラストの靴のような雰囲気ですね。
実はこの白×黒ツートーンのメンズが完売で、たまたま見つけたレディスの28.5cmを選んだということもあって、その分さらにラストが細く、こうした履き方がマッチするのかもしれません。
ツートーンのダンクって、子どもが絵に描きそうな“ザ・ハイカットのバッシュ”じゃないですか。時計で言えばエクスプローラーⅠのような完成度。その名作感、安心感で、ドレスもカジュアルも難なくこなせるんでしょうね。
NIKE[ナイキ]
ダンク ハイ レトロ
人気カラーは抽選販売になるダンクシリーズ。白×黒のハイカットは2021年に出た復刻で、メンズは完売していたが、レディスのビッグサイズがたまたま店頭に残っていたそう。なかなか買えない人は狙い目かも。(本人私物)
ムロフィス ディレクター
中室太輔(なかむろたいすけ)
1981年生まれ。エディフィスのプレスを経て独立後、PR・ブランディングオフィスのムロフィスを設立。学生時代はバスケ部に所属。ナイキ派として、アディダス派のサッカー部と勢力争いを展開。
[ビギン2022年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。